化粧品業界はなぜか今は「自然派」とか「オーガニック」という言葉が「売れるキーワード」になっているようです。それらのキーワード自体に法的な規制はもとより定義さえ明確じゃないんですけどね。
使う人の肌関連の遺伝子を解析して、化粧水の内容を変えるのか???
仕事柄化粧品の流行りはある程度把握しておく必要があるんで、ネットは折り込み広告をチェックしています。女性用のファッション誌って重量が寝転がって読むには重すぎて手にすることはほとんどありません。
ウェブ上で「遺伝子オーダーメイド化粧水」ってのを見つけました。最初は遺伝子操作された化粧水を使用したメチャ科学的かつ化学的化粧品が頭に浮かんだんですけど、そんな化粧品は売れないでしょうね、多分。
遺伝子オーダーメイド化粧水のサイトをじっくり読んでみると(多分、アフィリエイトのサイト)、オッサン的には全く知らんけど若い女性には知名度が高いと思われるタレントなのか、モデルなのかが愛用していることが強調されています。そこで使用されているビフォアーアフターの写真が爆笑もんなんで遺伝子オーダーメイド化粧水、大丈夫か?
会社もしっかりアフィリエイターのページをチェックした方がいいんじゃない、と余計なお世話的心配をしてしまいました。
遺伝子オーダーメイド化粧水の仕組みはこうなっていました
なんせ二週間程度この遺伝子化粧水を使うと「シミ」がなくなってしまうそうです⁉シミ用のレーザーを使っても「シミが綺麗に取れましたね」と判断するには1ー2週間はかかりますし、シミが消えても再出現しないためのケアが必要なのに、遺伝子オーダーメイド化粧水は短期間でシミやソバカスが消えて、肌自体もすべすべになっちゃう優れものらしい。
確かに肌の老化を調べる遺伝子検査キットも販売されています。でもそれで調べられる遺伝子ってたったの3つ、なんですけど⋯。
MMP1遺伝子 マトリックスメタロプロテアーゼ( Matrix metalloproteinase 略してMMP)
タンパク分解酵素の一つでコラーゲンやエラスチンといった肌の弾力性、プルプル感に関連した遺伝子です。そのためMMP1遺伝子は「間質コラゲナーゼ」とも呼ばれています。
SOD2遺伝子 スーパーオキシドディスムターゼ ( Superoxide dismutase 略してSOD)
わかりやすく言えば抗酸化力がどれだけあるかの指標を考えられている遺伝子です。正確にはSODの活性と酸素の消費量の関係が寿命に影響を与えているんじゃないかな程度のレベルしか判明していないはずです。でもSOD2ってミトコンドリアに存在する遺伝子であって、肌に関係しそうな遺伝子ってSOD1とSOD3 だったような気がするのは私だけでしょうか?
GPX1遺伝子 グルタチオンペルオキシダーゼ (glutathione peroxidase 略してGPX)
細胞の酸化によるダメージの修復に関連した酵素に影響を与えている遺伝子です。もちろん広告ではこんな小難しいことは言わないで「解毒遺伝子」なんて書き方してあります。
これらの遺伝子の遺伝情報を書き換える化粧水ではなく(当たり前か)、使用する人の遺伝子を調べて「あなたはMMP1遺伝子が足りませんので将来肌がたるみますよ」とか「SOD2遺伝子が少ないので抗酸化力が弱いです」とか「GPX1遺伝子に問題があるんで、お肌のダメージの回復が弱いです」なんて感じで、その方に適した遺伝子オーダーメイド化粧水を提供するんでしょうね。
しかし、この遺伝子化粧水の広告がかなりうざいです
会社の公式ホームページっていうか、正式にはリスティング広告で見つけたサイトは通常の通販サイトなんですが、アフィリエイターのお作りになったページってまんま情報商材系の広告なんです⋯だってこんなのが出るんですよ❗
誠実に時間は減少しているようです、でも先週も「先着100名限定」と書いてあったんで、まだ無料モニターは応募できるようですね(笑)
広告では有名モデル・芸能人(多くのオッサンは知らない)が使用しているのか、単にこの遺伝子オーダーメイド化粧水を持っている画像が溢れています。さらに海外のセレブが遺伝子検査をしてスキンケアをしている、って文章よりセレブに弱いく、かつ正しい情報には弱い方をターゲットにした広告であることが十分に読み取れます。
遺伝情報は十人十色です。それぞれ個々の遺伝情報に従って化粧水の成分を変えていったら、人類の数だけの化粧水の種類を作成しなければなりません。薬事法によって販売する場合は化粧水の容器に全ての成分を表示することが義務つけられています。となると、容器あるいは外箱の表示を全部変える必要があるし、もちろん化粧水の成分も全て変えなきゃいけないハズなんだけど⋯。
どなたかこの遺伝子オーダーメイド化粧水、使用したことある方いませんか?是非是非詳細をお教えくださいませ。