私の世代は米国のアポロ計画の月面着陸をリアルに見ているので、宇宙への憧れは今の若い世代に比べて強い傾向があるのではないでしょうか?
深夜に映画「アポロ13号」をコソコソ見たり、「ディスカバリーチャンネル」を見ながら宇宙の不思議を探求しているオッサンも多いことだと思われます。
本記事の内容
宇宙飛行士は慢性的に睡眠不足らしい
今では宇宙ステーションも実現して長期の宇宙空間の滞在も可能になりました。ところで不思議なのが宇宙飛行士の体内時計ってどのようになっているのか疑問を感じていました。日内変動を維持するには「お天道様と共に起床して、お天道様が沈んだら寝ましょう」が健康維持には必須事項だと思っていました。やはり、宇宙での生活は睡眠障害を引き起こす為になんと宇宙飛行士の4分の3が睡眠薬を使用してたという報告がありました。睡眠薬や睡眠導入剤ってあまり服用したくない、とおっしゃる患者さんも多いのですが今後そんな方に「宇宙飛行士だって睡眠薬飲んでいますよ」という説得が功を成すのでは、と早速論文を読んでみました。
緊急事態が発生したらどうすんだ?という取り上げ方もされていますけど⋯
この論文の研究の対象はスペースシャトルに乗っていた64人(滞在日数4,173日)と国際宇宙ステーション (ISS) に登場した21人(4,152日)で、この人たちの睡眠時間に関するデータを分析しました。その結果スペースシャトル搭乗者の睡眠時間は5.96時間、ISS搭乗者が6.09時間となっていました。
この睡眠時間は働く人としては極端に短いわけではないのですが、米航空宇宙局(NASA) は鵜チュ飛行士の睡眠時間として8.5時間が推奨されていたので今回のこの論文に対するメディアの報道は宇宙飛行士は慢性的に睡眠不足って取り上げられ方をされたのだと考えています。
そしてスペースシャトル搭乗者の78%およびISS搭乗者の75%が睡眠薬を服用と続きます。睡眠薬の副作用として起床時に頭がぼうーっとするとか、睡眠中に起こされると「健忘症」的な症状を引き起こすので、これでいいのか的な取り上げられ方をされています。
打ち上げ前も睡眠不足?
この論文は宇宙空間以外、つまり打ち上げ前の睡眠時間についても研究対象としています。スペースシャトルの乗組員の打ち上げ3ヶ月前の平均睡眠時間は6.29時間、地球に戻ってきてからの平均睡眠時間は5.96時間。ISSの乗組員の打ち上げ前3ヶ月前の平均睡眠時間は6.41時間、地球に戻ってきてからの平均睡眠時間は6.95時間となっています。
宇宙で睡眠のパターンが乱され、宇宙空間で睡眠不足に陥っていて睡眠薬を常用した、という理論は打ち上げ前の睡眠時間が少ないことでも否定されるような気がするんですけど⋯。
宇宙飛行士は単に緊張しているから睡眠不足になって睡眠薬を服用してるんじゃないの?
この論文に対しての意見として「重力不足が睡眠障害に関連しているのでは?」という意見がでています。また、睡眠薬を使用していて、万が一、緊急事態が発生した時に睡眠薬・睡眠導入剤の影響で正しい行動や適切な判断が出来なくなる可能性があり、大問題なんではないか、という意見も有るようです⋯あるスペースシャトルでは搭乗者全員が同じ時に睡眠薬を使用していたこともありましたので。
でもさあ、宇宙に行く前も睡眠不足だし、帰還後も睡眠不足って結果が出ているんだから、宇宙の微小重力の問題とか日照時間の問題とかではなく、
NASAが睡眠時間を8.5時間と指定している
こと自体が問題なのではないのかな?誰でも楽しい旅行前はワクワクしてなかなか眠れなかった経験があるでしょうし、修学旅行などのスペシャルイベントでも友達と深夜まで語り合って翌日寝不足って事態を経験していると思うんです。さらにお父さん、お母さんに「早く寝なさい❗」って言われてもそうそう簡単に眠りにつけるワケじゃないですし。
NASAが「8.5時間眠りなさい❗」って言っているから、はしゃいで眠れない宇宙飛行士の皆さんがヤバいと思って強制的に睡眠を取ろうと睡眠薬を飲んだ気がしないでもないのでは、と感じたのは私だけでしょうか?宇宙飛行士の皆さんってお勉強もできて、体力も優れている超人と捉えていた私的には
宇宙飛行士も一般人並みにはしゃいだり、宇宙旅行を楽しんじゃうんだ
と今回取り上げた論文を好意的に解釈しました〜。万が一、緊急事態が発生しても地上勤務のスタッフが上手い具合いにコントロールしながら指示すれば、宇宙飛行士の安全は確保できることは「アポロ13号」をご覧になれば納得できます。睡眠不足のことを心配して、睡眠薬の悪影響を検討するなら地上勤務員の実態も調べないとね❗