手元にこんなDMがあります。
楽天サイト内で「ゆず」と「酵素」のWパワーで短期間でキレイに痩せられると書かれているページ(http://item.rakuten.co.jp/nat-gar/diet_fastyplacenta/)のDMと考えられます。ここでは、はっきり明確に「ゆずの成分は、ダイエットに効果的」と記載されています。
本記事の内容
ここまでやるか?楽天のダイエット食品広告、薬機法じゃないの⁉
ここでは、はっきり明確に「ゆずの成分は、ダイエットに効果的」と記載されています。
前掲URLより一部引用 この「ゆず」のダイエット効果を発揮する成分として「クエン酸」「ビタミンC」「リモネン」が挙げられていますが
ゆずの成分って本当にダイエット効果があるのでしょうか?
「クエン酸」「ビタミンC」「リモネン」にダイエット効果があるか、それを裏付けることが可能なのか⋯ダイエットの効果があると書かれている、この三つの成分について考察してみまーす❗
クエン酸のダイエット効果⋯普通は逆効果と考えるんだけど❗
このダイエット食品はクエン酸がなにがしかの働きによってダイエットに効果(ここでのダイエットは減量を意味しています)があると読み取れる書き方をしています。
もしも楽天が「いえいえ、ここで言う所のダイエットは本来のダイエットの意味である『規定食』であって、体重を減らすって意味じゃないですよ」と主張する場合は、消費者を誤認させるように誘導した誇大広告になってしまいます。
本当にクエン酸が体重を減少させる効果があったとしたら、それは効果・効能を謳ったことになり、有効性及び安全性の確保等に関する法律である薬機法に抵触する可能性が出てくるのではないでしょうか?
実はクエン酸を摂取することは、ダイエットに関しては逆効果
という考え方が標準医療の理論で知られています。
そのクエン酸がダイエットに有効と考えられる仕組みはクエン酸はクエン酸回路というエネルギー産生のシステムに関連している、だからクエン酸を食べるとエネルギー代謝が亢進する、ってことなんでしょうね、多分。
でもね〜、体内のエネルギーって解糖系のブドウ糖とミトコンドリアに入った脂肪酸で産生されるんです。となると、クエン酸はブドウ糖がエネルギーになることを邪魔しますし、脂肪酸がミトコンドリアに入ることをクエン酸は邪魔しちゃうんじゃないの?という考え方もできるわけです。その考え方に従うと、
クエン酸を摂取することで、自然な形のクエン酸回路を邪魔してエネルギー産生を減らすことになる
ってことになってしまいます。つまり
余計なクエン酸の摂取はダイエットに対して逆効果❗
になりかねないのです。
ビタミンCのダイエット効果
ビタミンCを摂取することで、痩せる効果、つまりビタミンCにダイエット効果があることを明確に示したデータを私は見かけたことがありません。
見つけた方はぜひご教示ください、薄謝謹呈。美肌とか疲労回復効果についても、厳格なエビデンスを人体で示した論文も乏しい現状です。どのような観点から「ダイエットに効果的」としてビタミンCを推奨しているのか、ぜひ楽天さん、製造会社さんのご回答をお願いいたします。
ちなみに、ダイエット食品の中でも栄養学的にある程度評価の高いマイクロダイエットのサイトでさえ、ビタミンCのダイエット効果は述べられていません(参考 マイクロダイエット ビタミンCはエイジングケアの最強の味方)。
エイジングケア=ダイエット=体重減少、という図式が成り立つなら、ビタミンCはダイエット効果あり、と言えることになりますが、普通はそんな考え方しませんので、どう考えてもダイエット効果はなさそうです。
リモネンのダイエット効果はこんなにすごい⁉
「リモネン」ってあまり聞きなれない成分ですよね、実はこのリモネンって凄い効果があるんです⋯洗剤として強力に汚れを落としますし、接着剤にも使用されているんです(笑)。さらに発泡スチロールを溶かす作用さえあるんです。
岡崎女子短期大学 谷田貝ゼミ卒業論文 「リモネン」を用いた科学実験 より
上記の画像の実験では、リモネンを含むオレンジの皮を発泡スチロールにのせているだけで、発泡スチロールが溶けていることがわかります。ひょっとして、このリモネンが疎水性であるために油汚れを落とすことから
リモネンが油を落とす=脂肪を落とす=ダイエット効果がある
なんていう強引な理論から、このヘンテコなダイエット食品の痩身効果を示したんでしょうか(爆)。
ちなみに前述のクエン酸は重曹と組み合わせてちょっと賢いママ方面で水垢取りや一般の清掃作業に使用されていますし、ママレモンにも香料として含まれています。また、リモネンは洗剤として使用されるオレンジオイルに含まれています(参考 フジテレビ商品研究所)
このヘンテコなダイエット効果抜群と大々的に広告している商品は単に「油が落ちればダイエット効果もあんじゃない?」的な安易な発想で理論構成をしている可能性が大かもです。ダイエットで落としたいのは脂何ですけど(笑)。
薬機法とは⋯こんな場合は違反となります
リモネンはアロマとして、血行を良くして胃腸の働きを活発にする作用があるとの説があります。しかし、この作用を効果として記載してしまうと薬機法に抵触する可能性が出てくるのです。以前「薬事法」と呼ばれていましたが、2014年11月25日に改正され「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、これを薬機法と略して使用されています。
サプリメントに医薬品が使用するような効果効能を記載すると⋯速攻でアウト❗というのが薬機法です。サプリメントに対して薬機法の厳しくなっている目的の一つとして
ユーザーが作用に対して過大な期待することを戒めることにあります
東京都は「医薬品的な効能効果の解釈」においてこのような表現をサプリメントや健康食品が使用することを避けるように指導しています。
ダイエット食品会社は「身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果」から判断して「ダイエットって別に身体の組織機能を増強しているじゃなくて、脂肪を減弱させてるんだか」なんてことを言い訳に使用するかもしれません。しかし、東京都の前掲サイトには、しっかりと下記のように書いてあります。
いわゆる健康食品には、栄養補給や健康の維持など一般的な食品の範囲の目的しか持たせることができません。
これから判断して、楽天のヘンテコなダイエット食品の広告は誇大広告あるいは薬機法違反と考えてもいいんじゃないでしょうか?