長生きしたけりゃクマムシに学びなさい、若返りたければベニクラゲを食べなさい⁉

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朝刊の書籍の広告は健康関連本が溢れかえっています。「なんとかを食べると病気が治る」「長生きしたけりゃ◯◯しなさい❗」「△△の秘訣は何々にあった❗」と言ったタイトルの本が目立ちます。

長生きと若返りの優等生、クマムシとベニクラゲ

「学べ」系の本の特色は自己啓発が絡んだものが目立ち、最終的には哲学的とは言い難い生き方の指南書となることが多いようです。

「しなさい」系の命令口調をタイトルにした本は普段忘れがちな日常生活を少し変えるだけで健康になり、長生きできることを著者が不健康な生活を送っているかも?と多くの人が思い込んでいる心の隙間に入り込む流行りのタイトルなんでしょうね。となると、

放射線を浴びても、水がなくても、空気がなくても生きられるクマムシのライフスタイルに学べば間違いなく長生きできるかもしれませんし、

放射線を浴びても、水がなくても、空気がなくても生きられるクマムシの体内構造

http://www.wakeupsishya.com/2015/08/09/meet-the-immortal-animal-on-earth-tardigrade/

繰り返し若返るベニクラゲを食べれば究極のエイジングケア

ベニクラゲという生物がいます。このベニクラゲを見習えば若返りが可能になるかもしれません(間違いなく現代の科学で臨床応用は不可能ですが、基礎研究は継続していだだきたいと考えます)。

クマムシの長生きの秘訣は乾燥にあった⁉

不思議な生態が知られているクマムシですが、長生きしたい方は是非クマムシの生態を学んでください。

詳しくはPNASに掲載されている「Evidence for extensive horizontal gene transfer from the draft genome of a tardigrade Supporting Information」(http://www.pnas.org/content/early/2015/11/18/1510461112/suppl/DCSupplemental)をお読みください。

クマムシは他の生き物の遺伝子を自分のものとしてしまう

http://news.meta.com/2015/11/23/waterbear/ 

クマムシの生態は海外でも注目されています。ここで海外のセレブの間でも注目❗って書けば話題になるのですが⋯。

マムシは他の生物のDNAを取り入れることができます。前述論文によれば細菌から16パーセント、ウイルスから0.1パーセントもDNAを自分の遺伝子として体内に取り入れちゃいます❗

「遺伝子の水平伝搬」(extensive horizontal gene transfer)と呼ばれるメカニズムを利用して各々のクマムシにそのつもりがあろうと、なかろうと他の生き物の遺伝子を自分のものとしてしまうのです。その時に重要な働きをするのが「乾燥」です。つまり

長生きしたけりゃ肌を乾燥させよう❗

ということになりますね(笑)。水分を失ってカサカサになったクマムシは遺伝情報たっぷりの他の生物の遺伝子が皮膚??を通過して体内に入り込んでしまうのです。

人間の細胞に含まれるミトコンドリアも実は外部から入り込んだ実は別の生き物だったので、人間もカッサカサの状態になれば、他の生物の巨大なタンパク質で形成されているDNAを取り入れることが可能になりますよね⋯なるわけないけど❗

究極のエイジングケアを目指すならベニクラゲを食べましょう❗

ベニクラゲという不思議なクラゲがいます。このクラゲは長生きするというより、若返りを繰り返すのです❗

クラゲの前段階に「ポリプ」という状態があります。蝶々の前段階があお虫であるのと同じイメージです(生物学専攻のオッサンのツッコミ禁止❗)。ベニクラゲはある程度成長するとこの「ポリプ」に戻り、再度成長してクラゲになる、という過程を繰り返します。

ベニクラゲ → ポリプ → ベニクラゲ → ポリプ →元に戻る

を繰り返すのでひょっとしたら若返りながら永遠の生命をすでに手に入れているのかもしれません、ベニクラゲさんは(死なないけど他の生き物に食べられていなくなっちゃうことが多いようですが)。

となると、エイジングケア+長生き という現代人が求めてやまない望みを得るには

若返り・エイジングケアの鍵はベニクラゲにあった❗若返りたければベニクラゲを食べなさい❗

なんてタイトルの本が近々出版されることを予想しておきます(予想はすればするほど当たります)。

健康本にもの申す❗

以上、クマムシ、ベニクラゲの生態は本当のことですが、これを人間にあてはめることはかなりハードルが高いです。誰だってクマムシのような生活はしたくないでしょうし、ベニクラゲを食べて究極のエイジングケアが可能になるとは思わないですよね。

でも、巷に溢れかえる健康本の多くはクマムシを真似、ベニクラゲを食べることを勧めているのと同じものが多いのです。

医学常識・科学理論では理解できない健康法、ちょっと冷静になって考えればありえない健康法、どう見ても継続不可能な健康法がもてはやされます。意外であり、突飛であり、ある意味理不尽な健康法(昔、尿を飲む健康法がありましたね)な健康法ほど話題になります。

「コラーゲンでお肌プルプル」は無理を転送装置を使って説明します

「コラーゲンでお肌プルプル」は無理を転送装置を使って説明します

酵素を食べても体内で酵素の働きはしませんし、セレブの真似をしても同じように健康になるわけではありません。

新聞って多くは高齢者の読み物になってしまっていますので、毎朝新聞を読んでいる私も高齢者になってしまっているのかもしれません。そこで新しい健康法を考えました❗

年を取りたくなかったら新聞読むのをやめなさい❗

なんて命令口調のタイトルの本、売れると思うんですがいかがでしょうか?

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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