当院でぼちぼち地味に発毛治療を行っているので、世の中の事情・市場はどうなっているのかとスマホで薄毛対策関連の広告を踏みまくっていたら、出るは出るは「発毛剤」と「育毛剤」の広告が。
発毛剤と育毛剤の違いもよくわかっていないけど、薄毛が気になる方にできるだけわかりやすく解説してみます。
本記事の内容
毛生え薬は江戸時代からあったのです!!
育毛剤と発毛剤の違いを説明する前に、薄毛にお悩みの方向けの「毛生え薬」がいつ頃から日本では販売されるようになったのかご存知でしょうか?
私が知る限りでは江戸時代(1800年頃かな)に出版された「都風俗化粧伝」(東洋文庫)に薬草を組み合わせて毛が薄くなった部分に塗るような話が出ていました。
ちょんまげが結えなくなった武士はかつらを使用していたなんて話もありますから、少なくとも300年近く前から薄毛およびハゲは見た目だけではなく、実害的な問題があったことをしることができます。
海外ではヒポクラテスの時代(2500年くらい昔)から薄毛にお悩みの方への処方が考案されていて、成分は鳩の糞・アヘン(うわーお)・西洋ワサビなどだったそうな。でも、ヒポクラテスさんには効果はなかったようですね。
しかし、恐れるべきはヒポクラテスの鋭さ。現在存在する男性型脱毛症の処方薬は男性ホルモンと密接な関係があるのです、それを当時気がついていたとは・・・詳しくはこちらをどーぞ。
お時間があればこちらもね。
海外にしろ日本にしろ、昔々の毛生え薬の成分は生薬が中心であり、実は現在の育毛剤の成分と大差ないように感じるのは私だけでしょうか???
育毛剤はすでに生えている髪の毛を育てる働き
毛が抜けてしまった状態に育毛剤は効果はありません。育毛剤は別名養毛剤で、厚生労働省は効果・効能に関して「育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛」と定義しています(https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/pdf/shikent.pdf)。
発毛剤とは大違いな育毛剤ですから、すでにかなり頭髪にお悩みの方にとっては力強い味方とは言い難いようです。
発毛剤はとにかく毛を生やす薬なの???
発毛剤はその字のごとく「髪の毛を生やす」ことを目的とした薬剤であり、厚生労働省は発毛剤は薬であるとの考えから、医薬部外品および服用する処方薬(プロペシアやザガーロ)と分類しています。
発毛剤VS育毛剤の激しいネット広告バトルの結論としては
- 発毛剤は医薬品
- 育毛剤は医薬部外品
発毛剤の方が育毛剤より規制が厳格であるということは効果もあって、勝敗に決着がついたように思えるのですが、話は複雑になります。
発毛剤、飲み薬と塗り薬の違いは???
リアップに代表されるミノキシジルを主成分とした塗り薬である発毛剤の効果・効能は、
- 毛髪の成長を促進させる
- 縮小した毛包を活性化する
- 男性における男性型脱毛症。以上、終わり。
とかなりあっさりしています。
男性型脱毛症に対する一般的な治療戦略は発毛剤の飲み薬と発毛剤の塗り薬を併用することなのですが、飲み薬は服用を中止すれば数ヶ月で効果を失いますし、塗り薬も塗り続ける必要があり、継続すればそれはそれなりの費用の負担問題が発生してきます。
もう一歩踏み込んだPRP療法の特長
育毛剤や発毛剤では思わしい効果が見られない場合、次の選択肢は「植毛治療」です。自分の毛を薄くなった部分に埋め込む植毛は育毛効果も発毛効果もありませんし、ましてや増毛効果はありえません・・・だって薄くなったところにいまある毛髪を他の部位から切り取って植えるのですから、トータルの毛髪数に変化はありませんからね。
当院が地味にぼちぼち行っている発毛治療は厚生労働省に「多血小板血漿を用いた再生医療(頭髪)」という名称で届けています。
対象はAGAだけではなく、男性型脱毛症と女性型脱毛症ですから、現在存在する医薬品の発毛剤とは考え方も作用機序も違っています。
当院の症例のビフォーアフターを一例お見せします。
これ以上、当院のPRP療法による発毛治療のことを書いていくと宣伝臭が強烈になりますのでこのあたりで止めておきますね。