食べ物はもちろん、化粧品に至るまでオーガニックという魅力的な言葉が氾濫しています。
オーガニックという言葉からイメージされるものは「自然」「健康に良い」「化学薬品が添加されていない」って感じですね。ひょっとして「オーガニック・クリニック」なんてものがあるのでは、とググりましたがさすがにそれはありませんでした。
肉食系で意味なくベジタリアンに対して反感を持っているオッサンの1人として、オーガニックという言葉について少々搦んでみます。
オーガニックの定義っていうか意味
化粧品でもオーガニックと称するものがあります。
まずはオーガニックとはなんぞや、定義から調べてみました。
オーガニックは有機栽培という意味
であることは知っているけど、深ーく考えてみると肥料として有機物を使用していて、バリバリの化学薬品である農薬を使用した場合も、オーガニックであることは間違いありません。つまり
オーガニック=無農薬ではない
という重要なポイントを混乱している人って多数なんじゃないでしょうか?
野菜や果物であれ、オーガニックかつ無農薬であることを期待して購入しても、実際は肥料はオーガニックだけど、農薬は使いました、という生産物が出回っている可能性が大です。そこで農林水産省は平成19年に「有機農業の推進に関する基本的な方針」などの決めごとを作っています。その内容はかなり難しいので各自目を通していた炊ければと思います。要するに認定された事業者のみが有機JASマークを貼ることができる、ということです。
このマークが付いていることがオーガニック、つまり有機JAS規格を満たす農産物であることの証明なんです(日本においては)。
オーガニック化粧品ってホントにオーガニック
日本の有機農業の基準って実はあまあまゆるゆるである、という内容を何処かで読んだ気がします。でも、現在では有機JASマークが付された有機農産物は「organic」と表示してEUへ輸出することが可能になっているんで、日本の有機生産物で農林水産省のお墨付きのものは、一先ず世界基準をクリア、と考ていいようです。でも、化粧品がオーガニック、オーガニックを強く主張している日本の化粧品業界に対しては違和感を覚えてしまうのです。
だって、「オーガニック」=「自然派」というムードで売られている化粧品の成分表をよくよくみてみると、「全然オーガニックじゃないじゃん❗」というものが溢れかえっています。オーガニック、自然派化粧品と名うっていても、ほとんどはアルコールや合成の界面活性剤が入っていたりしています。
ヨーロッパ諸国は化粧品であっても「オーガニック」という言葉を使用するにあたって厳格な条件・規制があります。ざっくり日本のオーガニック化粧品のサイトを見てみると基本スタンスは
植物由来の原料を使っていりゃ、ほとんどオーガニック
という状態なんです、実は(もちろん本当にオーガニックと呼べる条件の化粧品もあるかもしれませんけど、少なくとも私の拙い調査力では見つけられませんでした)。カネボウの白斑事件を引き起こしたような、合成された化学成分を主成分にしないで、オーガニックの条件で作られたか不明の植物由来成分が入っているものを日本では「オーガニック化粧品」って呼んでいると思われます。漆を主成分にした化粧水でも、自然派でオーガニックな化粧品って売り方も可能なんです(こんな表現を使うから私は女性目線が足りない、って指摘されちゃうんですね 涙)。
さすがにこりゃマズいだろ❗オーガニックがイメージ商品になる⋯
オーガニックなオイスターバーって言うのがあります。これはどう考えても変じゃないのかな??
http://www.fashion-press.net/より
コンセプトは、安全な牡蠣を提供することと欧米のオイスターバー文化を日本流にアレンジし、日本の食文化を世界へ発信すること。世界で初めて海洋深層水を利用した「オーガニック リファインド オイスター (Organic Refined Oyster) 」を、日本らしいメニューや和食器で楽しむことができる。
となっていますけど、水産物にオーガニックってあるんですか?
有機JASって水産物は管理外ですので、行政が考える「有機」の範疇にはこのオイスターバーのカキは含まれていないはずです。となると「有機、有機」「オーガニック、オーガニック」と連呼しても違法ではないし、規則破りでも無いわけです。
カキ好きのオッサンも「このカキってオーガニックなんだよね、やっぱり違うよね〜」なんて女子の前で蘊蓄を披露すると大恥をかきますのでご注意ください。⋯・でも、水産物のくせにオーガニックって変だよね、と蘊蓄をたれている私も同じか❗