おばあちゃんの知恵的な民間療法を結構愛している私ですが、先日とんでもない便秘の治療方法を見つけちゃいました。
本記事の内容
便秘にお悩みの方は多数と思われますが⋯キャラメル浣腸ですって⁉
なんと市販のキャラメルを使用した便秘改善方法がまことしやかに拡散中❗なのです。
それもお子様に対して安全な便秘解消法だって❗皆さんもぜひ「キャラメル浣腸」ってキーワードで検索してみてください⋯究極のキャラメル浣腸・キャラメル浣腸のやり方・キャラメル浣腸のまとめ・赤ちゃんの便秘解消法キャラメル浣腸、って感じのタイトルがズラズラ現れるはずです。
テキトーな記事が溢れかえっているネット上、特に医療系の記事が問題視されていることは多くの方がご存知だと思います。懇切丁寧にキャラメル浣腸のやり方を指導している(?)サイトを例にあげて、その効果を検証してみます。
っていう以前にキャラメル浣腸をやられてしまった赤ちゃんがアナフィラキシーショックを起こしていること知ってんの、いい加減な医療記事を投稿している人たち❗
なぜキャラメルを使用して浣腸するんだあ??
どのような方が管理しているサイトか不明なのですが、「キャラメル浣腸」で検索したらこーんな親切なサイトが目につきました。題して「キャラメル浣腸のやり方」。
便秘に悩む一歳までの赤ちゃんに対してキャラメルを使用して症状を解消する方法が懇切丁寧にこのサイトでは記されています。使用するグッズも細々したものまで列記してあり、とても親切な情報ですね(ってわけないんだけど)。なぜか、使用するキャラメルは森永のものが推奨されています(理由は不明)。
ポイントとしては、赤ちゃんのお尻に入れやすいようにキャラメルを座薬の形に整えてから、冷蔵庫で冷却⋯多分、温めて座薬の形にしたまんまだと、挿入しにくいために冷蔵庫で冷やすんでしょうね。
どうもこのかなり危なっかしいキャラメル浣腸は健康雑誌(どれだよ❗)で紹介されたり、助産師さんが推奨(どこの誰だよ❗)している、とのこと。
キャラメル浣腸によって便秘が解消するメカニズムは、直腸付近に挿入されたキャラメルは糖度が高い(何と比較して高いのか不明)ので、直腸粘膜の水分がキャラメルに集中するため、その刺激によって排便を促すそうな、ほぉ〜。とっても無害な便秘解消法です、とか書いちゃって大丈夫でしょうか?1歳までの赤ちゃんにデキル!便秘解消法さま。こんな症例あるの知らないよね、多分⋯
便秘に対するキャラメル浣腸によりアナフィラキシーを呈した乳児の一例
これは2010年の日本アレルギー学会で発表されたものです。
キャラメルでアナフィラキシーを起こす場合もあるんだぜ❗
とっても安全で無害なキャラメル浣腸、と紹介されています。しかし、キャラメルに含まれる乳成分に対してアレルギーを持っている赤ちゃんの場合、当然のこととしてアレルギー反応を起こしますし、下手すりゃショックによって死亡する可能性もあります。
便秘に悩む赤ちゃん(もちろん、悩んでるのは親)に対して、なんで医療機関を受診しないで、ネットで情報を見つけて、速攻で試してしまうのでしょうか?
病院に連れて行くのが面倒くさい、便秘ごときで医師の診察を受けるのは大げさ、安全無害とネット上に書かれているので安心してトライした等々の理由があるんでしょうけど⋯浣腸のメカニズムさえも知らずに単純に口にするものだから安全、キャラメルは食べ物だから浣腸しても安全って考えた可能性が大いに予想されます。
口から入れた場合と直接お尻から薬を入れた場合、お尻から入れた方が急激に吸収された成分の血中濃度が上昇します、だから座薬の痛み止めの方が飲み薬より早く効果的に効き目が現れるのです。そんな理由も知らないで、便秘であると自己判断した自分の赤ちゃんに、食べ物だから副作用もなく安全無害と自己判断して、安易にネット上の誰が書いたかもわからないような健康情報を鵜呑みにしてしまう人がいるんですね。
なんで市販薬を利用しないのか?
イチジク浣腸とかの市販薬を利用することをこの親は気がつかなかったのでしょうか?ちなみにイチジク浣腸は0歳から使用することができます。値段だって200円程度で購入できますので、キャラメルと比較してもそれほど違いはないのではないでしょうか。
基本的に日本においては乳児の医療費は窓口負担は0円ですから、イチジク浣腸を購入する経済的負担を考えた場合(このような記事を書くと貧困に喘いでいて的な意見が出がち)、医療機関を受診した方がお得となります。
医療機関にいく時間が確保できなくて、って理由も言い訳的には出てくる可能性もあります⋯キャラメル浣腸を探すほどのネットリテラシーが高い親なんですから(苦笑)、休日診療対応あるいは深夜対応をしている医療機関なんかチャッチャって検索できるんじゃないの?経済的な理由、時間的な理由はキャラメル浣腸チャレンジャーの言い訳にはなりません。
症例報告にあった赤ちゃんの親御さんの見た目のイメージが勝手に頭に浮かんでくるのは、私だけなんでしょうか⋯。