広告はあくまで広告であって、少々盛った感があっても、とやかくうるさく言う必要がない、とのご意見は重々に承知しています。ダイエット関連サプリのどうみても嘘くさい広告に、ついつい引き寄せられちゃう人のことをネットリテラシーが足りない、メディアリテラシーが足りないから、と表現する人もいます。
しかーし、トンデモ系のダイエット広告の手法はそれはそれは工夫をこらしています。
本記事の内容
インチキニセ医学サプリに騙される方が悪いとの考え方は正しいのか?
ガリガリに痩せることができるダイエットサプリ❗薬機法違反大丈夫かよ??❗と題してブログを書いた後、さらに素晴らしいダイエット関連健康食品を扱ったネット広告(アフィリエイトなんでしょう)を発見しちまったので、お天気の良い週末にも関わらず検証してみます。
お題は「丸ごと熟成生酵素」これで本当にダイエットできるか?
結論から言えば「厚生労働省が認めた」と錯覚するような作りの広告ページというかアフィリエイトサイトがかなり問題なのです。
厚生労働省の規格基準を満たした「生きた酵素」で作られたサプリ??
このサプリは生であることを強調するあまりに「生きた酵素」と表現しています。理系のオッサン、女性は一目でインチキと見抜けます。その理由は酵素は生き物じゃないよ❗タンパク質でつくられた単なる物質だよ
なんでも「生」をつけると販売量が急増することは「生チョコレート」の例でマーケティングに詳しい人には広く知られたことです。生チョコの「生」と生酵素の「生」は大きく違っています。この酵素は「生きた酵素」と書かれていますが、生チョコレートを「生きたチョコレート」となんて言いませんものね。
私が一番問題視しているのはインチキサプリが、やりすぎ・どうみても誤認を誘導している、と感じたのはこの一文です。
どうみても他の酵素系のサプリは厚生労働省の基準に従って処理されれば効果がなく、自分の推奨する「生酵素」「熟成酵素」は熱を加えずに、生きたまま体内に吸収されるので優れているでしょ、と思わせる手法です。実際の厚生労働省の規格は↓ ↓ ↓
厚生労働省HP「清涼飲料水等の規格基準」より 酵素ドリンクのことなんか一切書かれていません。まあ、このニセ医学サプリのページを運営している方は「二酸化炭素分圧」って何?と尋ねても「はあ?」的な回答しか得られないでしょうから、そう目くじらをたてる必要もないですね⋯でも、騙されちゃうんですよ「このサプリは厚労省の基準をクリアしたものだって」って感じでデマは拡散するのです。
医療情報サイトが正しくなければいけない理由⋯デマは拡散しやすいからだよ❗
本当に効果があったとしてもそれは統計学的には異常値❗
インチキ情報を垂れ流すこのダイエットサプリ広告サイトはこんな成功例を掲載しています。
http://nightbura.biz/lpmode/article/3074?urlnum=11 より引用
まっ、これ見て「私も痩せられる❗」と感じてこの丸ごと熟成生酵素を購入する人もどうかという意見もあるでしょう。しかし、実際に販売されてビジネスが成り立っているので、買う人はいるわけです。
薬機法に抵触しているような気がしないでもないような⋯
WELQ(ウェルク)問題で初めて「薬機法」という言葉を知った方のいるんじゃないでしょうか。この「薬機法」は旧「薬事法」を改めた薬や医療機器を取り締まる法律です。
薬機法はサプリや健康食品が効果・効能を謳うことを厳しく制限しています。そこで登場する手法が法の隙間を狙った「お客様の声」です。「丸ごと熟成生酵素で痩せた人の口コミ評価」と書かれていますが、薬機法に抵触することを恐れて、効果・効能を口コミを使って「言っているのは自分じゃないよ」と逃げを打っています。
でもね、行政が動くとそんなことじゃすみませんよ。この口コミはいつ、誰がどこで言ってたの、書いていたのと追求されちゃいます。えーっと彼氏の友達の彼女が、とか、隣のおばさんの知っている人が言ってた的な言い訳は一切許してくれません、だって違法なんですから。
ミランダ・カー現象って知っていますか?
「ミランダ・カーもやっているダイエット」「美肌のためにミランダ・カーも使っている」なんて広告、あるいはタイトルの記事をしょっちゅう見かけます。いくら低カロリー食であっても、ネット上の情報が正しければミランダ・カーは10種類以上のダイエット食品を摂取しているワケで総カロリーで計算したらとんでもなことになります。美肌法としてもミランダ・カーが採用しているされるものは10種類以上でしょうね。
彼女は容姿が売り物であって、容姿自体が彼女のブランド価値を高めるものですから、美肌でスマートであることが仕事なんです。ミランダ・カーの真似をすると時間もお金も一般人には無理ですね⋯これを私は「ミランダ・カー現象」と勝手にネーミングしています。
絶対に痩せることがこの「丸ごと熟成生酵素」では不可能と言っているワケではありません。まあ、あり得ないでしょうけど成功例があったとしてもそれは異常値であって、あなたに適している可能性はほとんどゼロの筈です。だからこそ薬機法があるのですから、薬機法違反を見回る行政機関である厚労省自体の見解を誤認識させるこのインチキ商品はお上を舐めきっていますね。
おまけ:ウェルク問題でパクられた人が損害賠償を求める動きが水面下であります。ミランダ・カーさんの代理人の方、ぜひ一度日本のサイトをチェックして、無断使用されたとバンバン内容証明を送られたらいかがでしょうか?