マス・メディアで大きく取り扱われた「たった一滴の尿をつかった線虫にがんを診断させる方法」。なんとこの検査を美容室で受けられる、って話があります❗
本記事の内容
「美容室で手軽にがん検診を」って言われてもねえ
がん検診を手軽に美容室で❗ってどういうことよ??と気になって調べてみると出てくる出てくるうちの美容サロンではお気軽にがんの検査ができます的なサイトが❗
国家資格を得た針灸・マッサージ・柔道整復師の方でも多くのまっとうな方は「医師以外は診断は許されていない」という常識をもって日頃の治療にあたっています。
美容室専売だそうです。
免許資格保有者と言っても、医療とはかけはなれた美容師さんの働く美容室でがんの検査❗
驚きつつ、これって医師法等に触れないのと感じつつネット上にある「美容室で簡単にがんの検査できます」関連キーワードで検索して目についたものをチェックしてみました。
こんな感じで美容室でがんの検査を行っているようです
昨日線虫を使ってがんを診断⁉これって本当なのかを簡単に説明❗という記事を書きました。
この線虫を使った検査方法は2019年くらいには実用化を目指している、使いようによってはかなり有効ながんの検査方法であることは間違いありません(データが正しいのならば)美容室でのがん検診はこの線虫を使った方法を用いています。しかしがんと診断された、それも美容室で、ってことになるとこんな問題が発生するんじゃないの?と心配しているんです。
下手な使い方をすれば、有益ながん検査方法の明るい未来を潰しかねません。
でも癌健診ってそもそも習慣ある?やったことないって人の方が多いですよね??あれ?会社で健康診断うける人は癌も項目にあるのかな?癌健診ってかなり値段もはるみたいだし、1日仕事だし、そもそも自覚症状のない段階で予約とって行かないのが本音!でも癌があるか、ないかは知りたい❗もっと手軽にわかるものがないのか?例えば尿検査とか、尿検査とか尿検査とかあるわけ、、、あるわけ あるんですよ!
https://www.animi-0610.com/blog/
http://www.animi-0610.com/blog/?p=545 こちらの記事には事実誤認があり、乱れた文章であることは置いときます(大人の対応w)。
このブログをお書きになった美容師さんが言いたいことは「安く手軽にがんの検査を受けられる、それも美容室で」ってことでしょう。
他の美容師さんのブログの画像中にこんなヒントがありました。
この画像の下に「国際抗加齢免疫医学学会」と記されています。ここに検体である尿を送ってがんの検査を行うシステムだと考えられます。この医学学会のサイトではこのような記事がトップに来ています。
この声明はここ数日話題になった件ではなく、過去の報道で誤認識を与えるような内容があり、それに対応したもの思われます(NHKの番組「なるほど実感報道ドドド!」で「がんをニオイで発見!生物が検診を変える⁉」というのが2016年10月9日放送されていますが、10月7日ではないので他の報道なのかなあ)。
「重要」をクリックすると
今回取り上げられた線虫の嗅覚を利用したがんの早期発見への取り組みは、学会が行っている検証の中の一つのツールですが、根底は学術的科学論文に公開掲載された理論、内容に基づき、学会活動をご理解してくださった検体協力者の方々の了解、ご協力を得て検証を行っている研究活動です
ということはまだ研究・検証段階にある「線虫によるがん検査」がなぜか美容室が窓口となって、既に行われていることになります。
実用化に向けてさらなる研究・検証が必要であるがん診断方法が、普通の人に対して「画期的ながん早期発見方法」と受け止められてしまっているかもしれません。
スクリーニング検査による偽陽性と偽陰性
線虫によるがんの判定はいくら95%以上の正確さであったとしても、スクリーニング検査なので偽陽性・偽陰性問題を考えなければなりません。偽陽性はがんでなくても「がん」と判定されること。偽陰性はがんなのに検査で「がんではない」と判定されることです。
偽陽性の場合は確定診断をするうえで臓器によって違いはありますが、人体にとって侵襲性のある検査を受けることによって不利益が生じます。
偽陰性の場合はかなり深刻な問題が発生しますので要注意です❗
本当はがんなのに線虫を使った検査では陰性⋯つまり、がんは無いよと判定された場合です。医師はたった一つの検査だけでがんである、がんは疑われない、と判断することはありえません。複数の検査の結果によって、診断しているのです。美容室でおこなって「陰性だ、がんはないぞ」って思いこんでしまう方が出てしまうことが一番リスキーです。
このようながん検査がなぜ「美容室限定」で行われているのか不思議です。
美容室でがんの検査って医師法に抵触しないの?
善意をもってこれを考えると、国際抗加齢免疫医学学会が症例数を集め、九州大学の研究者に対して協力をしているのかもしれません。
万が一、がんの疑いが出た場合、その受診者が実際にさらなる精査を受けてがんの確定診断を受けた状況を国際抗加齢免疫医学学会あるいは九州大学の研究者はどのように把握しているのかが気になります。
※ 追記 予想通り九州大学の広津研究室のあずかり知らぬところで商業利用されていたようです。詳しくはこのブログの最後に書き加えました。
美容師さんが検査をして、診断を下すわけじゃなさそうなのチョッと安心しました
が⋯検査の仲介をなぜ美容室でおこなうのか、不思議で仕方ありません。仲介だけなんで医師法には触れないのかな?このあたりは法律の専門家に任せます。
ここからは予想・妄想の領域に入りますが、髪の毛を利用して重金属の汚染状態を調べる検査方法があります。この検査ってまともな生活を送っていればまず陽性と診断されることはありません。
この検査方法も郵送で行うことができ、自分で髪の毛をきっちゃうとスタイルが崩れるので美容室で髪を切ってもらう人もいます(精確をきすなら陰毛を使うべき。髪の毛ってそめたりヘアスプレーをつかったりいろんなものに汚染されている可能性があるから)。
髪の毛によるエイジングケア診断にインスパイアされた検査会社あるいは仲介業者が今回の線虫によるがん検査をいたいけな美容師さんに売り込んだんじゃないでしょう?
老婆心ながらHIROTSUバイオサイエンスさま、九州大学の研究者さまへ
2019年実用化にむけて頑張っている「線虫によるがん診断」ですが、検体数を確保するために、美容室を使った方法はかなり誤解が生じると思います。たとえば「経皮毒」というトンデモ医学の拡散源として美容室が挙げられます。たとえばシリコン入りシャンプーは健康上良くないとの考えから、普通のシャンプーの危険性を訴え他のシャンプーを売りつける商法もあるようです。
ニセ医学かな?シャンプーの比較実験、なんだかカビない山崎パンのような⋯。追記あり
美容師さんは美的感覚が重要なお仕事と思われますので、地味ーで統計学的な裏付けが必要な医学方面に手を出すのはかなりリスキーなんじゃないでしょうか?
検体数を集めることが難作業であることは十分承知していますすが、下手な方法をつかうと、明るい未来をつぶしてしまうリスクもあるんじゃないかと余計な御世話ですが、HIROTSUバイオサイエンスさま、九州大学の研究者さま関係者にお伝えいたします。
2017年4月25日22:15追記
九州大学広津研究所よりご指摘がありました。やはりどこかの業者が勝手に先生方の研究をビジネス利用していたようです。
赤文字で注意喚起がされています。
2017年4月26日 00:29追記
こんなブログを書きました。