私は「トンデモさん」を愛しています。私の愛するトンデモさんは人に致命的な迷惑をかけることはありません。
私が好きだった昭和のトンデモさん達は人のお金をむしり取るような下品な真似はしませんでした。
平成から令和を通じて、本来の「トンデモさん」とは違った、人々に迷惑をかけ金銭をむしり取ることを目的としたニセ医学や疑似科学であってもトンデモとカテゴライズされてしまう風潮に強い違和感を抱いています。
2020年のトンデモの傾向としては、新型コロナ感染症にまつわるニセ医学・疑似科学が多く見受けられました。これってトンデモというより、明らかな医学上及び科学上の間違いであり、これを信じ込んでしまう人があとを絶たない状況は残念ながら2021年も改善はされないと予想します。
2020年7月〜8月のトンデモさん
2020年のトンデモさんを悠長にまとめていたら、本年も残すところ本日のみ。3ヶ月ごとで区切っていたら都市を越してしまいますので、すっ飛ばしながらまとめてみます。
これは「トンデモ」のカテゴリーに入れなかったのですけど、こんなレベルのビフォア・アフター画像を気づかれないだろうと使っているダイエットサプリの広告が目立ちますよね。
いたいけな少年少女レベルで日本の消費者はダイエットサプリ業界に扱われているのでしょうね。お嬢さんの部屋を覗いてみたら、どう見ても下痢以上の効果は期待できないダイエットサプリが勉強机の上に数種類のっかっていたのをきっかけに、日本の教育問題に関わりだした友人がいます。
何でもかんでも疑うのはよろしく無いのかもしれません。しかーし、何らかのアクションをする場合、一度立ち止まって、「本当にこんなことあるの?」と一考するのは必要ですよね。
夏が近づくと気になるのが、「蚊」。蚊の撃退方法でこんなトンデモがネット上に掲載されていました。
とにかく消毒用アルコールが不足しているご時世にこんな豪快な使い方をしちゃう主婦がいたことは多くの人々の記憶に残るでしょう(笑)。まあ、「アルコールで蚊を撃退して、家屋炎上❗」なんて新聞記事が出なかったのは不幸中の幸いでした。
トンデモさんとしておなじみの三宅洋平さん関連は本年もブログ記事にしました。
彼や彼の周辺の人達って、いい人なんだけど基礎知識がプアーなんてことを言ってお約束の抗議のメールを頂いたのも2020年の良い思い出になるのかもしれません。
2020年9月〜10月のトンデモさん
基本的にさっぱりした性格と言われている私ですが、時々とりつかれたようにねちっこくなってしまいます。基本的に校則に抵抗を示した少年時代を送ったため、アホらしい校則は壊滅したい少年少女の気持ちはよーく理解できます。スカートの丈が短いと将来的に様々な健康問題が起きると騒いでいる人々がいました。
丈の短いスカート健康障害原因説というトンデモを補強するために、それを裏付ける論文があるように読み取れるポスターなのですが、八方手を尽くし論文をゲットしました。その論文ではスカートの丈に関する記述は一切書かれていないという驚きの事実。世の中で暇な人は多かれ少なかれいるでしょうけど、このレベルのテーマで複数の真面目な研究者に、「ねえ、ねえ、この論文って手に入らない?」とメールしまくってしまう人は少ないでしょうね。
以前、Twitterでニセ医者騒動がありました。今回はニセ看護師騒動です。Twitter(ツイッター)のbot(ボット)を相手に、何か忘れたい嫌な記憶でもあるのかレベルで真剣勝負をしてしまいました(笑)。
2020年11月〜12月のトンデモさん
意識高い系のカテゴリーとして自然派をこじらせたケミカルフリー信奉者がいます。
破傷風という致命的な感染症に対して、「こどもは破傷風を発症しない」と言い切ってしまう知識の低さに驚くとともに、彼女彼らが苦労して調べまくった一次ソースがwikiである、との事実にトンデモさん問題の根の深さをあらためて認識いたしました。
意識高い系のカテゴリーとして、なんでもかんでも発酵食品は偉い❗という思想信条のひとたちもいます。
このブログ記事をアップしたのは大失敗でした。私としては珍しくちょっと以前にVOGUEの取材に協力したことをすっかり忘れてしまっていたのです。当院は美容部を併設しているのに⋯たぶん、将来的にVOGUEなどのおしゃれ系メディアは私に近づいてこないでしょう(泣)。
2020年、ヘンテコな感染症をネタとしたブログ記事を書けばそれなりにウケることは承知していました。2020年4月にはちょっとしたネットメディアレベルのPVがあった私のブログですが、世の中の人々を不安に陥れる一方のメディアの間違いや勘違いを指摘するのはあえて控えてきました(PVはその後凋落の一途です)。
そんなこんなで避けてきた話題なのですが、天下のNHKがこのようなトンデモ感染予防方法をどうどうとキャプチャ入で報道することがどれだけリスキーであるかを多くの人達に知っていただきたいとの一存で上記のブログ記事をアップしました。
12月に入ると東京ではヘンテコな感染症の陽性判定者が右肩あがり。N95以外のマスク不足は解消されはしていても、今度は手袋の入手がかなり困難になってきました。また、当院へも感染症疑いの患者さんが受診するようになって、諸問題に非常に気を使った11月から12月でした。
陽性判定者右肩あがりに乗じてけしからん美容室が登場してきました。
医師であっても免疫を一言で説明するのはかなり難しく、免疫システムの研究者の話や論文レベルだとさらに難しくなってしまいます。そんな免疫のシステムに対して、「免疫力」というワード1つを使い回す連中に対してトンデモさんなんて可愛い呼び方を使用するのは不適切です。
天下のNHKでさえひどい状態の報道が混入しますが、社会の木鐸である朝日新聞でさえこんな状態です。
帯津先生に関しては、私の同好の士たちはかなり以前からトンデモ認定をしておりました。帯津先生ご本人もご自身の考え方が常識的な医学とはちょいと違っていることは自覚しているような言質もあります。なにが悲しゅうてNHKや朝日新聞系メディアであるアエラはトンデモというか、ニセ医学というか疑似科学をありがたがって記事にしてしまうのでしょうか⋯たぶん、視聴者・読者は舐められているのか、メディア業界で働く人々の科学系の基礎知識に乏しいのかのどっちかなんでしょうね。
2021年のトンデモさんに期待します
重苦しいムードで覆い尽くされた2020年の大晦日。2021年、来年こそはこんな感じの誰にも迷惑は掛けない楽しい、人々を笑顔にしてくれるトンデモさんの登場を心からお待ち申し上げます。
肛門日光浴、誰が見ても笑うよね、本人たちが真剣になればなるほど笑ってしまいます。誰にも迷惑は掛けないし、お金儲けとは一切無縁。こんな素敵なトンデモさんの登場を待ちながら本年の締めといたします。
2020年も誤字脱字だらけの私のブログ記事を愛読してくれた方々に心から御礼もうしあげます。