芸能人が植毛をしたとの報道が目にした時に瞬間的に思い出した植毛の副作用が「しゃっくり」です。
自分の髪を自分の頭皮に移植する自毛植毛の副作用や合併症はもちろん外科手術に準ずる治療なのであるのですが、「しゃっくり」がなぜ植毛の副作用として知られているのか、副作用・合併症出現率とその原因をかんがえてみます。
自毛植毛のデメリット
植毛のデメリットとしては治療費が高額であることが挙げられます。なかには植毛に7500万円掛かったと脱税を指摘されたときに言い訳した芸能人もいましたっけね。
さすがに植毛に7500万円は高額すぎるとは思いますけど。植毛の副作用や合併症として考えられるのは、
- 1.出血
- 2.感染症
- 3.かゆみ
- 4.傷跡
- 6.痛み
- 7.しびれ
などですが、美容系医療の格言である「no painn,no gain」を考えればしかたないですし、植毛する医療機関や担当する医師を慎重に選択すれば副作用・合併症のリスク低減は可能だと思います。
植毛の副作用として意外と知られていないけど、ニッチな話題というか興味深い医学問題に常にアンテナを張っている医師ならしっている植毛の副作用(この場合は合併症かな?)が「しゃっくり」なんです。
しゃっくりは5-10%に出現率する副作用!!
植毛すると5-10%の患者さんにしゃっくりが出現します。文献によって数字に若干の開きがあるけど、これは稀な副作用と判断するべきではなく、起こりがちな副作用と考えられます。
植毛の副作用としてのしゃっくりのパーセンテージに関して参考にした論文
- Complications of Hair Transplant Procedures—Causes and Management(Indian J Plast Surg. 2021 Oct; 54(4): 477–482.)
- Complications of Hair Restoration Surgery: A Retrospective Analysis(Int J Trichology. 2014 Oct-Dec; 6(4): 168–172.)
などなど。
植毛後しゃっくりを医学的に説明するとこうなります
しゃっくりは横隔膜が自分の意思と関係なく動くことによって生じている現象です。なぜ横隔膜が勝手に動いてしまうのか、原因は横隔神経が誤作動するからであり、誤作動を誘発しているのが植毛手術なのです。
横隔神経は頸椎の間から出ている頚神経の枝ですから、植毛をする際に採取する場所である後頭部にダメージが起きるために、横隔神経がバグることが考えられます。
しゃっくり100回すると死んじゃうとの話のあるけど
しゃっくりが重篤な副作用であるかに関しては議論の余地は十分あります、というかめちゃくちゃあります(笑)。でもさあ、子どものころ、誰かが連発でしゃっくりをすると、「しゃっくりって100回しちゃうと死んじゃうんだよ」て話が出回っていませんでしたか?
まあしゃっくり100回死亡説は都市伝説と考えていいけど、しゃっくりが出てしまったときの解消方法としてはこれが参考になるはずです。
しゃっくりに関して薬を処方する医師もいるようですが、一度お試しください。でも、植毛後にこの姿勢でしゃっくりを抑えようと試みると、治療した傷跡がミエミエになってしまうデメリットもあるかあ・・・植毛よりは個人的にはPRPという治療法を薦めるけどね。