バイアグラ100ml男と呼ばれない方法を伝授します⁉悪用禁止だよ。

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松居一代さんVS船越英一郎の泥沼的な夫婦喧嘩で有名になったバイアグラ。実はバイアグラの単位はミリグラム(mg)であり、体積の単位であるミリリットル(ml)だとトンデモない量になってしまうことは前回お伝えしました。

松居一代さま、バイアグラ100ml飲んだら死んじゃいますけど⋯。

まあ、これは興奮状態にあったと思われる松居一代さんの心理状態を考えると仕方ないことと、考えましょう。

とりあえずバイアグラは100mlではなく、100mgです

今回はオッサン諸君が万が一バイアグラを家庭内で発見された場合、どのような対応をすると鬼のような表情になって怒鳴りまくる奥様の気持ちをなだめられるのか、医学的なデータ(?)を用いて検討してみます。くれぐれもこのブログで得た知識をご使用の場合は自己責任でお願いいたしますね。

「このバイアグラ男❗」と罵られた場合の対応策

週刊新潮2017年7月20日号によると松居一代の例の動画中に「どうもこの100mlを使うと10時間くらい勃起する効果がある」的な表現があるようです。日本で処方されるバイアグラは25mgと50mgであり、海外では確かに100mgも処方されています。しかし、通常バイアグラが効果発現している時間は3時間から5、6時間が一般的とされており(個人差やその日の体調にも左右されます)、いくら量を増やしたからといって勃起している持続時間を延長することは、薬の半減期等を考えた場合不可能です。

バイアグラ添付文書

バイアグラ添付文書

服用後1時間程度でバイアグラの血中濃度は急激に上昇しますが(効果が強く現れてくる)、その後血中濃度は右肩下がりに急降下します。このグラフに使用されているバイアグラは実験的な意味合いもあり、船越英一郎さんが使用されていたと予想される100mgを上回る150mgのデータも記載されています。

しかし、バイアグラのミリ数が多くなっても薬の濃度の動態は一時間程度でMaxに達してその後急降下、とミリ数が違っても同じようになります。万が一、バイアグラ100ミリグラムを服用して10時間も効果が持続したら、それは「持続勃起症」と呼ばれる危険な状態であり、泌尿器科を直ちに受診しなければなりません。

もしバイアグラ100ml男とか正確にバイアグラ100mg男と呼ばれた場合「100ミリグラムは日本では手に入れることができないよ」とか「100ミリグラム服用しても10時間も効果が持続するはずはない❗」と強く奥様に訴えましょう❗⋯これ自己責任でお願いします、大方の場合、火に油を注ぐ結果になると思われます。

船越英一郎さんに苦言を⋯

前掲週刊新潮によると、船越英一郎さんのセカンドバック中に入っているバイアグラを発見された時に「くれる人がいるんだよ」と船越さんはおっしゃったようですが、これは医療関係者として見逃すワケにはいきません。

処方薬は患者さん個人個人の病態に対して医師が責任を持って出すものです。処方薬を友人にもらうこともダメですし、上げることもしてはいけません。その薬を第三者が服用して万が一副作用等のトラブルがあった場合の責任の所在は医師でなく、第三者に渡した人になる可能性もあるからです。

また、松居一代さんにバイアグラを発見された時に「俺は糖尿病だから、バイアグラを飲んでもダメ」という苦し紛れの言い訳もマズイです。バイアグラが登場した時に、その薬効に救われた世界中の男性のうちに多くの糖尿病患者さんがいらしたことは容易に予想されます。糖尿病がEDを引き起こす原因は動脈硬化、あるいは神経へのダメージが考えられます。糖尿病がある程度コントロールされている方であれば、バイアグラは間違いなく効果を発揮します。糖尿病がかなり進行していて、神経障害が起こるメカニズムは現時点では明確ではありませんが、軽度の神経障害に対してバイアグラが著効することは多くの臨床医が経験していることです。

糖尿病=ED=バイアグラ効果なし、との苦しい言い訳をした様子の船越英一郎さん、日本で糖尿病の男性は176万人以上います(厚生労働省 2014年患者調査の動向より)(この中でどのくらいのEDの方がいるのか詳細は不明)ですから、糖尿病によるEDの治療薬は無いと思われる発言は控えてくださいませ。

松居一代さんによればバイアグラを服用したが効果がなかった、との発言について

まあ、これは致し方ないこととお考えください。前掲の週刊新潮には「バイアグラを飲んでも本人がその気にならないと効果がない」ような発言が記載されています。服用したからといってむやみやたらに効果が発揮していると、バイアグラと同様の機序でEDを改善するPDE5阻害作用をもつザルティアは効果持続時間が36時間程度と言われていますので、公共の交通機関を利用したら速攻で逮捕されてしまいます。松居一代さん、船越英一郎さん、ぜひこの冊子をお読みください。

画像

http://www.japha.jp/doc/byoki/023.pdf

ここに書かれていますね⋯初めての服用時は緊張によって効果が弱い場合もあると。船越さんはその時言えばよかったんです「バイアグラ飲むの初めてなんで」、そして松居さんも「2回目以降に期待するわ」と。これで夫婦円満で今回のような地獄絵図にならなかったと思うのは私だけでしょうか?

お詫び:なんだかタイトルと内容がかなり違ってきちゃいましてスイマセン。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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