うがいをするのは日本人だけ??は都市伝説、海外でも風邪の予防でうがいをしますよ❗

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肩がこるのは日本人だけというデマがまかり通ってしまうように「うがい」をするのは日本人だけという説は間違いです。

残念なことに医療関係者が発信しているデマなようです。はっきり申し上げますが、海外でもうがいは風邪の予防として行われています。風邪の予防の代表の手洗い・うがい。論文を交えながら解説していきます。

「うがいをするのは日本人だけ」説は間違いです

「うがいをするのは日本人だけであり、外国人はうがいを知らない」「外国人はうがいをしない」中には「外国人はうがいができない」と述べている雑学サイト、医師が書いた医学情報サイトがあります。さらに「うがいの医学論文は少ない」と書いている医師までいます。

うがい関連の論文は多数あります

医師なら誰でも知っているMayo Clinic(メイヨークリニック)という米国の総合病院があります。メイヨークリニックはサイトで風邪対策として「うがい」を勧めています。

Soothe a sore throat. A saltwater gargle — 1/4 to 1/2 teaspoon salt dissolved in an 8-ounce glass of warm water — can temporarily relieve a sore or scratchy throat. Children younger than 6 years are unlikely to be able to gargle properly.

https://www.mayoclinic.org/

「塩水でうがいをしましょう、6歳未満の子どもはうがいが上手くできないけど」ってしっかり書いてあります。

風邪の予防としてではなく、喉の痛みを和らげるためですが、外国人はうがいを知らないってのは明らかに間違いです。

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http://www.findhomeremedy.com/home-remedies-for-bronchitis-cough/

これ完璧にうがいしていますよね❗外国人はうがいを知らない、外国人はうがいができない、テキトーなデマを流しちゃいかんよ❗某先生❗人前でうがいしないから見かけないだけなんじゃないの。

うがいをするって英語でgargleといいます

上記画像にもあるとおり、英語で「うがいをする」はgargle(ガァーグル)といいます。この時点で、うがいをするのは日本人だけっていう説はデマということになりますね。

日本や米国以外でも「うがい」ってするんですけど⋯

メイヨークリニックっていう米国の病院が言ってるだけじゃん、って普通の人は思うでしょう。でもメイヨークリニックはそこらの大学病院より大きくベット数は2000近く、手術室は100❗くらいあるんです(http://www.tr-networks.org/PDF/cluster1.pdf より)。

他の国でもうがいはします。例えば英国のエジンバラからもこんな医学論文が出されてます。「Hypertonic Saline Nasal Irrigation and Gargling for the Common Cold.」( http://dx.doi.org/10.1016/j.jcv.2015.07.012)。この論文はもろ「うがいは風邪の予防に効果があるか?」について述べた医学論文です。

風邪に対して食塩水による鼻洗浄とうがいは効果があるか、を調べた論文です。結論として食塩水によるうがいは風邪の症状を短縮する可能性があるかもしれないとのことです。でも、ウイルスに対する効果自体のエビデンスは出なかったようです。

イスラム圏でも「うがい」はしますよ❗

イランの研究者のこんな医学論文もあります。「Respiratory Tract Infections and its Preventive Measures among Hajj Pilgrims, 2010: A Nested Case Control Study」(Int J Prev Med. 2013 Sep; 4 (9) : 1030–1035.)。

巡礼する人の間でインフルエンザなどの呼吸器感染症を予防するために、うがいは効果があるかを調べたものです。この論文はうがいは風邪の予防処置としては適正だと述べています(お祈り用のジュータンがウイルスの伝搬に関わっているかを調べているのはイスラム圏独特の事情ですね)。

つまり、風邪に効果があろうとインフルエンザには全く効果がなかろうと「うがいは日本独自の習慣」ってのは大間違いです❗

日本茶でうがいをするとインフルエンザ予防になる?

さすがに最近は食後にお茶でガラガラってやるオッサンを見かけることは無くなりました。そのお茶でうがいがひょっとするとインフルエンザ予防になる?と考えた研究者がいます。お茶の産地である静岡県立大学薬学部のチームが「Effects of green tea gargling on the prevention of influenza infection in high school students: a randomized controlled study.」(PLoS One. 2014 May 16;9 (5) :e96373.)という論文を発表しました。

数字的にはお茶でうがいした方がインフルエンザにならなかったのですが、その後、統計学的には有意差なしとの結果になりました。

医療関係者なのに「うがいは日本人だけ」と述べている記事は各自お探しくださいませ、武士の情けです。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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