青魚にたっぷり入っているDHAやEPA,どうみても健康によさげなサプリの広告が目立ちます。
本記事の内容
DHA とかEPAって健康に良さそうだけど⋯前立腺がんになりやすい?
DHA はドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid) の略で、EPAはエイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid)の略であり両者を含むサプリが多数販売されています。
でもね~
不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)であるDHAやEPAって、前立腺がんのリスクが高まるって話がでています。
血液がサラサラになるとおもってEPAサプリをボリボリ食べたり、頭の回転が良くなるとおもってDHAサプリをバクバク食べているオッサン諸君は実は前立腺がんになりやすいように、オメガ3脂肪酸系のサプリを召し上がっている可能性があります。
DHAもEPAもたっぷりの青魚のリスクは?
実は私は不飽和脂肪酸がたっぷり入っているサンマが大好物で以前こんなブログを書いています。
健康をサポートする成分EPA・DHAがタップリの青魚「サンマ」は本当に健康食か?沢山食べると寿命が短くなるという説とその反論
このブログはサンマ自体をたくさん食べたからといって、寿命が短くなるわけじゃないとの強引な話へもっていったのですが、個別のがんを調べてみるとやっぱりどうも青魚に含まれるDHAやEPAは前立腺がんのリスクが高まるようです。
秋の風物詩サンマ好きなオッサンたちを敵に回した医学論文はこれ❗「Plasma phospholipid fatty acids and prostate cancer risk in the SELECT trial」(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23843441)で本当に迷惑です。
この非常に厄介な青魚前立腺がんリスク高める説のざっくりの内容は
- 対象は前立腺がんである834人、と前立腺がんではない1393人
- オメガ3脂肪酸であるEPAとDHAの濃度が高いと前立腺がんになるリスクが43パーセント高くなる
- オメガ3脂肪酸であるEPAとDHAの濃度が高いと悪性度の高い前立腺がんになるリスクが71パーセント高くなる
このようなトンデモない内容なんです。自分でブログに書いておきながらなんですけど、どうか私の論文の解釈の間違いをどなたか発見してくださいませ(涙)
おやおや、直接的な言葉で青魚とは書いていないような気が⋯
サンマ好きであるがゆえにバイアスが掛かりまくった、医学論文の読み方をしてしまったような気がします。このサンマ前立腺がんリスク高まる説、全然サンマとも青魚とも書かれていなくて不飽和脂肪酸の中のω (オメガ) 3脂肪酸が前立腺がんのリスクが高まり、万が一発症しちゃうと悪性である可能性が高い、ってことだったのですね。
早とちりして、全国のサンマファンのオッサンたちを恐怖のどん底に陥れてしまって申し訳ありません。
結論的に言えば普通に旬の秋刀魚を食べるレベルではこんなことはなく、サプリとしてギュッと濃縮あれているDHAやEPAを血液サラサラにして、脳の活動を活発にしようとたくらんでいる場合に起こりえる、って解釈でどうでしょうか(どうでしょうか、って誰に言っているか不明)。
オメガ3サプリメント、こっち方面でもいじめられています
私はある特定のサプリのことを指してこんなことを言っているワケじゃなく、この医学論文が言っているんだよう(責任転嫁?)。「Association between omega-3 fatty acid supplementation and risk of major cardiovascular disease events: a systematic review and meta-analysis」(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22968891、ってどう見てもオメガ3多価不飽和脂肪酸(もちろんDHAとEPAも含まれるよ)は心血管系のリスクを下げなかった、との結論だよね(もうこの辺は涙目)。
普通の食生活で体内にはいるEPAやDHAなどのオメガ3多価不飽和脂肪酸を食べているぶんには、健康に対して負の作用はない、かといって健康上有利であるとの医学的な裏付けは微妙。となると美味しいからサンマを食べる、それで良いんじゃないでしょうか?