お昼寝と糖尿病の深〜い関係、寝すぎるとリスクが45パーセントも上昇⁉

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年末年始のだらけモードからの脱却にお苦しみの諸兄に、お正月明け早々にこんな豆知識をお伝えします。

1時間以上の昼寝は糖尿病のリスクを45パーセント上昇させるよ❗

です。

昼寝をしすぎると糖尿病になりやすくなるんだって❗

昼寝をしすぎると夜になっても眠れなくなり、不眠症パターンに突入することは既知だと思います。また一般的に昼寝って午後の仕事のペースダウンを避けることができるために、短時間の昼寝なら健康にも良いし、仕事の能率も向上させる⋯このような考え方が一般的ではないでしょうか?古来より「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と言われていますので、適切な昼寝時間と健康について、ちょいと検討してみます。

昼寝と糖尿病のリスクに関する研究

睡眠に関しては厚生労働省がわざわざ「健康づくりのための睡眠指針2014」なんてものを作成して、国民に対しての啓蒙活動を行なっています。この睡眠指針の中でも「昼寝は30分以内が好ましい」と書かれています。

2016年の欧州糖尿病学会(European Association for the Study of Diabetes 略してEASD)で日本人研究者によって発表された内容と思われるものを週刊新潮の2016年12月8日号で「60分以上の昼寝、「糖尿病」「認知症」リスクが上昇 エイジングケアの第一人者が語る最先端」とのタイトルで取り上げています(http://www.dailyshincho.jp/article/2016/12110800/?all=1)。この研究を行なった方の名前や詳細な情報は記載されていないので、元ネタの詳細をお伝えしますね。

この研究報告は2016年9月12日から5日間に渡ってミュンヘンで行われた欧州糖尿病学会で、糖尿病を専門とする東京大学の山田朋英氏が行なったものです。世界中の研究論文21件307,237例を対象としたデータをもとに解析をしたものです。その結果として一日1時間以上昼寝をする人は、全く昼寝をしない人と比較して糖尿病に45パーセントなりやすかったとのことでした。ちなみに40分以内であれば糖尿病との関連性は全く認められていません。

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https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0921504753/

このサイトは一応医療関係者向けなので、リンクは避けますね。

ぼやきになっちまいますが、なんで週刊誌の健康記事って元ネタを明記しないのでしょうかねぇ。今回の研究はまだ論文になっていないので、論文の題名とかは書けないでしょうけど、せめて研究者の名前くらい尊敬の念を込めて書くべきなんじゃないでしょうか?

シエスタのある国って糖尿病が多いのか?という素朴な疑問

年末年始に臨時的シエスタを取り入れたオッサンも多いかと思われます。スペインの風習としてお馴染みですが、本当にこの時間帯にスペインのオッサンは昼寝あるいは家でゴロゴロしているのをリアル目撃しています。一般的にはお昼ご飯を食べた後の14時から17時くらいまでシエスタとされていますので、単に休憩しているだけでなく昼寝をしている人も多数のはずです。ってことから導かれる結果はスペイン人は糖尿病の有病率が高い、ってことになるはずです。

スペイン人って糖尿病の人が多いのか?という素朴な疑問を抱きつつ調べたところこんな記事を見つけました。

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この記事の下の方に

Among high-income countries, the rise in diabetes was relatively small in Western Europe and highest in North America. Diabetes and glucose levels were highest in USA, Greenland, Malta, New Zealand and Spain, and lowest in the Netherlands, Austria and France.

と書かれています。先進国っていうか世界レベル的には高所得国の中で糖尿病の有病率は米国、グリーンランド、マルタ、ニュージーランド、スペインがベスト5なんですね。

米国がトップであることは、一回でもアメリカに行ったことのある人なら「どうみてもありゃ食べ過ぎでしょ」的な風景が記憶にあるのではないでしょうか?グリーンランドがなぜ糖尿病に、マルタがなぜ?は宿題とさせていただきますが、スペインの人って糖尿病になる人が多いのは間違いのない事実です。全ての原因がシエスタつまりお昼寝に起因するものではないと考えますが、一時期健康で長寿であるためには「地中海食 (Mediterranean diet)が良いと騒がれました。でもスペインって地中海地域ですよね、さらにさらにマルタも地中海⋯食生活と健康の関連性だけ、あるいは健康と生活習慣の相関関係って調べれば調べるほどワケがわかんなくなっちゃいます。

なぜ昼寝をするか、あるいはなぜ昼寝を必要とするか?

「年末年始たるんだモード」から脱却できずに、未だにお昼寝を体が要求する方って実は睡眠障害である可能性が疑われます。睡眠時無呼吸症候群はもちろんのこと、男性の更年期症状の一つとしても「寝たけど寝た気がしない」という方も多く見受けられます。十分あるいは快適な睡眠がキープできないために、お昼ご飯の後についつい眠気がきている可能性もありますのでご注意くださいね。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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