理系のオッサンたちが絶対的に信頼を寄せるあの「ネイチャー」の中で、さらに高尚な専門誌とされている「CELL」に「科学的に信頼が置けるエイジングケアの薬」を発表しています。
若返る為の薬は数々あるが、これはお墨付き??
今まで発表された数々のエイジングケア・若がえり効果のある成分に対しての論文の中で、動物(人間を含む)に効果があると判定できるものをチョイスしています。若がえり効果があると考えざる得ない物質として
ラパマイシン(Rapamycin)、レスベラトロール(Resveratrol)、メトフォルミン(Metformin)、スペルミジン(Spermidine)の4成分
を挙げています。レスベラトロールやメトフォルミンは耳にした方も多いと思います。ラパマイシン、スペルミジンはあまり有名ではないと思いますので、少し解説しますね。
若返る、ってことはこの様な変化が起こるはずなんですけど⋯(http://nasilkolay.com/ より)。
論文は「The Search for Antiaging Interventions: From Elixirs to Fasting Regimens」というタイトルになっています。
ラパマイシンとは何だ??
ラパマイシンが若がえり効果があるんだって?と医学系のオッサンは驚きます。これはエイジングケアサプリではなく、医療で使用されている薬なんです。
服用する、しないは自己判断とさせていただきますが「免疫抑制剤」の一つとして「リンパ脈管筋腫症」に対する治療薬として日本でも保険対象となっています。
この聞きなれない病気は難病指定されていてされていて、遺伝子上の異常がきっかけになっていると考えられています。「ラパリムス錠」という製品名で日本で使用されていますが、一般名はシロリムスとなってます。ラパリムスあるいはシロリムスは肺の異常に対して効果が認められている為に、リンパ脈管筋腫症の治療に使用されています。
この薬がなんで若がえり効果があるかというと、マウス(人間じゃありませんよ)に投与した場合、寿命が延びるということをこれまたネイチャー誌に掲載された論文が裏づけになっています。「Rapamycin fed late in life extends lifespan in genetically heterogeneous mice」というタイトルでラパマイシンを与えられたマウスは寿命が延びるとなっています⋯でも、これってしっかりした論文じゃなくて「Letter」への投稿なんで信頼度高いのか、少し疑問を感じます。
スペルミジンとは何だ?
レスベラトロールなんかと比較して、まず一般の方が耳にしたことないだろうな、って思うのが「スペルミジン」です。実は恥ずかしながら私も知りませんでした、このスペルミジン。
調べたところ「細胞の寿命を延ばす効果」があり、哺乳類が歳をとるということ=スペルミジンの低下、と考えることができる論文がありました⋯これまたネイチャー誌に。「Induction of autophagy by spermidine promotes longevity」(Nature Cell Biology 11, 1305 – 1314)。
この研究はハエや線虫にスペルミジンを与えると、寿命が延びる=エイジングケア、という図式の論文になっています。
若がえりと寿命が延びるはイコールなんだろうか?
ここまで書いてきて、アレっと思いました。
寿命が延びる=若がえり=エイジングケア??
という疑問です。寿命が延びる、ということ不老不死が最終ゴールですよねー。不老不死のイメージって仙人の様な姿形のお爺さん・お婆さんが一般的じゃありませんか?
どう見ても若返ってはいませんよね、この場合。エイジングケアって言葉もかなり一般的になっていますけど、日本語に訳すと「抗加齢」であって、これも若がえりではないのでは?線虫やハエの寿命が延びた❗って大騒ぎしたところで、単に成長速度が遅くなっている可能性もあります。
本来ならば今回取り上げた論文が検証した論文全てをチェックする必要があるのですが、最近かなり老眼が進んだ為、時間がある時にポチポチ目を通してみますね。
少なくともある成長時点に達した生物に薬剤を投与することによって、年齢が逆戻りした、って話は寡聞にして知りません。という感じで今回のブログを締めようと思ったら、こんな話があります。
これは成長速度が遅くなったわけでもなく、元に戻る的に若返っています。ネイチャーを詳細に調査するより、このクラゲを調べた方が面白そうなんで、調査したらまた報告させていただきます。
見た目を若返らせるなら⋯当院へご相談くださいませ。笑