ここ最近都内で手足口病の流行が報道されています。もともと夏に流行する傾向がありますので、現時点で大騒ぎをする必要はないと考えます。でも、いざご自分のご家族が発症した場合は焦ってしまうのも当然ですので、この病気について説明をしてみます。
特効薬はありません
ウイルス感染による病気ですので、特効薬はありません。その為対症療法になってしまいます。
感染経路に注意を
つば、発疹、糞便から感染するので、発症した場合は保育園・幼稚園は休むことを推奨します。感染した子がおもちゃをなめた場合、そのおもちゃを触った手でおやつを食べても移る可能性があります。兄弟が発症した場合は、一緒に入浴をすることによって移る可能性もありますし、トイレから移る可能性もあります。また、タオルを共有することによっても感染のリスクが出てきます。
症状の特徴
手や足に水疱ができるのが、特徴ですが夏場の湿疹や汗疹との見分けがつきにくいのですが、
- 手のひら、足の裏に水疱ができたら「手足口病」を疑いましょう。
- 発熱はある場合と無い場合があります。
- 高熱が続くことはあまりありません
後遺症・合併症
髄膜炎などの中枢神経系の症状を伴う場合があります。そのような重篤な症状を起こす可能性があるために、流行に注意を呼び掛けているとお考えください。
- 発熱が2日以上続く
- 嘔吐が続く
- ぐったりしている
- おしっこがでない
- 息苦しそう
上記の場合は重症化する恐れがありますので、至急医療機関を受診してください。
当院では皮膚科的な症状が中心の場合は対応できますが、上記のような症状の場合は小児科の専門医の受診をお勧めします。
感染を防ぐには
ウイルス性の感染症ですので、冬場のインフルエンザの予防法と同じようにお考えください。手洗いをしっかりすることでかなり予防効果があります。インフルエンザとの違いとして、糞便による感染がしられていますので、オムツなどから感染することを予想してください。ご自分のお子さんが感染したらオムツの処理をしっかり行い兄弟や友達に移さないようにしましょう。
周囲が気を付けること
手足口病は年少者が罹りやすい病気ですので、周囲の大人が気を付けてあげるしか予防手段はありませんし、周囲への感染を抑えることができません。
むやみに恐れる必要はありません
ほとんどの方は数日で治ってしまう病気です。当院の特徴として院内処方を行い、症状のある方が調剤薬局まで行かないですむようにしていますが、皮膚症状に対しての塗り薬等は幼児に使用できるものを用意しています。解熱剤等は小児・幼児用を常備しておりませんので、熱などの症状がある場合は、小児科を受診していただくことをおすすめいたします。