なぜオバさんは突進してくるのか?という現象を医学的・人類学的見地から考察

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あくまで個人的体験と周囲への聞き取り調査の結果、多くの男性は路上や通路でオバさんが突進してくるためにぶつかった、あるいはぶつかりそうになった経験が複数回あることが判明しました。

やたらと直進してくるオバさんの謎

女性目線が足りないとの指摘から、ブログの内容をなるべく女性に支持されるように意識して改善した結果、やっと女性ファン増加傾向にあります。しかし、この「オバさん突進」問題はネットが普及する前に、雑誌等で一世風靡した椎名誠氏命名の「青木まりこ現象」(本屋さんに行くとトイレに行きたくなる現象)と同様に多くの人が経験しているけど、その理由・メカニズムが不明である大問題を抱えた現象と考え、女性ファン(ごくごく少ないけど)の批判を覚悟の上で医学的・人類学的に考察してみます。

当院は90パーセントの職員が女性であり、人間工学の専門家のアドバイスで動線を考えて改装を二年前に行いました。しかし、院長である私に突進してくる、

猪突猛進状態のスタッフと衝突、あるいはニアミスすることが毎日のように起こっています

スタッフを怒らない主義の私もさすがに最近は聞こえるか、聞こえないかレベルで「危ないなぁ」とこっそりつぶやいています。オバさんがなぜ突進してくるのか?という謎が解ければ対応もできますし、人間工学の大家にもアドバイスできると考え、女性ファン(かなり少ない)及び当院スタッフ(オバさんと記したことにより、自分のことではないと判断する人多いかな?)の冷たい視線を浴びる覚悟で考察をお伝えします。

本能として備わったパーソナルスペース、縄張り意識がオバさんを突進させる

バーゲンセールで女性が目的の物をゲットするために、突進する姿をテレビなどで見かけます。だから直進するんだ、なんて陳腐な考察はいたしません。まず、女性を生物学的・人類学的に考えとき、男性とあきらかに違っているのが「縄張り意識」です。この縄張り・パーソナルスペースの違いは女性は狭い空間で友好的になり、男性は攻撃的になるとされています。

多分、太古の昔、男性は外に狩りに行っている間、女性は洞窟などの狭い空間で家族・親族と焚き火を囲みながら、木の実を剥いたり、衣服を縫ったりしていたと考えらえますので、狭い空間だと仲良くしないといけないことが遺伝子に組み込まれている可能性があります。

本能的に人と人の距離感を取らないと安心できない男性と比較して、他人との物理的な距離を縮めているのではないでしょうか、つまり人がいると近寄りたくなる、安心する、ということです。

このメカニズムによって女性は直進してぶつかりそうになっても、避けることより距離感を縮めることを優先する、という考え方です。これかなり批判を受けそうな強引な考え方と少し反省。

空間認識が得意じゃないので、突進してぶつかる

女性が地図を読むことが不得意である、というのは幾つかの本も出版されていますし、世間一般に言われていることですよね。地図を読むことが不得意である原因として「空間認識」が挙げらえています。

A地点からB地点への移動を地図上では理解できても、実際に歩いたり、車を運転してもそこは3次元の世界。立体空間に置ける自己の位置と目標となるゴールへたどり着くには2次元のものを3次元に脳内で組み直さないといけませんし、目から入ってくる情報は3次元ですから、2次元の地図と合体させる能力が男性と比較して劣るという考え方(言い訳がましいですけど、これは私が言ったことではありません)があります。

患者さんの初診アンケートを診察室に届ける、という2次元のルート上に、検査のために移動する私(当然3次元)が情報として入ってくることは最初から認識外なので、突進してきて3次元の私にぶつかりそうになる、という理論です。私がオバさんスタッフ、女性スタッフに前もって1次元のドットとして彼女たちの脳内のルート上にポイントされていれば、衝突することはないのかもしれません。この考え方は女性の方が交通事故を起こしやす、と言っている様にも捉えられる可能性がある、ので反省しつつ、正解に近いかなとも思える理論です。

性差による機敏性が原因で、障害物を避けることができない

これは文部科学省が公表しているデータです。俊敏性・敏捷性をみる検査として反復横跳びがあります。この能力はある年齢から低下傾向を示します。

「平成19年度体力・運動能力調査」の概要_2_調査結果の概要_1_年齢と体力・運動能力-文部科学省
平成19年度の体力・運動能力に関する調査結果の概要より

このグラフを見ると、男性と比較して女性は敏捷性が低いことがわかります。A地点からB地点への移動中のオバさんが、正面あるいは横から出てきた移動物体(当院の場合、私)を認識した時に瞬時に避けることができない可能性があります。

この理論の場合、オバさん女性スタッフを避けるのは当然、男性である私でなければなりません。女性が悪いわけではなく、身体能力が上回る男性が避けるのが義務なのです❗(少しでも女性ファンを取り戻そうと必死)

これは「オバさんは突進する」という現象を強く説明できる理論ではないでしょうか?グラフからするとオッサンも年齢と共に突進傾向があるはずなので、とのツッコミに対しては、前述の二つの理論を無理やり因子として加えると男性より女性の方が突進してくることが多いことが説明できそうです。

突進してくるオバさんへの対処法

歩道を歩いていて、自転車にお乗りのオバさんと衝突しそうになった経験が多数回あります。右あるいは左に避けようとして相手も同じ方向に避けようとして、という場面を目撃あるいは体験した方も多いかと思われます。が、このような状況は対オバさんの場合は少ないのです(あくまで主観と体験によるものです)。

自転車に乗ったオバさんの場合は90パーセント以上の確率(なんの裏付けデータありません)で直進してきます。日焼け防止の広〜いひさし付き帽子、大き目のサングラス(夕方でも)といった格好のオバさんを見たら、その方は直進するものと予測して、こちらが速やかに左右に移動するべきです。

自転車のオバさんに遭遇したら、決して立ち止まってはいけません

自転車に乗ったオバさんがブレーキをかけることに期待してはいけません(俊敏性が落ちている⋯文部科学省の見解)。運悪くぶつかってしまった場合(自転車に轢かれた場合という表現もあります)、必ず言われます⋯

「何、ボオーッと突っ立てんのよ❗」

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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