かかりつけ医の「町医者」が専門的なことを言っちゃいダメなのかよ(怒)❗

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ご自分が病気になった場合、まず何をしますか?

かかりつけ医がいらっしゃる場合は、かかりつけ医に相談すると思います。身近に医療関係者がいたら相談するでしょう。とくにいない場合は、とりあえずネットで検索すると思います。

ネットで症状や治療方法を検索して近所のクリニックがいくつか候補に上がってくるはずです。そこでどこを選択するか⋯その判断基準として、専門医に相談すべきかどうか迷った方って意外に多いのではないでしょうか?

なんでもかんでも専門医に診てもらうのが正解でしょうか?

五本木クリニックは地元密着型の入院施設のない無床診療所(一般的にはクリニックと称される形態)を営んでいます。

自由診療である美容医療関係はなぜかかなり有名であり、遠方からも多くの患者さんが来院されています。保険診療部門は風邪からがん疾患まで広くカバーさせていただいています⋯自慢するわけじゃないですが(自慢していますけどw)、当院の泌尿器科で前立腺がんと確定診断される方の数は都内のクリニックとしては三本指に入っています。

某有名サイトに風邪クスリのことについて記事を書いたところ「お前の専門は内科じゃないだろ」「クスリの専門家じゃないのに、お前がそんなこというのか?」「専門以外のことについて口出すな」的な意見を頂戴いたしました。でもねー町医者って医学知識は自分の専門じゃなくても知っていなければならないんだよ❗

一般的には何でも屋的に見られてしまう当院です。こんな何でも屋的な医療機関って世の中の狭い了見の方にすれば「専門じゃないのに」と非難されることもあります。何でも屋になりがちな町医者と細分化された専門医、これを上手く使い分けるのが、賢い患者さんの将来像なのではないでしょうか?

急病時にたよるべきは大病院?かかりつけ医?

本日(2017年1月22日)の読売新聞の「くらし」欄の「日曜の朝に」で「急病時 頼るべきは」との記事があります。年末年始に高熱に患った記者さんが書いたものです。スマホで病気を調べ医療機関を選択することの
利点を欠点が体験談によって語られています。

自分が病気になった時の対応をどのようにしたら良いかを教えてくれるサイトとして、東京消防庁救急相談センターの救急受診ガイドが参考になったようです。

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私の専門である泌尿器科領域で「もし、尿管結石になったとしたら」と仮定して、選択肢をクリックしていくと

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こんな回答となりました(http://www.tfd.metro.tokyo.jp/tfd/hp-kyuuimuka/guide/main/06_09_8c_R.html)。

ここに表記される救急センターに電話すると、詳細な状況によってすぐに救急車を呼ぶべきか、あるいは近くで現時点で診療している医療機関を教えてくれます。

このサイトを利用することは、近年軽症であるのに、タクシーがわりに救急車を使用する人が増加していることを予防する効果もあります。必要でないのに救急車を使用することは、緊急性が高い救急車の要請に対応できないことを意味するので、患者さんにとっても有効、公的機関にとっても有効である優良なサイトと考えられます。

病気になった時にスマホを使用するマイナス面

前掲、読売新聞の記事では病気になった時のスマホ利用のマイナス面も書かれています。

色々な情報を目にして必要以上に不安になった。睡眠を取るべきなのに心配で眠れなくなり家族にたしなめられた。素人があれこれ想像していても仕方がない。

前掲読売新聞より

これに大きく頷く方も多いのではないでしょうか?昨年某健康情報サイトの内容があまりにもひどくて社会問題となりましたものね。

問題の医療系サイト「WELQ(ウェルク)」赤ペン先生しました❗間違いがゾロゾロ❗

実際に診療を行っていても、余分かつ間違った情報が当方の治療計画を妨げることを経験した医師も多いのではないでしょうか?アフィリエイトサイトに正しい医療情報が書かれていることは稀である、誰が書いたか明確なものの方が責任の所在がハッキリしている、自称権威のある医師もいる、公的病院の情報はあくまで平均値であり医師の裁量によって到達するルートが違うこともある、などの注意点を患者さんに私は伝えるようにしています。

とりあえず、いつもの先生に診てもらおう、は正しい

今回取り上げた記事の筆者さんは仕事をしているために、たまたまその時の都合にあった医療機関を選択していたことによって「顔なじみの医者」がいなかったことを反省しています。この顔なじみの医師こそが、かかりつけ医なのではないでしょうか?ネットの情報に振り回されることによって、その都度ごと直接、専門分野に特化している医療機関を受診していると、その患者さんの生活パターン・家庭事情・社会的環境を把握することなく「病気だけを診る」ことになってしまいます。記者さんはこのように書かれています。

長く自分の健康状態を知っている専門家がいることの心強さ

この専門家は「かかりつけ医」を示していることは文章から明らかです。

体調に不安があったらまずはかかりつけ医(町医者で十分)を受診、そしてさらなる専門医を受診する必要があるかを相談すれば良いのです。そのような選択に対応できるように、病診連携、つまり一般開業医と大病院の連絡・連携が少なくとも当院が開業している地域で積極的に情報交換や共同の勉強会を開催しています。

かかりつけ医(町医者)と大病院のある病気に特化した医師をうまく使い分けることが、今後の賢い医療機関の利用方法だと考えています。

私は自分の専門以外の分野であっても、持っている医学知識とさらに勉強し直したことをプラスして、正しい医療情報を広く皆様に発信していきます⋯しかし、某有名人気サイトに記事を掲載した時は正直萎えました(涙)。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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