女性目線が足りないとのご批判を受けている私は最近は女性が気になる健康関連話を取り上げるべく、キャラ変を試みています。
女性が一番関心があると思われる「ダイエット」について新しい情報をお届けします(っていきなり女性はダイエット・痩身・肥満に関心が強いと思い込んでいる点が私に女性視線が足りないことなのかもです 笑)。
リンゴダイエットって一昔はやったような気がするけど
今は無き「おもいっきり テレビ」でリンゴダイエットっていうものを取り上げて大ブームになったことがあります。リンゴは栄養もあるしある程度のカロリーも摂取出来るので体に良いのは間違いないしょう(関連エントリー リンゴのダイエット効果とエイジングケア)。果物のくせに寒冷地でも栽培が可能ですので、海外でもリンゴは体に良い食べものとされています。そのリンゴを使ってダイエットしよう❗と言うのが「リンゴダイエット」でした(過去形)が、今時「私、リンゴダイエットしているの」って人はあまり見かけないようです。
リンゴって皮付きのまま丸かじりもできますし、ジュースにもしやすいし、最近は見かけなくなりましたが、皮を細工してウサギさんにしてお弁当に入れちゃうってのもありました(夏場は臭くて、色が茶色くなって嫌だった記憶有り)。子供にも大人にも愛されるリンゴでダイエット出来ちゃうって話はあくまでブームに過ぎなかったと思っていました。
そんなところに「リンゴでダイエットできちゃいます」「リンゴは肥満解消にと密接な関連があります」っていう話が再燃しています。
論文にしては可愛い絵が挿入されているんで、引用しました。
リンゴは青リンゴに限ります、それも「グラニー・スミス」
健康番組のデータ改ざん的なあまりにも適当で無責任なことが問題になりましたが、相変わらずテレビでは健康系の話題が人気を集めています(関連エン トリー「金スマ」のガン治療否定派の近藤誠センセイに対する疑問)。
多分、間違いなく近いうちに「青リンゴダイエット」を大々的に健康系テレビ番組が取り上げて、スーパーからリンゴが消え去ると言う状況が発生することを予想します(このような物言いが女性から嫌われる可能性大)。
今回、リンゴが肥満解消を強くサポートするって論文はこんな感じのもので、かなり理論的な構成となっています。元の論文は「Assessing non-digestible compounds in apple cultivars and their potential as modulators of obese faecal microbiota in vitro.」(Food Chem. 2014 Oct 15;161:208-15. doi: 10.1016/j.foodchem.2014.03.122.)というタイトルで理系のうるさいオッサンは最後の単語は見なかったことにしてくださいね、
この論文によると
青リンゴ、とくに「グラニー・スミス」という品種が肥満解消に有効であった
◎肥満解消に日本が誇るリンゴの品種「フジ」や「ゴールデンデリシャス」もある程度有効だった
◎リンゴの肥満解消効果は腸内細菌叢の善玉菌を増やす作用による
というかなり判りやすい内容で、お腹のバランスを整えると肥満が解消しますよ、という理論です。
このリンゴ、特に青リンゴのダイエット効果は食物繊維やポリフェノールの効果によると考えられます。
リンゴで即瘦せると考えてはダメ、これはあくまで試験管レベルの結果ですから
ここで理系のオッサンが気になっているであろう謎の言葉「in vitro」について簡単に解説しておきます(理系の女子は読み飛ばしてください)。試験管レベルでの実験を「in vitro」とよび、実際に人間の体に対しての影響・結果を調べる実験を「in vivo」と呼びます⋯イン・ビトロはラテン語で「ガラスの中」、イン・ビボは「生体内」という意味です(実際は研究の種類によって微妙解釈は違ってきます)。
今回の論文は肥満したマウスを使ってリンゴ各種を餌として与えて、便を調べたところ瘦せているマウスと腸内細菌の種類の割合が青リンゴの「グラニー・スミス」を食べていたマウスのものが似通っていた為に、
青リンゴで肥満を解消出来る可能性が❗
と解釈するのはチョイと問題ありです。このように動物を使用した実験は確かに「生体内」で起こる現象を観察したものですが、人の手が加わっていない環境での実験の結果ですから「in vitro」となってしまいます。
実際にボランティアの協力を求めて比較対象試験をすれば、本当に青リンゴがダイエット効果があるのか、無いのかが明確になります。しかし、こんな場合に必ず起こってしまう悲しい結果としてマウスに与えたリンゴの量を人間の体重に合わせてしまうと、莫大な量になってしまい完璧カロリーオーバーになる❗なんてことが火を見るより明かなんです。
小腹が空いた時にお助けフードとして、リンゴをカジルことは正しい選択だと考えます。でも、「グラニー・スミス」って皆さん、見たことありますか??
オーストラリアで”スミスおばあちゃん”によって発見された青りんご
グラニースミスはオーストラリアで1868年にマリア・アン・スミスによって発見された偶発実生とされています。クラブアップルの一種(Malus sylvestris)に地元の栽培種(Malus domestica)の花粉が交雑して生まれたと考えられているそうです。このマリア・アン・スミスという女性はその地域でみんなから”グラニー・スミス=スミスおばあちゃん”と呼ばれていたそうです。そこからこのリンゴがそう呼ばれるようになったのだそうです。実在した女性の愛称だったんですね。
彼女はこのリンゴを発見した2年後に亡くなっていますが、その後この木は受け継がれ徐々に広まり、1935年にはイギリスへ、そして1972年にはアメリカでも栽培されるようになりました。それ以来、今日に至るまで欧米では最もポピュラーな青りんごとして親しまれています。ビートルズの「アップルレコード」に使われていることでも知られています。
たしかに有名なりんごでした⋯