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前立腺がんの初期症状と末期症状

初期はほとんど自覚症状がない

がんは初期に自覚症状が現れないものが多いのですが、前立腺がんはその典型といえます。前立腺がんは、前立腺の尿道から遠い辺縁領域という部位に発生します。辺縁領域のがんが2cmほどの大きさになっても、尿道を圧迫することが少ないため、前立腺肥大症のような排尿障害が現れることはありません。

自覚症状が現れるのは、前立腺がんがかなり進行してからです。自覚症状のほとんどは、前立腺肥大症の症状と共通しています。そのため、前立腺肥大症の治療をするための検査やがん検診で、前立腺がんが発見されることも少なくありません。

進行した前立腺がんの自覚症状としては、頻尿、残尿感、排尿困難などの排尿障害などがあり、健康な成人男性だと1日の排尿回数は7〜8回ですが、これより回数が多い場合は頻尿と考えられます。特に、就寝後に尿意をもよおして複数回トイレに行くようになるのが特徴です。

また、排尿してもまだ尿が残っている感覚(残尿感)があります。排尿には、膀胱の出口にある内尿道括約筋や前立腺の筋肉が関係していますが、前立腺がんが進行すると、尿道が圧迫されることでこれらの筋肉がうまく働かなくなってしまい、膀胱にたまった尿を出しきらないまま排尿が終わってしまいます。
残尿が高じると、排尿が終わったと思って着衣してから少量の尿がこぼれる排尿後滴下や溢流性尿失禁が現れることもあります。

排尿困難とは、尿意をもよおしてトイレに行ってもなかなか尿が出ない状態をいいます。健康な成人男性では、排尿の準備が整ってから2〜3秒で尿が出ますが、排尿障害になると10秒以上かかるようになります。

排尿障害の原因は、大きくなった前立腺がんが尿道を圧迫することです。また、排尿では、自律神経である交感神経と副交感神経が協調して、膀胱や内尿道括約筋の収縮や弛緩をコントロールしています。前立腺がんが進行すると、この協調がスムーズにできなくなります。その結果、筋肉がなかなか弛緩しなくなって排尿困難を引き起こします。

そのほかにも、排尿の勢いが弱くなる、排尿時の尿の線が細くなる、尿に血液が混じるなどの症状が現れることもあります。また、まれに精液に血液が混じる血精液症が起こることがあります。

末期症状では背中や腰の激烈な痛みがある

前立腺がんが進行すると、背骨・腰痛や骨盤骨などに転移しやすくなります。骨への転移がかなり広がると、転移した部分に痛みを生じます。
例えば背骨に転移すると、強烈な腰痛や背部痛を起こすことがあります。また、背骨への転移では、脚が動かしにくくなる運動障害や、しびれが現れることがあります。これは、背骨に転移したがんが背骨の脊柱管を通る神経を圧迫するために起こります。さらに、骨への転移がきっかけになって、骨がもろくなり骨折を起こしやすくなることもあります。

骨の次に前立腺がんが転移しやすいのがリンパ節です。リンパ節に転移したがんが多くなると、リンパ節が静脈を圧迫して脚がむくむことがあります。また、腎機能が低下し、やがて腎不全を起こすと、血液中の老廃物を濾過して尿とともに排泄できなくなる水腎症を起こすこともあります

末期(ステージ?)の治療法

進行転移がんの治療では、ホルモン療法が行われます。また、骨転移による痛みや骨折の予防には、主に放射線療法と薬物療法が行われます。

骨転移による痛みに対しては、放射線療法が有効とされています。ただし、一度放射線療法を行った部位に再度放射線を照射することはできません。

痛みに対する治療には、非ステロイド性抗炎症薬を使うことがあります。非ステロイド性抗炎症薬では十分に痛みを抑えるのが難しい場合には、鎮痛効果が強力なオピオイドが使われます。

骨折の予防には、古い骨を壊して吸収する破骨細胞の働きが活発するのを抑えるビスホスホネート、破骨細胞の働きを阻害するデノスマブが使われます。

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著者

桑満おさむ医師

このページの文責:桑満おさむ(医師)
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区で五本木クリニックを開院。

患者さん1人ひとりのホームドクターになるという理念のもと、常に敷居が低くどなたでもお気軽に来院できるクリニックを目指し、とくに日帰り検査・手術に力を入れています。技術の向上はもちろんですがより新しい医療機器や治療方法・医学情報の提供につとめています。患者さんとの会話を大切にしています。

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