女性に警告❗マスカラをつけると、まつ毛が少なくなる??「睫毛貧毛症」の意外な原因。

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睫毛が抜ける、という現象は睫毛のエクステが大きな原因だと今まで解釈していました。そのような状態を「突発性睫毛貧毛症」という聞きなれない病名で厚労省に認可されたのが、睫毛美容液「グラッシュビスタ」と考えていたんですが、実は

マスカラの使用によって睫毛が抜ける

という現象に悩まされている女性が少なからずともいることをある論文によって初めて知りました。

睫毛はマスカラを使う人ほど少なくなる、という医学論文

エクステはその重さ自体に睫毛が耐えきれなくなって抜けてしまいます。マスカラの重量はたかが知れているんで、なぜマスカラによって「睫毛貧毛症」になってしまうのか、女性向けに優しく説明してまいります(私のブログ、なぜか読んでくれるのは殆どオッサンで、女性ファンを獲得するのがスタッフからの至上命令なんです)。

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あまりに長い、というか重い睫毛のエクステを使用すると、睫毛貧毛症というより睫毛がまばらに抜け落ちる、このような状態になります。

マスカラ使用者の19パーセントが睫毛が抜けることに悩まされていた❗

女性の悩み解消に役立つ論文は医学生128人に対してアンケート調査を行って、研究対象としています。タイトルは「Mascara Induced Milphosis, an Etiological Evaluation」(Int J Trichology. 2013 Jul-Sep; 5 (3) : 144–147.)、「マスカラで誘発される睫毛貧毛症の病因」という感じの内容です。その結果、睫毛が少なくなる症状に悩ませられていた学生は19%いて、毎日マスカラをすると、しない人の2倍、睫毛が抜けるという傾向がわかりました。

この論文の筆頭著作者はバングラデシュ出身でインドの大学で研究していますが、対象となった医学生について性別が記されていません。インドの医学生は男性でもマスカラを使用するのかは、調査しても明確なデータを得ることはできませんでした。

なぜ、マスカラをすると睫毛が抜けるのか?

睫毛エクステであまりにも長すぎるエクステはそれなりの重量になりますので、自毛が重さに耐えられなくなり抜け落ちるという理由は理解できます。でも、マスカラなんていくらドッサリ塗っても、重さなんてたいしたことないはずです。この謎をこの論文は明らかにしてくれます。

ウォータープルーフのマスカラを使用すると睫毛が抜けやすい

ということなんです。さらにこのウォータープルーフのマスカラを取り除くために、水を使用している医学生ほど睫毛が抜けやすいのです。

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前述論文より

ここでちょっと医学生の知識不足を感じませんか?ウォータープルーフということは、水に溶けにくい、あるいは水で流れにくいマスカラということです。これを水を使用して、マスカラを落とそうとする、矛盾に気が付かなかったのでしょうか?落ちにくいマスカラを落としにくい水でゴシゴシと擦って除去しようと必要以上の力を加えたことが、睫毛が抜け落ちるで発症する「睫毛貧毛症」の原因であることを。

睫毛美容液の狙い

まつげの美容液というか、少なくなったまつ毛を増やす処方薬「グラッシュビスタ」の副作用についてブログに書いてきました。グラッシュビスタの適応症として「突発性睫毛貧毛症」という聞きなれない病名が記されていて、「そんな症状になる人は滅多にいないから、病名を作って厚労省に承認してもらったんだ」的に悪意をもって解釈していました。要するに、「これはまつ毛の美容液です、でも医薬品が入っているので病名もつけました」という考え方です。この美容液というか薬は副作用がありますのでご注意くださいませ→『「グラッシュビスタ」という、まつげ美容液は効果はあるけど』『「まつげ美容液」の思わぬ副作用、瞼が垂れ下がってしまう❗重大な副作用の報告がありました

しかし、この論文を読む限り、落ちにくい化粧品を使用して、それを無理に取り除こうという行為が気づかぬ間に突然睫毛が減少している原因だったのです。医学用語で「突発性」とネーミングするときは「原因不明」を意味しています。となると、「突発性睫毛貧毛症」という病名を正確に判断して適用する場合、「マスカラはウォータープルーフを使用していますか?」「マスカラを落とす時に水をしようしていますか?」の問いかけをして、「水で落としています」との回答が得られた場合は「突発性」ではなく「必然性睫毛貧毛症」とか「外傷性睫毛貧毛症」と名付けて診断するべきかもしれません⋯多分、このような理屈っぽいことを書くので女性のファンが少ないのですね。涙

睫毛が少なくなったを感じたら、まずはマスカラのチェックを、それがウォータープルーフだったら水ではなく、アイメイク専用のリムーバーと呼ばれるメイク落としがあるので、それをお使いになることをお勧めします。

この論文を見つけて当院スタッフ(ほとんどが女性)にウンチクを語ったところ「院長、そんなの当たり前ですよ❗」と冷たくあしらわれました。やっぱり、私の考え方は女性に受けないようで、涙目になりながらこっそりとブログをアップいたしました。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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