慢性膀胱炎

慢性膀胱炎とは

膀胱の粘膜の炎症が持続している病気です。細菌感染によって起きる急性膀胱炎が再発を繰り返して慢性化するケースと、何らかの基礎疾患が原因になって細菌感染する慢性複雑性膀胱炎、細菌感染以外の原因で慢性化する非細菌性膀胱炎(若年型と中高年型)があります。

症状

症状としては下腹部の不快感が現れます。そのほか、トイレの回数が多くなる頻尿、排尿時の痛み、血尿、尿意切迫感などの急性膀胱炎と同じような症状が現れることがありますが、現れ方は急性膀胱炎に比べていずれの症状も軽度です。

人によっては、排尿をしてもすっきりとしない残尿感や尿の混濁があるくらいで、ほとんど自覚症状がないこともあります。

原因

慢性複雑性膀胱炎では、膀胱胆石や前立腺肥大症、尿路胆石、膀胱腫瘍、糖尿病、尿道の狭窄などの基礎疾患、膀尿道カテーテルの留置によって尿の流れが悪くなり、細菌が膀胱内に侵入して起きた炎症が続きます。

非細菌性の若年型慢性膀胱炎の原因ははっきりしていません。また、中高年型慢性膀胱炎では、女性が更年期以降、女性ホルモンの分泌が低下することで、膀胱粘膜が変性したり、過敏になったりして炎症が起きることも原因の1つです。

診断と検査

基本的には尿検査・尿培養検査です。結石や腫瘍がないかの超音波検査や残尿測定を行います。

当クリニックの考え方・治療方法

無症状での細菌性慢性膀胱炎では、基本的には抗生剤は使いません。高熱など、いざというときに耐性菌で薬が効かなくなるからです。原疾患(前立腺肥大症や結石)の治療を優先します。

処方される主な薬

レボフロキサシン
レボフロキサシン
レボフロキサシン1錠

製薬会社名

沢井製薬株式会社

主成分

レボフロキサシン水和物

作用・効果

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、子宮頸管炎、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、コレラ、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、炭疽、ブルセラ症、ペスト、野兎病、肺結核及びその他の結核症、Q熱

用法・用量

通常、成人にはレボフロキサシンとして1回500?を1日1回経口投与する。なお、疾患・症状に応じて適宜減量する。

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)
痙攣
QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)
急性腎不全、間質性腎炎
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
汎血球減少症、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少
間質性肺炎、好酸球性肺炎
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎
横紋筋融解症
低血糖
アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害
錯乱、せん妄、抑うつ等の精神症状
過敏性血管炎
重症筋無力症の悪化

引用元

沢井製薬株式会社「レボフロキサシン錠」添付文書より

グレースビット
グレースビット
グレースビット1錠

製薬会社名

第一三共株式会社

主成分

シタフロキサシン水和物

作用・効果

・咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
・膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎
・子宮頸管炎
・中耳炎、副鼻腔炎
・歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

用法・用量

通常、成人に対してシタフロキサシンとして1回50mgを1日2回又は1回100mgを1日1 回経口投与する。

副作用

下痢、軟便、頭痛、ALT(上昇)、AST(GOT)上昇、好酸球数増加

引用元

第一三共株式会社「グレースビット錠」添付文書より

サワシリン
サワシリン
サワシリン1錠

製薬会社名

アステラス製薬

主成分

アモキシシリン水和物

作用・効果

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、淋菌感染症、梅毒、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、猩紅熱、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

用法・用量

成人:アモキシシリン水和物として、通常1回250mg(力価)を1日3〜4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

下痢・軟便、食欲不振、発疹、悪心・嘔吐等の自他覚的副作用、トランスアミナーゼ上昇、ヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

引用元

アステラス製薬「サワシリン錠」添付文書より

フロモックス
フロモックス
フロモックス一錠

製薬会社名

塩野義製薬株式会社

主成分

セフカペン ピボキシル塩酸塩錠

作用・効果

・ 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症
・ 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍
・ 咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
・ 膀胱炎、腎盂腎炎
・ 尿道炎、子宮頸管炎
・ 胆嚢炎、胆管炎
・ バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎
・ 涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎
・ 外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎
・ 歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

用法・用量

通常、成人にはセフカペン ピボキシル塩酸塩水和物として1回100mg(力価)を1日3回食後経口投与する。
なお、年齢及び症状に応じて適宜増減するが、難治性又は効果不十分と思われる症例には1回150mg(力価)を1日3回食後経口投与する。

重大な副作用

・ショック、アナフィラキシー
・急性腎不全
・無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血
・偽膜性大腸炎、出血性大腸炎
・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、 ・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)
・間質性肺炎、好酸球性肺炎
・劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
・横紋筋融解症

副作用

・発疹(0.1〜3%)
・蕁麻疹、そう痒感、発赤、紅斑、腫脹、発熱(0.1%未満)
・関節痛(頻度不明)

引用元

塩野義製薬株式会社「フロモックス錠」添付文書より

バクタ
バクタ
バクタ一錠

製薬会社名

塩野義製薬株式会社

主成分

スルファメトキサゾール・トリメトプリム

作用・効果

・肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
・複雑性膀胱炎、腎盂腎炎
・感染性腸炎、腸チフス、パラチフス

用法・用量

通常、成人には1日量4錠(顆粒の場合は4g)を2回に分割し、経口投与する。ただし、年齢、症状に応じて適宜増減する。

重大な副作用

・再生不良性貧血,溶血性貧血,巨赤芽球性貧血,メトヘモグロビン血症,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少症(頻度不 明)
・血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、溶血性尿毒症症候群(HUS)(頻度不明)
・ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)
・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)(0.1%未満)
・薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
・急性膵炎(頻度不明)
・偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)
・重度の肝障害(頻度不明)
・急性腎不全、間質性腎炎(頻度不明)
・無菌性髄膜炎、末梢神経炎(頻度不明)
・間質性肺炎、PIE症候群(頻度不明)
・低血糖発作(頻度不明)
・高カリウム血症,低ナトリウム血症(頻度不明)
・横紋筋融解症(頻度不明)

その他の副作用

・発疹(0.1〜3%)
・蕁麻疹、そう痒感、発赤、紅斑、腫脹、発熱(0.1%)
・関節痛(頻度不明)

引用元

塩野義製薬株式会社「バクタ配合錠・配合顆粒錠」添付文書より

バナン
バナン
バナン1錠

製薬会社名

第一三共株式会社

主成分

セフポドキシム プロキセチル

作用・効果

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、バルトリン腺炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

用法・用量

通常、成人にはセフポドキシム プロキセチルとして1回100mg(力価)を1日2回食後経口投与する。なお、年齢及び症状に応じて適宜増減するが、重症又は効果不十分と思われる症例には、1回200mg(力価)を1日2回食後経口投与する。

重大な副作用

・ショック、アナフィラキシー
・中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
・偽膜性大腸炎
・急性腎不全
・間質性肺炎、PIE症候群
・肝機能障害、黄疸
・血小板減少
・汎血球減少症、無顆粒球症、溶血性貧血
・痙攣

その他の副作用

・発疹(0.1〜1%未満)
・蕁麻疹、紅斑、そう痒、発熱(0.1%未満)
・リンパ腺腫脹、関節痛(頻度不明)

引用元

第一三共株式会社「バナン錠」添付文書より

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桑満おさむ医師

このページの文責:桑満おさむ(医師)
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区で五本木クリニックを開院。

患者さん1人ひとりのホームドクターになるという理念のもと、常に敷居が低くどなたでもお気軽に来院できるクリニックを目指し、とくに日帰り検査・手術に力を入れています。技術の向上はもちろんですがより新しい医療機器や治療方法・医学情報の提供につとめています。患者さんとの会話を大切にしています。

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