先日NHKで再生医療の闇的な特集が放送されました。再生医療が果たして美容医療領域で効果があるか無いかについては「未定」としか言えない状況だと判断しています。 つい先日、筆者は再生医療を取り巻く怪しげな輩が徘徊している「夢」を見ました。あくまで夢ですから真偽については不明の部分もありますが、夢は自分が見たり聞いたり体験したことがネタとなって展開されるものなんじゃないかなあ・・・。
本記事の内容
はいはいお約束のサロン風お茶会がカモをスカウトする場
あるところに中年以降の女性(Aさん)がいました。時間の余裕もお金の余裕も少々あります。ご主人が病気がちであり(夢の設定だと筆者の専門分野である前立腺がんだったんだろうなあ)、ご自身も具体的ではないがなんとなく体調が思わしくない状態が続いていました。そんなとき、今まで複数参加していたお稽古の一つで新しいお友達ができました。そのお友達はいわゆる「キラキラ起業系女子」(といっても60歳過ぎ)でご自身の交友関係の広さ、有名人と知り合いであることを会話のたびに、Aさんに伝えていました。ある時そのキラキラおばさん(Bさんとしましょう)が「再生医療ってご存知?今度再生医療を受けるのですが、Aさんもご一緒しませんか?」と。ご自身の健康不安と病気がちのご主人の病状等をAさんはBさんに伝えたところ、「超一流の再生医療を行なっているクリニックのオーナーが知り合いにいるので、今度ご紹介しますわ」と上品に伝えたのだとさ・・・。
はいはい、ペテン師お約束のハイクラスのホテルが舞台
ある日、BさんAさんはいそいそと医療法人のオーナーとの待ち合わせ場所であるハイクラスホテルのサロンに出かけました。ホテルの特別なお客さま専用のサロン(実際は会費さえ払えば誰でも利用可能)は詐欺事件等の舞台になりがちな傾向があります。そこで数分待つと、サロンスタッフのお愛想笑いと共に医療法人のオーナーがちょいと時代遅れのスーツに派手なネクタイを締めた姿で登場しました(夢の中ではなぜかその医療法人オーナーの頭部はのっけなんだけどね笑)。
そのおっさんはいきなり立派な肩書きの名刺を差し出しました。名刺には医療法人CEOと記載されており、ホテルスタッフのもてなしかたに圧倒されたAさんは、Bさんの「この方はすごい方で医療法人を多数経営しているんでございますよ〜。」とおべんちゃらを。
会食場所であるホテル内のステーキレストランでズラのおっさんは自分は今まで多数の企業を経営してきて、複数の医療法人のオーナーであることをペラペラと述べました。最後に「Bさんも今度手前どものクリニックで再生医療を受ける予定です。」このBさんもなんだか怪しいなあ、と夢の中で筆者は感じました。
ここクリニックは入会金が500万円なんですが、よければAさんも入会するのであれば、私はオーナーなんで半額で大丈夫ですよ」とにこやかに伝えます。「ご主人も病気がちとのこと、ぜひご一緒に入会したらいかがでしょうか?特別な計らいをオーナーとしてしますので」。
人を疑うことを知らないAさんは振込先が書かれた紙を渡されました(まあ夢だから紙を渡された設定だけど、振込先はLINEとかで送られるのが今風かな)。もちろん口座は医療法人オーナーの個人名が記されたものであり、振込先もネットで口座開設ができるような銀行です。「高級医療法人の入会に際して、裏口入会なんだから個人名に振り込んでも大丈夫だろうな」と世間知らずのAさんはその後、入会金を振り込みましたとさ。
医療法人のオーナーって何?
頭部方面の問題を再生医療で解決すればいいじゃん、なんて考えは一切持たなかった純情なAさん。多分、筆者のクリニックでは頭髪に対する再生医療を行なっている為に、医療法人オーナーが頭髪に若干の問題ありとの設定になったのかもね笑。」
医療法人の理事長は法的には基本的には医師である必要があります。
ただし、都道府県知事の認可を得れば、医師や歯科医師以外でも理事長を務めることができます。AIの回答によると
- 特定医療法人や社会医療法人であること
- 地域医療支援病院を経営していること
- 公益財団法人日本医療機能評価機構の病院機能評価による認定を受けた医療機関を経営していること
この回答、そもそも医療法人を経営していないとダメな気もするんだけど、多分法的にはなんかあるんだろうなあ。医療法人ではなくても、一般社団法人を経営していると、医療機関を経営することは法的に可能です。となると、医師でなくても医療法人を経営することは法的にはOK(このあたりは法の専門家ではない筆者には詳細はわからん)。
医療法人の理事長で無く、オーナーという名称を夢に現れたオッサンは自称していました。自称・医療法人オーナーに関してはこれ以上の言及は夢の中でのお話なんでここでやめておきます。
インチキおじさんの手先になってしまった闇落ち医師
AさんとBさんは自称・医療法人オーナーと再生医療専門クリニックがある超一流ホテルのカフェで待ち合わせをしました。自称・医療法人オーナーは「今、ここは混んでいるっぽいので、私が他に経営している再生医療クリニックにご案内しますね」と意味不明の発言。
「オーナーなんだから、混んでいても優先的に診察・治療を受けられるんじゃないの」という当然の疑問が出てこないところがAさんが純情可憐なおばさまである所以。AさんとBさんは電車で(ホテルでチヤホヤされたセレブの自称・医療法人オーナーだったら運転手付きのベントレーくらいで移動しても良さそうだけど)、東京のいわゆる下町の普通のクリニックに連れて行かれたんだとさ。
そのクリニックでは医師の診察も無しに、単純な血液検査、それも健康診断以下の内容の採血をAさんとBさんは受けました。
Aさんは下町の再生医療専門クリニックと称する普通のクリニックの院長先生はどんな方なのか気になったので、ネット検索をしてみると、なんとその院長先生は多数の医療機関の理事長であることがわかって「立派なお医者さんなんだなあ」と。医療法人の理事長は複数の医療法人の理事長になることは特別の理由がない限りは一般的には不可。また医療法人は非営利性を有しているため、営利法人の役員を兼ねることは適切ではないとされています。
果たしてAさんとBさんは再生医療を受けるのか、・・・ここで目が覚めてしまいました!!
※以上の記事はフィクションであり実在する人物等はあくまで筆者が夢で見た内容ですので、実際に当該する人物・組織があったとしても関係はありません。
なんと起きてから、ちょいと調べたら同じような案件が!!
目が覚めてから、変な夢だなあ、と感じつつ筆者はネット上に同じような話が転がっていないかを確認したところ、なんとこのような記述をツイッター(今はXか笑)で見つけました。もちろん恐ろしい輩が関係してくる厄介な事件に巻き込まれる可能性があるので、投稿した方と接触はしていません。
再生医療用の細胞加工施設を経営している知人にも正夢かもしれないと思い、夢の話をしたところ、同じような話を聞いたことがあるとのこと。これはケチなペテン師によるレベルの低い詐欺事件、との解釈もあります。しかし、どう見ても怪しい話であることは、騙される側は「藁をもすがる」状態ですので、沈むことが分かりきっている藁にも縋ってしまうのが、医療を舞台としたインチキ事件なのです。
𝕏上の投稿を元に企業調査会社に調査を依頼、さらに登記簿等を自分なりに調べてみると出てくるわ出てくる、闇堕ち医師が経営している会社、医療法人(医療法人の理事長って複数の医療法人の理事長に就任できるんだっけ???)。一方、登記簿上は出てこないは出てこない、医療法人オーナーの名前。警察OBが経営している探偵会社にも反社会的な人々が関係しないのかに関して調査してもらったのですが、そのようは背景はありませんでした。筆者の顧問弁護士に相談したところ「ケチな小物詐欺師なんでしょうねえ」とのご意見。
これ以上は筆者の見た夢に端を発する再生医療を専門とした医療法人を舞台とした案件は、医業を行いながら追求するのは本業にも当然悪影響があります。この件に関しては正義感のあるジャーナリストさんが更なる被害者が出ないように追い記事を書いてもらえることを期待しつつひとまずはここで終わりとさせていただきます。もしも、多くの方がこの筆者の見た
「正夢」話にご興味を持たれたら、筆者が独自に調べた内容を記事にする予定も(予定は未定だけどね笑)このようはことが日常茶飯事的に行われている再生医療界隈、健全化するためには行政当局の積極的な介入が必要なのではないでしょうか?
■2025/04/11追記:この案件類似の被害に関する情報が続々と寄せられています。近いうちに前述通りに第二弾を投稿する予定です。例えば自称・医療法人のオーナーの名刺等も記事中で表示しようと考えています。
■2025/04/11 23時追記:トップの大見出しを「再生医療クリニックをネタに蠢く怪しげな面々」から「再生医療クリニックをネタに蠢く怪しげな面々 その1」に変更しました。「その1」があるということは当然「その2」が続くということになります。続編をお楽しみに!!ちなみに舞台となったクリニック名も判明しました。