アルゼンチンのフットボールチームのメッシがここになって急にタトゥーマニアになったようで、その動向がネット上を騒がせています。
なにかとお騒がせ選手の多いフットボール界において、最近話題をさらったのはメッシの先輩「マラドーナのおばさん化」、目的・目標が意味不明なスーパースターであるマラドーナと比較すると、物静かなイメージのメッシになにが起きているか気になります。
本記事の内容
タトゥーが急増しているメッシ、なぜタトゥーに凝りだしたのか?
メッシは今では背中・足・腕などにタトゥー(刺青)を入れているのですが、最初は背中に母親の顔をタトゥーとして彫ったのが最初とメディアでは報道されています。タトゥーを入れているとMRIを受けられない、という都市伝説もあり、怪我の恐れが一般人より多いサッカー選手メッシが、なぜタトゥーをつぎつぎと入れているのか、どのような心理状態がタトゥーを彫るという行動に駆り立てているのか、そして今後はどのような展開になるのかをタトゥーに関する医学論文をベースに検討してみました(ってほど大げさなものでは無いです 笑)。
なぜメッシは刺青を入れるのか、その動機についての医学論文を参考に検証
米国の若者がそもそもタトゥーを入れた動機として「個性の強調」「独立心」「人生経験」が主なものとなっていますので、メッシもこれに当てはまるのか検討してみます。「Motivation for Contemporary Tattoo Removal A Shift in Identity」(Arch Dermatol.2008;144 (7) :879-884.)を参考論文としました。内容は入れた刺青を除去する人に関する論文です。
・個性を強調するため
メッシはマラドーナのような個性を発揮して人気を得ている選手ではなく、子供の時の身体的ハンディキャップを克服してスーパースターになったイメージがあり、真面目で実力はあるけど派手さに欠ける(数回ワールドカップをテレビで見ただけですけど⋯)ので個性を強調するためにタトゥーにハマった可能性はありますね。
・独立したとの意識(大人になった証?)
27歳のメッシですから、大人になった証というのは少し変ですが、最初に入れたタトゥーは母親の顔なので、恵まれた環境とはいえない幼少期を過ごしたメッシが母親に対して愛情を込めると共に決別の意味合いを込めた可能性はあります。
・人生経験の為
これはメッシがタトゥーを加速度的に入れだした説明になると考えます。第一子が生まれるとともに、息子の名前と両手のタトゥーを入れています。結婚して子供が生まれて父親の自覚が芽生え、それを心に刻み、片時も忘れない家族愛のためにタトゥーを入れたと解釈できます。
しかし、右腕のキリスト像(冒頭の画像の刺青)までなってくると、信仰心の表現なのか、神頼みなのか若干意味不明になってきます。
アメリカ人の5人に1人がタトゥーを入れている、そして20パーセントが後悔している
民俗学的なタトゥーの歴史としては、他部族との識別・身分の識別などがありますし、兵士がタトゥーを入れているのは個体識別の意味合いもあります。アジア圏では儒教の影響により、体に傷をつけることは教えに反しますので、刺青は刑罰の意味もありました。今ではスポーツ選手や歌手の影響もあり、若者にとってタトゥーは単なるファッション、あるいはちょっと悪ぶった不良系のアイコンとして捉えられています。ハワイの知人(もちろんオッサン)は「とうとう、うちの息子もやっちまったよ〜」と自分の息子が肩にタトゥーを入れたことを嘆いていました(刺青入れて組に入ったという意味ではありません)。
このオシャレタトゥーは米国でも問題になっていて、今では国民の20パーセントがタトゥーを入れていて、差別にうるさい米国でさえも就職上不利になるなどの理由で、20パーセントの人がタトゥーを入れたことを後悔しています(前述論文より)。そのためレーザーを使ってタトゥーを除去する美容外科医は米国ではかなり繁盛しています。筋肉隆々の若い時に入れたタトゥーが年齢と共に肥満することによって、原型を留めない形状となってしまい、オッサンになってからタトゥーの切除を希望する人が増えていると米国の整形外科医が笑いながら言っていました。
メッシは将来は就職のためにタトゥーを切除することはないでしょうけど、肉体が衰えると腕のキリスト像はだらしない形状になる可能があります。足と背中のタトゥーは単色なので、レーザーで切らないで除去が可能です。しかし、腕のキリスト像のタトゥーはレーザーがあまり反応しにくい、ライトブルーが入っているように見受けられますので、その時は切除を検討しなければなりません。
メッシのタトゥーの意味は??その隠されたメッセージは??
当院にも芸術的タトゥーを愛する患者さんがいます。その方は数年に一度デザインを変えてしまう、という当院にとってはお得意様とも言える患者さんです。かなり高額な費用をかけて有名なアーティストにタトゥーを彫ってもらうのですが、心境の変化によってデザインを変えるために、入れた費用の何倍もする金額をレーザーによるタトゥー除去に費やしてくれるのです(毎度、ありがとうございます)。
メッシがタトゥーにハマっている理由として考えられるのは、ブラジル代表のネイマールの影響ではないか、と「サッカーキング」は報じています。スポーツ音痴の私としては突飛な行動で世間を騒がせるマラドーナの影響が強いと勝手に解釈しています。
なんせ、この偉大なレジェンドであるこのオッサン(今ではオバちゃん説あり)は革命家であり永遠の不良のアイコン「チェ・ゲバラ」を入れていますから。