「まつげエクステ」セルフ方式の落とし穴⋯逆に危険じゃないの、失明のリスクも??❗

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女性は長いまつげに憧れます。そのためにマスカラを使用したり、まつげの美容液なんてものを使っていかに長いまつげを実現するか日夜努力をしてます。

速攻でまつげを長くする方法として「まつげエクステ」という方法があり、かなりポピュラーになっていますよね。

実は

まつげにエクステンションをつける施術って、美容師免許を持っている人しか行ってはいけないのです。

まつげのエクステって美容師さんしかやってはいけないんだけど⋯そこでセルフが登場

医師免許があればまつげエクステを行うことは問題ありませんが、美容クリニックでもあまりやっていないのではないでしょうか?しかし、免許保有者以外がまつげエクステショップに存在していることは、既成事実になっています。当局の指導が厳しくなっているために、苦肉の策としてまつげエクステをセルフで、つけ方を指導します、とのビジネスが登場しています。

しかし、トラブルとしては最悪の場合、 エクステンションをまつげに接着する「グルー」が目に入ってしまって「失明」 という事態も発生しかねないために、保健所等が注意勧告を行っています。その裏をかいたまつげのエクステを自分で行ってもらうというビジネスモデルが出現して、規制逃れなんじゃないかと報道され注目されています。まつげエクステンションはこのようなものです。

www_kokusen_go_jp_pdf_n-20150604_1_pdf

まつげエクステのセルフ方式はどう見ても規制逃れかな?かえって危険な気がするけど。

美容医療以外で美容系のサービスを受ける代表として「エステティックサロン」があります。脱毛行為は明らかに医療法違反の可能性が限りなく大なんですが、医療機関サイドは現在ではかなり大人の態度でエステを批判する風潮は以前ほどなくなってきました。

一方、まつげエクステの場合は免許があろうが、なかろうがちょいちょいトラブルが発生していて眼科では対応に苦慮しています。

今回話題になっているまつげエクステセルフ方式は自分で自分に処置するんだから責任は貴方だよ❗との考えをもとに行われだした美容系ビジネスです。まつげに接着剤でエクステを付けることだけを指導して、実際にはお客さんがご自分でエクステを装着する方法を取っています。この場合、万が一接着剤(グルー)が目の中に入って危険な状態になっても、それはお客さん自身が行ったことに起因するので、指導した側は責任が問われない、という理論なんでしょうね?

でも、人にやってもらう時は目をつぶっているけど、自分でやる時は当然目を開けているんで、逆に危険度が増すような気がしませんか?

国民生活センターによる「まつげエクステンションの危害」によれば

この言葉、ちょっとひっかりますよね「被害」じゃなくて「危害」。誰かが第三者に害を及ぼした時「危害」って使うわけで、美容師さん以外の無資格者がまつげエクステを行ってお客さんに「危害」を与えた、とのイメージを強調しているんですね。読売新聞によれば 「まつ毛エクステ健康被害、3か月間に1600人以上!」とも報道されています(読売新聞2014年5月7日)。

実際にトラブルが起きた場合はかぶれの場合は皮膚科に、目に入って充血やかゆみがある場合は眼科を受診しています。かぶれ程度なら回復の可能性も大きく、一時的なトラブルと考えられますが、目の場合は最悪失明の危険もあります。医療機関や美容師さんを指導管理する立場の厚生労働省に対して消費者庁がこんな申し入れをしています。

www_caa_go_jp_adjustments_pdf_100217adjustments_1_pdf

国民生活センター

これを受けて保健所等の取り締まり・指導が強化されたために、「セルフ方式のまつげエクステ」が考え出されたのですね。

責任の所在はどこに行っちゃうんだろう?

並行輸入、個人輸入の薬品でトラブルが発生した場合は、その責任は輸入して使用した本人にある、との考え方が一般的です。輸入を仲介した業者はプロですから、自社が責任を負わないような文言をうたっているはずです。当院にあるレーザーやヒアルロン酸も並行輸入・個人輸入の形を取っていて、万が一の責任は当方にあります。

まつげのエクステをいくらセルフ方式で行ったとしても、トラブルが発生した場合は、場所を提供した、あるいはエクステンション及び接着剤を提供した側に責任があるとも考えられます。

まつげを長くする美容液の場合もこんなことが起きます。 「まつげ美容液」の思わぬ副作用、瞼が垂れ下がってしまう❗重大な副作用の報告がありました。

しかし、厚労省が承認した場合は責任の所在を行政に求めることも理論上は可能です。 「グラッシュビスタ」という、まつげ美容液は効果はあるけど⋯。<

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まつげエクステで失明はするのか?

目の中に接着剤が入ってしまった場合や痒くてこすってしまうと「角膜潰瘍」や感染を引き起こす可能性があります。現時点で明らかにまつげのエクステで使用される接着剤で失明した、との報告は論文ベースでは見つけることができませんでした。しかし、限りなくリスキーな美容術と考えられるので、できれば美容師さんなどの資格を保有した方に行ってもらったほうが賢明な選択と考えます。残念ながら美容師さんだから無資格のエクステを行っている人より、トラブルが少ないというデータは存在しません。

でも、国家資格を持っていると賠償責任の保険に入っている方が多いでしょうから、被害に対して金銭的な補填はされることが多いはずです。美容医療の場合は医師会の賠償保険の対象ではありませんが、美容外科学会独自の保険制度がカバーしてくれることになっています。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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