子供の1.5パーセントが抗精神薬を使用している現状、こりゃ驚いた❗6割が誤診⁉

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中高生が銃を乱射して多数の犠牲者を出すような事件が繰り返される米国。

犯罪を犯した少年の多くが実は抗精神薬・向精神薬を服用していた、なんて話がまことしやかに伝えらえています。

男児の1.5パーセントが精神系統の薬を飲んでいるという米国の話

イメージ的に米国が生活様式が20年遅れで反映される日本の流行も銃がここまで規制されている現状では学校で銃を乱射、という犯罪は起こり得ないと考えていいと思います。

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http://blogs.discovermagazine.com/

ADHDはこんな勢いで増加しています、ってこんなに一気に増える病気ってあるの??

貧富の差・家庭内の複雑な事情・二極分化が明らかになっている米国では12歳以上の青少年の精神系に影響を及ぼす合法的処方薬の増加が注目されています。日本おいても世界的に見て複数の向精神薬を組み併せて処方される多剤併用の害も話題になっています。

米国での報告はここに詳しく載っています。
「Treatment of Young People With Antipsychotic Medications in the United States.」(JAMA Psychiatry. 2015 Sep 1;72 (9) :867-74.)。

内容を簡単に紹介しますね。

精神病薬を処方されていた人の6割が精神系の病気と診断されていなかった❗

一般的に青少年に対して向精神薬系が処方されるのは双極性障害や統合失調、あるいは自閉症(この自閉症の定義が国によってかなり違うのが気になります)と診断されて初めて薬が出されます、当たり前ですけど。米国で精神系に影響がある薬が処方されている数は
2006年時点では

・1-6歳 0.14パーセント
・7-12歳 0.85パーセント
・13-18歳 1.10パーセント
・19-24歳 0.69パーセント

とまあ、そんなもんか的なパーセンテージでした。しかし、2010年では

・1-6歳 0.11パーセント
・7-12歳 0.80パーセント
・13-18歳 1.19パーセント
・19-24歳 0.84パーセント

となっていて、13歳以上は増加傾向にあるといえるデータが掲載されています。診断名としてはADHDがトップとなっています。

ここからが大問題です。

約6割が精神系の疾患であるという診断がなされていない❗

この不可思議な実態をデータは物語っています。その理由として注意欠陥・多動性障害(ADHD) に対して、FDAが治療薬として承認したものは皆無ということが挙げられます。

はあ???という医師としても予想外の結果と思われた方も多いのではないでしょうか?

ADHDの患者さんに対する処方薬の問題点

ADHDの症状のうち、他人様に害を与える「攻撃性」を抑制することに効果が有る、とFDAが判断した処方薬が無い、となると米国の精神科医はどのようなことを行っているのか疑問が湧きます。考え方としてはADHDは子供の場合、精神系の病気ではなく発達障害の一部であり、その症状として攻撃性があらわれる、という理論武装で「適応外の処方」を行っているのです。

実際問題として、幼児や小児に対して日本でさえ処方薬の中では「安全性は証明されていない」ものが多数、医師の責任範囲で処方されている状況(抗菌剤等でもよくある話です)があります。

気になる副作用の問題

ADHDに対しては当たり前のように「リタリン」という薬が処方されていました。以前はADHDの症状がある子供はすこし乱暴なところがあるけど、多くのことに興味がありじいっとしていられない性格と考えられていましたが、ある時期から「脳の機能障害」が本態である、という考え方から注意欠陥・多動性障害と診断されるようになったのです。

しかし、このリタリンは覚せい剤様の作用があるために、一部の不埒な人が多数の診療所を訪れて必要以上の処方を受けるという問題が発生しました。その後、リタリンは限られて登録された医師以外は処方できない薬になっています。

ADHDの診断基準のうちの多動性ですが

(a) しばしば手足をそわそわと動かし、またはいすの上でもじもじする。
(b) しばしば教室や、その他、座っていることを要求される状況で席を離れる。
(c) しばしば、不適切な状況で、余計に走り回ったり高い所へ上ったりする(青年または成人では落ち着かない感じの自覚のみに限られるかもしれない)。
(d) しばしば静かに遊んだり余暇活動につくことができない。
(e) しばしば「じっとしていない」またはまるで「エンジンで動かされるように」行動する。
(f) しばしばしゃべりすぎる。

www.adhd-navi.net

こんな症状というか動作は子供の多くに見られるし、あなたも経験があるのではないでしょうか?C以外は今でも私は当てはまります。

現在はADHDと診断された子供の治療には「コンサータ」という薬が処方されることが多いのですが、これまた覚せい剤に似た薬です。実は米国では100万人近くがADHDと誤診された、という話もあります。

Nearly_1_million_children_potentially_misdiagnosed_with_ADHD___MSUToday___Michigan_State_University

お子さんがADHDと診断された場合、セカンドオピニオン外来あるいはドクターショッピングと言われようが複数の医療機関を受診することを私は一医師として推奨します。

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著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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