若気のいたりでオシャレなタトゥーを入れちゃた、今の医療ならレーザーで簡単に綺麗に消せるから大丈夫と考えている方もいるか知れません。
悪羅ギャルモデル(オラギャルと読むらしいです)として有名な「みぽち」が以前「私の何がイケないの?」で「タトゥー(刺青)入れてイケないの」的な発言をしました。もちろん別にタトゥーを入れることは個人の問題ですので色々な意見があっても構いませんよね。
本記事の内容
悪羅ギャル「みぽち」がタトゥーを消したらしいけど⋯
心境の変化か、キャラを変えるためか不明ですが「みぽち」が刺青を消すことしたそうです。みぽちが手の甲から腕に入れたタトゥーはとにかく医者泣かせです。担当された湘南美容外科の医師も苦労するんじゃないでしょうか?
みぽちのブログにあるレーザー照射前の写真を見る限りでは、タトゥーは黒系が中心でレーザーにはよく反応するはずです。ところが、タトゥーのデザインが医師泣かせなんです。
サクッと切ってタトゥーを消す方法もあるんだけど
レーザーが反応しにくい色素がタトゥーに使われている場合と、タトゥーを切除する方法があります。あるいは、レーザーでタトゥーを消すには複数回の治療が必要ですので、お急ぎの方にはタトゥーを消すには切除をお勧めします。しかし、今回の「みぽち」の場合、デザインがくねくねしているために、切除法を選択しても4-5回の手術が必要と判断します。
ブログ中に「麻酔が切れたらめちゃ痛い」って書かれていますが、通常は痛み止めの薬の服用で済むはずなんですけど⋯続く写真を見ると、めちゃでかい水疱ができています。こりゃ痛いですね。
レーザーの機種が明確でないので、なんとも言えませんけどちょっとパワーが強すぎちゃったのかも知れませんね。一年通っているそうですが(今回で4回目 他の部分も含め)、スッゲー効果ってほどではないようです(これはあくまで個人の感想であり、当院だったらもっと綺麗にタトゥーを消す効果がありますと言っているわけではありません 汗)。
刺青を入れている特殊な職業の方の悩み、MRIが受けられない??
「みぽち」のタトゥー消しと同時多発的に「ヤクザが「MRI検査」を受けられない意外な理由。病院で治療も受けられない⁉」という記事もありました。これは日刊SPAの記事です。病気で入院して検査としてMRIを受ける場合、刺青が火傷の原因になる、とのお話が紹介されています。
確かにMRIは「核磁気共鳴画像法」なので磁石に反応する物質がタトゥー(刺青と同様の意味で使用します)の色素に含まれていると、火傷の可能性は否定できません。しかし、火傷問題より医療上問題になるのは正確な診断ができない、ということなんです。異物が体内に入っているとMRIの画像でアーチファクト(artifact)と言ってMRIの信号処理上データのエラーが出てしまい「画像診断」で読影しにくくなってしまうのです。
ちなみに海外では MRI検査で火傷した症例が紹介されていますが、原因は入院時に手首につける腕輪 (患者さん識別用リストバンド)をしたままMRIを受けたとのことです。詳しくは『タトゥー(刺青)を入れているとMRI検査が受けられない、という話は本当かな?』をご覧ください。
全身にタトゥーを入れた場合、大量の色素によっては肝臓へのダメージを引き起こしかねません。悪くなった肝臓をMRIで調べようとしたら、もろ腹部周辺に刺青がびっしり、となると火傷のリスクも出るでしょうけど、やっぱりアーチファクトによる診断ミスを恐れる医師も多いのではないでしょうか?特殊な業界の方に対してMRI検査で火傷、あるいは診断ミスを引き起こした場合を懸念して「MRIで火傷するリスクがあるんで」と説明しているような気がしないでもありません。
レーザーは魔法の医療機器ではないので十分に説明を受けましょうね
レーザーで簡単にタトゥーを消せます、的に記載されている医療サイトがあります。美容皮膚科では切る美容外科的なテクニックがないためにどうしてもレーザーに頼りがちです。
今回の「みぽち」さんの体験記はタトゥーがそうやすやすとレーザーで簡単に消えるわけではないことを多くの方に知ってもらう点では評価します(ちょっと偉そうかな)。また、かなり複雑な形状のタトゥー消しにチャレンジした湘南美容外科の医師にも「頑張ったね」(かなり偉そうか)と声をおかけします。
今後の「みぽち」のタトゥー消しの結果を予想します
水疱ができるくらい強いパワーでレーザー照射しないほど深い部分に色素が入り込んでることが予想されますので、かなりの回数通院する必要があります。強めにレーザー照射をするとタトゥーは消えても、その部分に火傷様の跡ができる可能性もあります。
レーザーで消えやすい部分はレーザーで消して、その後残ったタトゥー部分を切除する、これが多分「みぽち」のタトゥー消しのベストの治療であり、結末だと予想します。