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前立腺がんの治療法

前立腺がん治療は病期によって4つに分類されます

前立腺がんの治療法は、ステージによって異なります。

がんが前立腺内にとどまっていて転移がない限局がんでは、根治を目標にして、主に前立腺全摘除術、または放射線療法を行います。

がんが骨やリンパ節などに転移した転移がんや、再発がんに対しては、がんの増殖を抑えるホルモン療法と抗がん剤による薬物療法が行われます。

外科手術

限局がんや局所進行がんが対象となります。前立腺がんの手術では、前立腺と精嚢を摘出した後に膀胱と尿道をつなぎ合わせる前立腺全摘除術が行われます。この手術では、リンパ節への転移の有無を調べるために、前立腺の近くにあるリンパ節を取り除く骨盤リンパ節郭清も行われます。

この手術の対象となるのは75歳くらいまでで、期待余命が10年以上、がんの悪性度(グリーンスコア)が7以下、ステージがT2bまでです。ただし、実際には年齢が75歳以上であっても前立腺全摘除術が行われることもあります。

手術の方法には開腹手術、腹腔鏡下手術、ロボット手術があります。

開腹手術

開腹手術には、へその下から恥骨にかけて切開する恥骨後式と、肛門と陰嚢の間(会陰)を切開する会陰式がありますが、現在は恥骨後式が主流になっています。

恥骨後式のメリットは、前立腺や精嚢、リンパ節などをすべて取り除ける可能性が高いことです。手術時間は通常2-4時間程度と短くて済みますが、体への負担が大きいために2週間近くの入院が必要です。

会陰式は、切開する範囲が比較的小さく、出血も少なくて済み、術後の痛みは恥骨後式より軽いのが特徴です。ただし、肥大した前立腺やリンパ節は取り除くことができません。

腹腔鏡下手術

下腹部を5カ所切開して、その孔から腹腔鏡や鉗子を挿入します。この手術では、二酸化炭素を骨盤腔に入れて膨らませて(気腹)手術をするスペースを確保します。術者は腹腔鏡で手術する部位を見ながら、鉗子で前立腺や精嚢などを切除していきます。

手術する部位を腹腔鏡によって拡大して見ることができるため、勃起神経を残存する神経温存など精密な手術を行うことができます。また、開腹手術に比べて出血が少なくて済み、体への負担が少ないのが特徴です。手術時間は一般的に3〜6時間で、入院期間は7〜9日程度です。

ロボット手術

医師が手術用ロボットを遠隔操作して行う手術です。腹腔鏡下手術と同様に気腹した上で、下腹部を6カ所小さく切開し、その孔から腹腔鏡と鉗子を挿入します。術者は、テレビモニターに映し出された腹腔鏡で拡大された三次元画像を見ながら遠隔操作によって手術を行います。

鉗子を自由自在に動かすことができるので、神経温存、膀胱と尿道を細かく吻合できるなど精密な手術が可能です。また、腹腔鏡下手術と同様、出血が少なくて済みます。
手術時間は一般的に3〜6時間で、入院期間は7〜9日程度です。

放射線療法

限局がんに対しては根治を目指し、骨などに転移した転移がんに対しては激烈な痛みの緩和を目的に行われる治療法です。

前立腺がんに放射線を照射して死滅させる放射線療法には、外照射療法と組織内照射療法があります。

外照射療法

高エネルギーのX線を発生するリニアックという装置を用いて、体外から前立腺に放射線を照射します。皮膚や筋肉などの前立腺以外の組織や臓器に放射線が当たることを避けるために、前立腺の形や大きさ、位置を正確に捉えて放射線を照射することができる三次元原体照射(3D-CRT)や強度変調放射線治療(IMRT)などが行われています。

3D-CRTでは、前立腺の形に合わせてさまざまな角度から放射線を照射します。1回の照射時間は10〜15分程度で、週5日を2カ月続けます。

IMRTは、前立腺のカーブに合わせて照射できる上、放射線の強弱を変えられます。そのため、前立腺に高線量の放射線を集中して、正常な組織のへの被曝を少なくできます。1回の照射時間は3D-CRTより少し長めです。

組織内照射療法

放射線を出す線源を前立腺内に差し込んで、前立腺の内部から放射線を照射する治療法です。コンピューターを使って針を刺す位置を正確に割り出し、経直腸超音波とテンプレート(三次元の放射線分布図)を用いて十数本の針を刺して線源を挿入します。

強い放射線を照射することができるので、前立腺を覆う被膜を越えて広がっている転移のない前立腺がんに有効です。1回の照射時間は10分程度で、数日間続けます。

ホルモン療法・化学療法

骨などへの転移がん、再発がんに対して、がんの増殖を抑える治療法です。

前立腺がんは、男性ホルモンの刺激を受けることで増殖します。ホルモン療法では、男性ホルモンの分泌を抑えたり、がんに対する作用を抑制したりします。

従来のホルモン療法には、男性ホルモンを合成して分泌する精嚢を取り除く手術や、薬によって男性ホルモンの合成を抑える方法があります。さらに、補助的に男性ホルモンががんに作用するのを抑える抗男性ホルモン薬を併用していました。

しかし、ホルモン療法を行ってもがんは進行(去勢抵抗性前立腺がん)してしまいます。そうしたときには、ドセタキセルという抗がん剤が使われていました。

最近では、アビラテロンとエンザルタミドという新しいホルモン療法薬が登場したことで、がんの増殖を抑えたり、進行スピードを遅らせたりすることができるようになりました。

従来のホルモン療法を行った後に、アビラテロンかエンザルタミドのどちらかを使い、効果がなかったり不十分だったりした場合にはもう一方の薬を使います。こうしたホルモン療法を行っても効果を得られない場合は、まずドセタキセルを使います。それでも芳しい効果が出ない場合は、新しい抗がん剤であるカボジタキセルを使います。?こうした5段階の治療を行うことで、従来のホルモン療法・化学療法に比べて生存期間を延ばすことができるようになっています。

前立腺がんのリスクから治療法を選ぶ

限局がんでは、低リスク、中間リスク、高リスクの3段階に分けて、それぞれの段階に適した治療を選択します。リスクは、PSA値とTNM分類による進行度、がんの悪性度によって決まります。

低リスクの治療では、手術療法または放射線療法のどちらか1種類が選択されます。場合によっては、定期的にPSA検査などを行って経過観察をするPSA監視療法が選択されます。

中間リスクでは、手術療法または放射線療法の単独療法か、その両方の併用が選択されます。また、これら2つの療法にホルモン療法を組み合わせた選択をすることもあります。

高リスクや局所進行がんでは、手術療法または放射線療法、さらに多くの場合ホルモン療法が選択されます。場合によっては手術療法、放射線療法、ホルモン療法を組み合わせた選択をすることもあります。
転移がんや再発がんでは、ホルモン療法が選択されます。

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著者

桑満おさむ医師

このページの文責:桑満おさむ(医師)
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区で五本木クリニックを開院。

患者さん1人ひとりのホームドクターになるという理念のもと、常に敷居が低くどなたでもお気軽に来院できるクリニックを目指し、とくに日帰り検査・手術に力を入れています。技術の向上はもちろんですがより新しい医療機器や治療方法・医学情報の提供につとめています。患者さんとの会話を大切にしています。

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