「1日1食」っていうのがブームになっています。確かに今の時代は飽食っていうか、余計なものを食べ過ぎるいるのは間違いありません。世界中では餓えに苦しんでいる国がある一方、先進国は明らかに超肥満を招くくらい食べ過ぎです。餓えで苦しんでいる国でも独裁者は肥満、なんてこともあるので今回は日本に限っての話とします。
本記事の内容
粗食で健康になって長生き⁉は難しいんじゃないの❗
断食・ファスティング・プチ断食も流行っていますが、1日一食でその一食が「ガツン」とくるものなら生活に必要なカロリーや栄養素は摂れるのでそれほど問題ないと考えています(断食系の元祖甲田光雄先生の著作は結構面白いのですが、甲田先生の分派・弟子系の著作は信頼度低いのでご注意ください)。
というのも実は私は1日一食主義というか、1日に一回しかしっかりした食事をとらない生活がここ10年以上続いています。理由として毎晩深酒のために、翌朝は当然二日酔いで食欲ありません。昼間は食べると眠くなるし、書類整理、手術などで食べる暇がないのです。ほとんど飲酒をしなくなったのがここ数年ですが、生活パターンは変えにくい為に、今でも朝はまず食べることはありません。
断食なんだか、少食なんだか知りませけど世の中には「青汁だけで生命を維持している」と主張される珍しい方もいらっしゃいますが(関連エントリー)、これは特殊というより、たぶんイン○キだと予想しています。
粗食ってこの飽食の時代に魅力的に感じます。
でも、ホントウに「粗食で長生き」「粗食で健康」って可能なんでしょうか?そもそもさあ的な話をしていきます。
粗食って具体的になにを指すんでしょうか?
粗食の定義をおこなわないと話はすすみません。粗食が意味すると思われるのが以下のようなもの。
- カロリーが低い
- バラエティに富んでいない
- 豪華ではない
- 手がこんでいない
確かにカロリーオーバーは不健康に肥満(BMIで言えば30越えちゃうくらい)してしまいます。一方で健康で長生きの方は厚生労働省が定めた肥満基準の25を越えた人に多いってことを多くの方はご存知でしょう。
つまり、瘦せ過ぎの方が短命ということになります。粗食でもカロリー制限でも断食でも遣り過ぎて、ガリガリに瘦せてしまうのは決して長寿への道ではありません。
忙しい毎日を過ごしている食事を用意する男女が手が込んだ手料理を毎日つくるのはほとんど不可能ですし、そうそう毎日献立に変化を持たせることも現実的ではないでしょうね。となる「粗食」ってカロリーが低い食事として捉えることが現実的です。
粗食、つまり低カロリーでは長生きはできません❗
そもその日本人は年々摂取カロリーは減少しているんです。
表が見にくいので抜き書きすると 1975年2188 、2000年1948 、2005年1904、 2010年1849、となっていて年々総カロリーは減少しています。長寿傾向とカロリーの摂取の減少は一致しているように一瞬思ってしまいます。
日本人は長生きだって言われていますけど、実際は2011年は男性の場合は世界第4位から8位に転落していますし、女性も香港に負けて第一位から転落しています。鋭い人は東日本大震災があったことが影響していると指摘すると思われます(厚生労働省の試算だとその影響を考えても長寿は香港には適わないそうです)こんなに低カロリー食を心がけている健気な日本人ですから、メタボ、メタボってあまり騒がないでいただきたいと思います、厚生労働省さま。
特に目の敵にしている、オッサンの大好物「脂もん」は日本人は全カロリーの28%前後を占めています。一方の香港の人は全カロリーの38.8%も動物性脂肪が占めていると日本応用老年学会理事長の柴田博さんは著作「なにをどれだけ食べたらよいか。」(ゴルフダイジェスト社発行)で述べています。
話がかなり飛びますけど、そういえば粗食の本を書いている幕内秀夫さんって人がいるんですけど、私は恥ずかしながら日赤医療センター院長の幕内雅敏先生と同一人物と今まで思っていました。「あああ、幕内さんもこんな本書いちゃったのね」的に早合点して、本を手にすることさえしませんでした。前述の非医療関係者の幕内氏が糖質制限ダイエットに批判的な本を書かれていたので、氏の本を購入して判明した次第で⋯。この料理評論家の幕内さんの主張は「もともとの日本食は健康食である」はいいのですけども、途中から、ちょっとあっち方面へ脱線して「マクロビオティック」に行ってしまったのは残念です。
しかし、料理評論家の幕内さんがおっしゃる伝統的な日本食って、昔の人はそんな豪華な食事していないんじゃないですか??
実は日本の伝統食と言われているもののほとんどは、江戸時代に庶民が食べていたものとはほど遠い豪華なものなのです。大正から昭和にかけて健康ブームが起こり、また電気・ガスが普及することにより、主婦の負担が減った為に今で言うところの「和食」が庶民の口に入るようになったんですよ。ホントウの粗食というか、日本の伝統食は米とミソ、そして少しの漬け物です。これを二食で済ましていました。
粗食より、おばあちゃんの知恵的に広く浅く色んなものを食べた方がいいです
中国製の食品は論外ですが、国産の食品でも農薬や化学肥料、添加物を執拗に攻撃している一派がいます。近所のスーパーに言っても「無農薬」「無添加」などのポップが飛び交っています。
そもそも食の安全と言う観点からいうと、いくら業者が「無農薬」「無添加」といってわかったものではありません。生産業者・販売業者の言っていることを信じるしかないのです。それがいやなら自分で畑を耕し⋯なんて幼稚な喩えはしません。外食でもそうです、高級であれファストフードであれ、販売業者のいっていることを信じるしかありません。となると
食におけるリスクの分散ということを考えた場合、多品目を食べてリスクを分散しよう❗
ということも出来ます。ある偏った食品に対して思い入れがあり、そればっかり食べてしまうことを「フードファディズム」と呼びます(関連エントリー)。
昔っからおばあちゃんの知恵的に言われているように、色とりどりの季節季節の食べ物を少しずつ食べる、これが健康で長生きの秘訣なんじゃないでしょうか?昔の食事は今ほどバラエティにとんだ食材を用意することは一般家庭では難しかった中でのおばあちゃんの知恵です。