白衣と言っても色々な種類がありまして⋯医師間で大論争が勃発⁉

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医師や医療関係者が着ている服を白衣って呼ぶと思うのですが、最近カラフルなものも登場しています。また、ロングコートの白衣(化学の実験の時にも着ますね)より手術着が発祥の「スクラブ」を着用している医師も多いですよね。

医師が着ている白衣について、医師向けSNSで大論争が勃発しています、ってほどじゃないけど、様々な意見が飛び交っています。

白衣って白くなくても白衣って呼ぶような気がするけど⋯

画像

http://www.whtcotscb.com/knowledge/type.html

医師が着用している白衣は大きく分けて、この三種類。これらを巡って様々な意見が飛び交っています。

白衣はそもそも何故白なんだ?

画像の一番上が正統派白衣です。この下にワイシャツとネクタイをビシッと締めた姿がかつては病院中を埋め尽くしていました。白衣の機能としては、下に着ている衣服を汚さない、肌に危険な薬剤が付着しない、白いことによって汚染されたことがわかりやすい、診療時以外に白衣を脱ぐことによって感染源とならない、などなどが考えられます。

このロングコート式の白衣もボタンがシングルであったりダブルであったり、腰の後ろにベルト状のものがついていたりしました。

この白衣、実は非常に機能的とは言い難い側面があります

外科系の医師の診察に「処置」はつきものです。泌尿器の場合、カテーテルの交換とか導尿とかありまして、衣服を汚さないという点ではロングコート式の白衣は優れているのですが、袖が邪魔になったりツッパたりして、医師の動作の邪魔になるんです。このロングコート式の白衣でも、薄いブルーとかピンク色もありましたが今はほとんど見かけません。

白衣論争の様々なご意見

医師の間でそもそも白衣って汚染を見つけやすくするものなんだから、白であるべきである、との白衣至上主義者も見かけます。となると大昔の海外ドラマ「ベン・ケーシー」の主人公が着ていた、画像二番目の今では床屋さんとかもご愛用である「ケーシー」でも構わないはずです(当時のテレビって白黒だったので、ベン・ケーシーが着用していた白衣が白かは不明)。

白衣によって医師の威厳を保つ必要性を訴える意見も見受けられましたが、こりゃいくらなんでも古すぎな考え

私は休診日に短パンTシャツで近所を子供を連れて散歩していたら、患者さんから「先生、そんなだらしない格好してウロウロしちゃダメよ❗」って指摘された苦い思い出があります。患者さん的に医師に求める理想像があるようで。

小児科の医師であえて白衣を着ない人もいます。理由は子供に恐怖感を与えないように、だそうです。でも、これはどうなんでしょうか、医療機関に足を踏み入れた瞬間に「ボクはなんかされちゃうんだ」って思うのではないでしょうか?中には自分は庶民的フランクな医師だよ、ってアピールのためにあえて白衣を着ないで、ジーパンなんて方もいるようです。

このジーパンがかなり扱いにくい案件でありまして、十数年前は洒落たレストランはジーパンお断りが当たり前でした。でも、海外セレブがジーパン姿でパーティーなどにお出ましされる姿がファッション雑誌で取り上げられるようになってから、レストランジーパン禁止令はごくごく一部を除いて解禁されています。しかし、ジーパンってそもそも労働者の作業着であり、古い人からすると「反抗する若者」的なイメージがあり(どんだけ古い人かよ)、医師が着用するに当たってかなりリスキーな衣服であることに現時点でも間違いはないようです。

いろんなサイトを覗いていたら精神科医の話がありました。そういえばあくまでイメージですが、精神科の医師はネクタイをしないでポロシャツに白衣(ロングコート式)が多いような気がしていたのです

精神科医がノーネクタイの理由ってのが「患者さんの凶器にならないため」だそうです

まあ、一つの理由にはなっているのですが、それが全てではないような気もします。

おまけ:私が見た中で一番驚いたのは、米国のER外来の医師。室温の低いオペ室から出てきた時、なんと革ジャンを羽織って外来をこなしていました。

白衣問題、これで解決はいががでしょうか?

看護師さんの白衣についてこのような声明文がありました。「白衣の天使」は私達の心に宿っていれば良い、と題された名手病院のページより引用します。

白衣の自由化は単に白衣の変化のみならず、「看護師は何をする人ぞ」と、その意識に問いかけるものだと思います。看護師が日常生活の支援者であるならば、その活動が十分できるような機能性をもって、身体的にも精神的にも解き放たれて、その本務に邁進できると思います。外的規制と内的規制、自ら両者のバランスを取っていくことのできる人こそ専門職しての自律出来ている人。今、チーム医療の中で看護職の存在が問われるこの時代だからこそ、白衣を自由にする意味があると思っています。

名手病院看護部

これでいいのではないでしょうか?

毎日、クリーニングから戻ってきた白衣を着て「さあ、今日も頑張るぞ」ってやればよし、清潔であり、人に不快感を与えなければどんな格好でも良いような気がします

無精髭、乱れた髪の毛の方がよっぽど不潔であり、人に不快感を与えます。

個人的にはピアスをした男性医師や茶髪は苦手です。

ちなみに私の最近のお気に入りは黒いスクラブです。基本的にはその医療機関の長が白衣は白くロングコート式でなければいけない、とかどんな色でも型でもOKって決めればいいことだと思います。程度の低い学校ほど校則が細かい、というのと同じなんじゃないでしょうか?

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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