美容外科医が親しい友人だけにする、7つの内緒話「こんな患者さんは困る」❗

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米国の美容外科技術は間違いなく世界一だと思っていました。高い技術力の裏でこんなことを美容外科医達は親しい人にこぼしていたとは⋯日本の美容外科医の方が誠実である(一部の不埒な輩を除いて)、と確信した記事を見つけました。

患者さんの無理難題にほとほと困っている美容外科医⋯米国の場合

7 Secrets Plastic Surgeons Tell Their Friends」というタイトルでredbookというサイトに掲載されています。

患者さんの無理難題にほとほと困っている美容外科医

内容がなるほどね、というものと「そんないい加減な❗」「米国の美容外科医も大したことないじゃん」的なものもあります。7つの内緒話(原題は「7Secrets」)です。

1:Sorry, there’s no good fix for cellulite.
2:Sleep on your back!
3:We (sometimes) think you’re nut.
4:A tummy tuck is major surgery.
5:You can pick boobs out of a catalog.
6:Seriously, enough with the cigarettes and the sun.
7:Liposuction will never be a. substitute for the gym.
前述サイトの小見出しより

というラインナップで構成されています。米国の美容外科医は患者さんに言いたいけど言えない、あるいはこんな患者さんがいたんだよ、と友人に愚痴をこぼしているようです。記事の内容は若者言葉、ネット独特の用語が含まれているので正確な医学系の情報サイトではないとお考えください。順不同に内容を検討してみます。

日本ではセルライトの解消ってそんなに難しくない、一方、米国の肥満問題は程度が程度ですから⋯

1:セルライトに対する効果的な治療方法はないんだけど、という美容外科医の話。欧米、特に米国の肥満の程度っていったらハンパないです。セルライトてんこ盛りのオバさま、お嬢様、オッサンをリゾート地で見かけますよね。セルライトのつき方に関する人種差はあまり研究されていませんが、日本人と比較して、米国人はとにかく食べ過ぎです。そんなセルライトてんこ盛り状態の患者さんに対して「セルライトを解決する手段はありません」と言いたい美容外科医が米国にはいる、ということです。

日本人の場合、手術的な方法をとらないでもスリムスペックというセルライトを分解する美容医療機がありますので(自慢じゃないけど、自慢します⋯これ私が海外で見つけたマシーンです)、セルライトを解消する方法はない、とは言えません。前述サイト内では「侵襲性の高いレーザー云々」と書かれていますが、セルライト治療に関しては日本の方が進んでいるようです。

7:「脂肪吸引はジムの代わりにはならないんだけど」という発言。いくらリスクを犯して脂肪吸引をしても、ジムで運動してダイエットする方法にはかなわない、ということです。こんな発言をしていたら美容外科医自体の存在価値がなくなっちゃいますよ、米国の美容外科医さま。ざっくり豪快な米国では脂肪を見つけりゃ部位に関わらず脂肪吸引をしちゃう傾向があるようで。脂肪吸引といっても効果が現れやすい部分を選択すればいいんです。

リスキーな脂肪吸引とは違った方法でぜい肉を除去する医療機器が当院にもあります。比較的高額な治療費ですから、気になるお腹周りを中心に治療をすれば患者さんのモチベーションも高まり、その後の食生活にも工夫をする傾向があります。脂肪吸引してせっかく余分なぜい肉を取り除いても、痩せたと思って安心して再度どか食いをしてしまう患者さんがきっと米国には多いのでしょうね。

芸能人の写真をもってきて「こんな風にしてください」、日本ではそんな患者さんは今どきいません!

5:これは複雑な米国特有の事情があります。広大な国土の米国ですから、辺鄙な場所は日本では考えらえないくらい時代遅れの地域もあります。昔は有名人の写真を持参して「この人になりたいんです❗」って方が日本でもいました。今は「この芸能人のような目にして欲しいのですけど」的なパーツの要望、あるいは「◯◯っぽい感じで」的な全身をまるっきり変身しようなんてかたは極々一部のマニアを除いていません。もちろん参考になる有名人の写真をお持ちいただけると、美容医療の参考にはなります。米国の美容外科医は

if you bring me a picture of someone with a completely different body type, that won’t be the case.

つまり、似ても似つかないような有名人の写真を持ってきても、そりゃ無理っす❗と嘆いているわけです(原文では豊胸手術について書かれていますから、ちょっとのアレンジはお許しください)。日本で美容やっていて本当に良かった。

辛辣な美容外科医の嘆き、これはいけないよ、米国の医師さん

2:「仰向けに寝ろよ!」ということです。うつ伏せにねると顔のシワが増えるよ、というかなりレベルの低い話をしています。

4:「お腹のシワは取り除くの大変なんだよね」とこれまた米国の複雑な事情⋯極度の肥満の場合、脂肪吸引しても伸びきった皮膚が邪魔になるんで、皮膚自体を切除する手術を加える必要がでてきます。悪く解釈すると軽々しく「お腹のシワを取ってください」って言われても大手術なんだから、ということです。

6:日焼けとタバコは美容の大敵、ということで当然の話。

ここまでで1、2、4、5、6、7の小見出しの解説は終わりにします⋯もっと詳しく知りたい方は前述のリンク先をお読みくださいませ。

大問題は3:「We (sometimes) think you’re nut.」発言です

「nut」はスラングで「バカ」という意味で使われます。

「私たちは時々、あんた達がバカに思えます」

という医師にあるまじき発言です。
・全く必要のない美容外科手術を希望する
・鼻のちょっとした凹みを気にする
・耳の見え方を気にする
患者さんは気になるんだから、相談に来院しているわけで、どのような場合でも「nut」という表現は許されないぞ❗美容だけでなく医療関係者なら。

今回の信頼度は低いサイト(ぼやいている医師の実名は書かれています)を見る限りは、米国の美容外科技術は日本と大差無いし、志の低さにがっかりした次第です。東京オリンピックを5年後にひかえ、日本人医師の技術と「お・も・て・な・し」で、日本の美容整形が世界中の注目を集めることが十分可能だと確信しました❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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