たまたま乗り合わせたタクシーのヘンテコリンな運転手さんがとうとうと語るトンデモ健康法やスポーツクラブのロッカールームでかわされるオバサマたちの、「何々って身体にいいのよね〜」という会話を耳にする機会も少なくなったここ1年です。
2020年から本年2021年は諸事情によりライフワークでもあるトンデモさんウォッチングを少々怠っておりました。しかし、トンデモさんは世界中が他事に気を取られている最中でも増えることはあっても減ることは無いようです。
本記事の内容
トンデモ医学のキーワードで埋め尽くされた開業医を見つけてしまいました❗
久々のトンデモの芳ばしい香りで充満している開業医のウェブサイトを見つけてしまいました。
- 腸内洗浄
- オゾン療法
- 高濃度ビタミンC点滴
- 水素吸入・水素点滴
- テラヘルツ・ホルミシス療法
- 波動イオン電子治療機
などなど、知りうる限りのトンデモ医学のオンパレード❗
医師の場合、裁量権という権利を有すると法的には解釈されるために標準的な医学教育を受けて医師免許を取得して、標準治療によって患者さんの治療を行っていても、ある程度の独自のアレンジをすることが許されています。
量子や波動という言葉が出てきたらトンデモ医学と判断してもよろしいかと⋯
トンデモ医学を見分けるコツとして、エビデンス不在があげられます。エビデンスとは根拠とか証拠とかを意味するワードであり、朝や昼のワイドショー的情報番組でも気軽に使われています。しかし、医学でのエビデンスに関しては、ただ論文になっているだけではダメですし、学会で発表されていたとしても十分に治療効果がある、と言い切れない点が一般の方を惑わしてしまいます。
どなたでも応用が効くトンデモのリトマス試験紙的は機能をもった便利かつ簡単な方法が
波動や量子という物理用語が混入した医療はトンデモです❗
と、この際言い切ってしまいます。
量子磁気的共鳴分析機やEMM波動イオン電子治療機とはなんじゃろ??
ちょっと科学や宇宙に興味がある方なら、「量子」とか「量子力学」という物理学用語を耳にしたことがあると思います。量子力学(quantum mechanics)はニュートン力学の矛盾点をついたアインシュタインの相対性理論でさえも説明できなかった現象を説明できる最強の物理学である、とざっくり解釈してください(高校で物理を選択していたとしても、教科書や参考書レベルでは数行で解説しているレベル)。
量子力学では「波動」も取り扱いますが、少なくとも一般開業医レベルの診断や治療で量子力学を十分に理解しつつ波動を説明できる医師は大学で物理学を専攻した後に医学部に入りなおして医師免許を取得したような経歴の持ち主以外はありえません。
私たち開業医が日常で使用している薬や検査機器を、その作用機序や理論を充分に理解していなくても患者さんに処方でき検査に使うのは標準医療やガイドラインがあるからなのです。
このクリニックで使用されている量子磁気的共鳴分析機の説明はあっさりしています。
もっともらしく見える人体図は多分デフォルトの設定であり、量子磁気的共鳴分析器の肝は129とか1278とかの数字であることが予想されます。
なぜそのような判断をしたかと言うと、Amazonで同じようなものが売られているんだもん。
Amazon「ポータブル量子磁気共鳴分析器」より
量子力学における波動は通常は「wave」であり、トンデモさんが使用する波動は「vibration」であることは以前お伝えしました。
EMM波動イオン電子治療機を使用しているクリニックのお医者さんが果たしてその違いをご理解されているかについては不明ながら、EMM波動イオン電子治療機の説明としてこのような記載を見つけました。
身体の各臓器・各箇所には固有の周波数があります。EMM治療器は、各々の部位を活性化・修復させるためのいくつもの周波数パターンを有しており、患者様の状態にあわせ、それらを組み合わせていきます。疾患を改善する為の直接的なアプローチだけでなく、痛み、しびれ、不眠、食欲不振、薬の副作用など、多くの症状に対しても効果を期待できます。
https://beauty.hotpepper.jp/kr/slnH000291321/blog/bidA041977425.html
これって以前書いた記事の仲間ですよね、多分。
この波動に関してはこんなのも書きました。
「量子」と「波動」、このワードが出てきたらニセ医学と判断してよろしいかと⋯。
自分はこの治療方法でがんを治した、めちゃくちゃ説得力があります。
さまざまな健康法の中で、たちが悪いものとして体験者が、「私はこの健康方法で癌を克服しました❗」的なものだと考えています。
体験者がトンデモ健康法でがんを治したとしても、それはあくまで「※お客様の感想です」レベル以上にはなり得ません。
しかし、トンデモ医学で癌を治したと語る人がお医者さんだった場合は乗り合わせたタクシーの運転手さんやスポーツクラブで知り合ったオバサマが、「私はこれで癌を治したのよ!」というエビデンス(?)レベルよりは高くなってしまうのです。
私が久々に見つけたトンデモ医学のデパートというか、トンデモのコンビニであるクリニックの院長先生はあるがんを罹患して、ご自分の経験を通してトンデモ医学で日々患者さんの治療にあたっています。
参考文献としてこのような記事を添えておきます。
東京スポーツ「カオスなNHK政見放送…71歳加藤氏が小池都知事に〝公開プロポーズ〟」(https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/2867430/)。
日赤医療センター、慈恵医大病院、自治医大病院などの勤務歴がある医師は2021年の千葉県知事選挙に立候補して政見放送でこのように述べています。
夢は当選して、小池百合子氏と結婚する。(小池氏は)落選するような情けない男は相手にしない。ついでに私事で恐縮ですが、めでたく結婚できるようにご支援お願いします!
医師免許を保有していたとしても、いろいろな人がいることを知っていて損は無いと思いますぜ❗
※今回、私が遭遇したトンデモ医学オンパレードであるお医者さんを特集した記事がありました。明日はその記事の検証を行う予定です。
トンデモさんの続き、書きました❗
なぜか元記事は削除されているけど、流石にマズイと思ったのかな?