新型コロナ感染予防のために、空間除菌グッズが注目されています。医師や科学者のほとんどは、効果なしと判断してます。しかし、空間除菌グッズがいまだに人気を集めています。
二酸化塩素系の空間除菌グッズの効果と毒性について検証してみました。
本記事の内容
オバサマは二酸化塩素の性質をご存知なのでしょうか?
新型コロナ対策として、コストコで購入したウイルス除去効果があるらしい置型のグッズに関して
「コストコ購入の置き型ウイルス除去・除菌・消臭剤は予想以上によかった!」
と記事にしているオバサマがいます(http://costcolover.blog.jp/archives/22844315.html)。
この方がコストコで購入したものはこれです。
成分は二酸化塩素酸塩です⋯うわっ、例のクレベリンと同じ二酸化塩素系じゃん。さらに製造している会社のサイトには
濃度 15,000ppmにパワーアップ❗
http://sakampow.com/information/health-enhancement/grocery/new-gel.html
と凄いことが書かれています。
私はクレベリンに関しては以前このようなブログ記事を書いています。
ウイルス、特に新型コロナに対して感染予防効果に関しては現時点の科学的思考や科学的実験によって否定されているはず。
二酸化塩素酸塩が空間除菌効果を出すためには空気中に拡散する必要があると考えると、二酸化塩素が空間に拡散されることになりますよね。
コストコで置き型ウイルス除去・除菌・消臭剤を買って喜んでいるオバサマは二酸化塩素が化学式だとClO2と表し、毒ガスとして第一次世界大戦で使用された塩素ガスより毒性が高い可能性があることとご存知なんでしょうか?
※空間を漂うウイルスを不活化させるかについてお話です。二酸化塩素がウイルスを不活化することを否定しているわけではないことをご理解ください。
二酸化塩素が漏れ出て環境汚染・大気汚染で重症者がでた事故があります
「国立研究開発法人産業技術総合研究所 安全科学研究部門 爆発利用・産業保安研究グループ」という物々しい名前がついた組織があり、「リレーショナル化学災害データベース」を運営しています。
ここサイトの事例検索に「二酸化塩素」と記入して検索をポチり。
「製紙工場で破損したパイプから二酸化塩素が漏洩」が事故事例として現れます。そしてこのような事故概要が書かれています。
製紙工場で破損したパイプから二酸化塩素の漏洩が起きた。同工場3階のパイプが破損した付近や,5階の中央制御室にいた従業員が喉の痛みや咳,涙が出るなどの症状で病院に搬送され,1名が重症,13名が軽症となった。
のんきなコストコで置き型の除菌・消臭ジェルを購入したオバサマはこんな感じで使用しているようです。
これって下手すりゃ、オフィスに毒ガスかもしれない二酸化塩素をバラ撒いているような気がしちゃったのは私だけかな?
オバサマの記事には
ほんとに、塩素臭がしないのがすごくいいです。¥1,398でした。
と書かれていますので、少なくとも毒性のある塩素の拡散はなさそうです。残念ながら、効果も無いでしょうけど。
ウイルスを不活化させる効果があるなら、人間も不活化?
まあ、このニオワない程度の量の二酸化塩素程度なら毒ガスってことにはならないとは思います。でも、よーく考えて、よーく調べてから二酸化塩素系のグッズはご使用なったほうがよろしいのではないかな?
国民生活センターはこのような資料を公開しています。
ここではこのような事例が報告されています。
さらに塩素系ガスがどのように放散されるかを実験していて、このような結果になっています。
ジェル状の二酸化塩素系空間除菌グッズは周囲に毒ガスを撒き散らすと評価されるほどは拡散していないので、ちょっと一安心しました。
受験生がいるご家庭で二酸化塩素系空間除菌グッズを使用している疑うことを知らないオバサマ
この方は以前から除菌グッズマニアだったようです。
3年ほど前からインフルエンザの時期にこういった卓上タイプの除菌剤をよく使っています。娘の受験がきっかけでした。
「受験生が風邪をひいたら大変」との親心を刺激して、たぶんウイルスを不活化させる効果は期待できない除菌剤を売りつけてしまう業者はかなり問題だと思います。
余計なお世話でしょうけど、娘さんが大学受験であり、理系志望だったらその後、無事に合格されたのかが気になります。高校の化学ではたしか塩化水素とか次亜塩素酸については学ぶはずです。塩素の振る舞いについて十分理解していたら、お母様が購入した空間除菌グッズに対してなんらかの反応を示したはずなんだけどね。
コストコはかなり力を入れて、オバサマ購入の二酸化塩素系置型ウイルス除去・除菌・消臭剤を販売している模様
コストコを愛してやまないオバサマが強烈にアピールしている二酸化塩素系置型ウイルス除去グッズ。名称で検索したら驚きました。多くの方がコストコでこの効果があるのか不明の空間除菌グッズを購入しているのです。
コストコで阪本漢法製薬の『newウイクリアGEL (亜塩素酸塩ゲル) 』を買ってみました! ( https://katemita.com/2020/02/12/costco-4987076855603-22213-sakampow-new-vi-clear-gel-inhibits-virus-and-bacteria/)
母がコストコ店員に勧められて爆買いしたモノ (https://ameblo.jp/knhrrkfam/entry-12583179145.html)
などなど。
どれもこれも、新型コロナの流行拡散がメディアで派手に報道されだした2020年2月以降の記事です。たぶん、コストコとしては強力にオススメするグッズだったのでしょうね(このころは既に例のクレベリンは品薄状態でした)。
二酸化塩素系空間除菌グッズの問題点はただ一つ。販売する側も購入する側も悪意があるわけでは無く、どうにかして新型コロナに感染したくない、感染させたくない、という善意からオススメしたり爆買したりしていたことです。
仕事熱心な店員さんが、疑うことをしらないお客さんに、ウイルスを不活化させる効果があったら人体にも有害な可能性のある二酸化塩素系空間除菌グッズを売ったり買ったりしていることなんです。
製造している会社は知っていると思いますぜ〜❗日本二酸化塩素工業会という団体がこのような表をウェブサイトに掲載しているのですから。
http://chlorinedioxide.or.jp/clo2より
健康に悪影響がないと考えられている基準は0.1ppm以下。
前掲の国民生活センターの検証によると、明らかに0.1ppmを上回っている商品もあります。ウイルスに効果があると考えられている濃度はクレベリンを販売している会社によれば1ppm。
大幸薬品 ウイルス検証データ https://www.seirogan.co.jp/medical/data/clo2_02.html より
※注意:これは水溶液を使った実験であって空間で試したものではありません。
医師や科学者の殆どは二酸化塩素空間除菌グッズに関しては次のように考えています。
長期間低濃度雰囲気での曝露に関する安全性の検証(毒性試験)は不安定で反応性の高いガスであるため,塩素ガスより毒性が高いとされて,世界的にみても安全性は確立されていません。曝露限界に関する基準も存在しません。医事新報「市販の二酸化塩素製剤の殺菌効果と人体への安全性は?」https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=12279
ウイルスを不活化する効果がある濃度だとしたら、その濃度では人体にとっても有害なんじゃないのかなあ⋯。