若ハゲだと前立腺がんになりやすい、とこれは医学的な裏付けなしで古くから泌尿器科医の間で囁かれていた言い伝え。その後、医学の研究が進み「前立腺がんとハゲの関係」はどうも医学的にありそうだ、ってことになっています(詳細は後述)。
若年性脱毛症は前立腺がんになりやすい
一方ではハゲだと低身長になりやすい、あるいは低身長だとハゲになりやすい、と解釈できる医学論文があります。
さらに、背が高いと前立腺がになりやすい、との医学論文さえあるのです。
若年性脱毛症 ⇔ 前立腺がん ⇔ 身長 の複雑な関係
について自分の頭の中を整理するつもりで文章を進めて参ります。
ハゲだと前立腺がんになりやすい説
遺伝子の解明が進んだことによって、どうやらハゲ(特に若年性脱毛症、いわゆる若ハゲ)と前立腺がんの関係が明らかになりつつあります(ガッテンさま、まだこの話題は番組にしちゃダメだよ)。
男性のハゲと前立腺がんの関係を調べた研究は多数、あるのですが、その一つとして「Male Pattern Baldness in Relation to Prostate Cancer–Specific Mortality: A Prospective Analysis in the NHANES I Epidemiologic Follow-up Study」(Am J Epidemiol. 2016 Feb 1; 183 (3) : 210–21)を見てみますと、ハゲの場合、前立腺がんになるリスクが83パーセント高まる、との結果になっています。
さらに以前ブログに紹介した「Relationship of Early Onset Baldness to Prostate Cancer in African-American Men」(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2013 Apr; 22 (4) : 589–596)では
- どんなタイプのハゲであっても前立腺がん発症のリスクが高まる
- 前頭部が禿げると前立腺がんの発症が2倍以上
- 60歳以下、いわゆる若ハゲだと悪性度の高い前立腺がんに6倍以上なりやすかった
次は前立腺がんと身長の関係ね
男性としてはやっぱり背が高い方がいいよね、って思うのではないでしょうか?多分、女性も付き合うなら背の高い男性って考えているんじゃないかな(私のブログってオッサンにはウケるけど、どうも女性フアンが少ないので正確な情報はなし)。
できれば背が高いほど前立腺がんになりやすい、なんて医学論文があれば非常に助かります、と身長171センチの私。背が高いとは言い難いオッサン諸君
見つけました❗背が高いほど前立腺がんになりやすいって医学論文
これは先ほどの論文と違ってこれは日本人を対象とした医学統計の論文です。「Association of body mass index and height with risk of prostate cancer among middle-aged Japanese men」(Br J Cancer. 2006 Mar 13;94 (5) :740-2)によれば
- 40才〜69才の男性約5万人を追跡調査
- 追跡調査中に約300人が前立腺がんと診断された
- 背が高いほど進行がんになっていた
って結果です。まあ、対象となっている人数が少ないなどのご批判はあるでしょうけど、とにかく日本人の場合、悪性の前立腺がんに背が高いとなりやすい、との論文をメチャ時間をかけて見つけた自分って偉い。
背が高くて、ハゲだと前立腺がんになりやすい、これがまた違うんだよ❗
前立腺がんのリスクファクターを調べると同時に男性型脱毛症のリスクファクターも調べてみると⋯・背が低いとハゲやすい傾向がある、と解釈できる論文を見つけてしまいました。「Meta-analysis identifies novel risk loci and yields systematic insights into the biology of male-pattern baldness」(Nature Communications)、これよりによって泣く子も黙る「nayure」ではありませんか❗これはオープンアクセスなんで、皆さんも読んでいただいて、粗探しをしましょうね。この論文でわかることは- やっぱり若ハゲだと、前立腺がんになりやすい
- 骨密度とハゲの間には関連性がある
- ハゲは背が低くなる遺伝子と関連性が深い
ってことなんじゃないでしょうか?男性特有の悩みである身長とハゲと前立腺がんの関連性は堂々巡りになってしまいました。ちなみに、この三つのキーワードに関してのさらなる調査を継続する予定の私はハゲてはいません。
注意:「ハゲ」との言葉が適正でない、とのご意見もあるでしょうけど、テレビ等や普通の会話で使用されていますし、差別する意味合いで使用してはいません。