ボトックスの副作用、それほど心配ないけど治療する医師の実力が副作用を招く❗

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そもそもボトックスの働きは神経の伝達を阻止することなんで、副作用が気になりますよね❗

ボトックスは神経の伝達を阻止して「筋肉を縮めなさい」という命令を「縮めません」と拒否することによって、シワを作ろうとする筋肉の動きを止めることにより、シワを解消するのです。簡単に言えば筋肉の動きを止める、過度な筋肉の動きを制限する、神経筋伝達阻害作用を利用しています。当然ボトックスの副作用として筋肉が動かなくなることが予想されます。

ボトックスの副作用は正しく使用していれば怖くない⋯医師さえまともなら

副作用は医師がまともなら問題は起こらないということについて考えていきます。

「ボトックス」は保険で治療できる範囲として眼瞼痙攣・片側顔面痙攣・痙性斜頸・上肢痙縮・下肢痙縮・重度の原発性腋窩多汗症があります。一方、美容目的の「ボトックスビスタ」の適応症は実は65歳未満の成人における眉間の表情皺だけなんです❗

眉間のシワだけにしか厚生労働省は承認していません。ということは、眉間のシワに対しての承認を厚労省はしたけど、他の部位に使用するのは医師の勝手であって、当局は知りませんよ、ということになります。

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ボトックスビスタ®添付文書より

美容目的の治療の場合、この部位だけでは満足な効果は出ないんだけどね。

つまり、美容目的でボトックス(正確にはボトックスビスタ)を使用する場合、医師選びがかなり重要になってきます。もちろん薬ですから副作用も気になりますよね、そこで美容目的に使用されるボトックスビスタの副作用(保険で使用するボトックスと成分は全く同一)について考えてみます。

通常は副作用はそれほど気にしないでいい、ボトックスなんですけどね〜。

ボトックスが一般化する以前は私たちは全責任を医師が取る、という前提で海外から並行輸入してボトックスを入手していました。実際に医療していて感じるのは最近の方がボトックスをシワ治療目的に使用して、失敗というか副作用的な症状で当院に相談にこられる患者さんが増加していることです。美容で使用するボトックスで起こりうる失敗については以前「ボトックスの失敗⋯原因は3つに絞られる❗」で書いてあります。ボトックス自体の副作用より医師の経験と知識が失敗を招いている可能性が大きいのです。

経験の少ない医師がアラガン社の勧めによって、ボトックスビスタを採用して患者さんに不利益を与えているために、ボトックスの失敗は増えていています。。もちろんボトックスビスタの治療を受ける患者さんの絶対数が増えていることが失敗例が増えている一番の要因です。

じゃあ、基本に戻って下手な医師が行うボトックスの失敗ではなく、ボトックス・ボトックスビスタの薬としての副作用をお伝えするとボトックスに大した副作用なんて無いじゃん!という結論に達します。

ボトックスビスタの添付文書によれば副作用として以下の記載があります。

安全解析対象症例595例中、7例(1.2%)に副作用が報告されました。
その内訳は、注射部位疼痛2例(0.34%)、帯状疱疹1例(0.17%)、口の錯感覚1例(0.17%)、筋萎縮1例(0.17%)、ざ瘡1例(0.17%)、アレルギー性皮膚炎1例(0.17%)、湿疹1例(0.17%)でした

https://vst-beauty.jp/botoxvista/

ボトックスビスタの注射部位の疼痛なんてものは、極細針で注射するか、塗る麻酔剤・貼る麻酔剤を使用すれば回避できますので、それでも痛みが後々まで残ったのなら明らかに術者の経験不足、あるいは知識不足が原因ですね。「口の錯感覚」が副作用で挙げられていますが、これどう考えても眉間に注射して起こりうる副作用ではありません。多分、厚生労働省が承認した眉間以外にボトックスビスタを注射したことが大いに予想されます。

その他の副作用は因果関係は無いと考えますが、このような調査の場合「因果関係が無いと言い切れるか?」がポイントになり、「絶対無いとは言い切れない」場合は副作用として報告するルールになっています。これらの副作用を見ると、どう見ても命に関わったり、一生後遺症で悩むような副作用は無い、と考えて間違いありません。

保険が効くボトックスと保険が効かないボトックスの違い、副作用も違います

シワをのばす治療でボトックスが使用されだして、10数年が経過します。本来はボトックスはアラガン社が製造したボツリヌス菌由来の注射薬ですが、「ボトックス=シワの治療」との認識が高いので商品名である「ボトックス」が一般名詞化しています。

「ボトックス」(グラクソスミスクライン)、「ボトックスビスタ」(アラガン)は両者ともに厚生労働省が医薬品として承認はしています。保険外治療の美容治療で使用されるものは「ボトックスビスタ」であり、グラクソスミスクラインのボトックスを美容目的に使用することはルール違反です。保険の効く「ボトックス」は首や目の周辺に注射しますし、量も美容で使用する場合と比較して大量になるので、こんな怖い副作用があります。
「嚥下障害、呼吸障害、重篤な角膜露出、持続性上皮欠損、角膜潰瘍、角膜穿孔など」の一度起こしてしまったら取り返しのつかない副作用が報告されています。

Safety_Alerts_for_Human_Medical_Products___Botox_and_Botox_Cosmetic__Botulinum_toxin_Type_A__and_Myobloc__Botulinum_toxin_Type_B_

これはFDAが出しているボトックスへの注意勧告です

首とかに大量に使用しない限り、アナフィラキシーショックを除いて重篤な副作用はありません。

安全なシワ治療としてのボトックスビスタ⋯医師の腕の差が大きい

どのような薬でも利益と不利益があります。副作用だけに注目すると、大したことのない薬でも使用するのが恐くなってしまう人もいます。大病院だから安心だと思っていると某群馬大学のようなことも起きてしまいます。ボトックスは使用方法と量さえ正しく行えば、怖い治療方法ではありません。結局のところ、ボトックスの副作用を心配するよりは、ボトックスの失敗を心配するべきであり、担当医師選びがボトックス治療のポイントになります。つまり、今はあまり使わなくなった言葉ですが「腕の良い医師」選びが重要ということですね。

◼️ボトックス注射であごの梅干しジワを簡単にすっきりさせる方法。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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