ブラジルでデング熱を拡散する蚊を退治する「良い蚊」が実用化されたってBBCでやっています。
このおじさんが放つ「良い蚊」がデング熱を媒介する蚊を退治してくれる、ということです。
本記事の内容
デング熱予防ワクチンより早期にデビューした「良い蚊」??
このデング熱をまき散らす蚊を退治する理論は
1:ボルバキア( (Wolbachia pipientis)というデング熱ウイルスの作用を抑える効果をもった細菌を蚊に感染させる
2:ボルバキアに感染したオスとデングウイルスに感染したメスが交配しても、卵は成長しない
3:ボルバキアに感染したメスは卵を産んでも、ボルバキアに卵が感染している為に、最終的には全ての蚊がボルバキアに感染する
ということになり、将来にはデング熱ウイルスに感染した蚊を根絶させることが可能となります。
これがボルバキアです(http://getrealscience.com/より)
デング熱関連エントリー 「デング熱は二回目の感染が危ない」
「デング熱の予防ワクチン」
「デング熱の感染経路」
毒をもって毒を制するわけじゃないんです⋯天敵農薬
生物農薬ってご存知ですか?名前からすると生物を原料として農薬をつくるのかなあ?なんて感じます。この生物農薬っていうのは化学的に合成された農薬(多くのネガティブな印象をもたれている)が残留農薬の問題などを解決する為の方法で数種類あります。中でも天敵農薬は農作物に対する害虫を餌として生きている昆虫類をハウス栽培の中に放って、化学薬品に汚染されていないおいしい野菜や果物を作る為に使用されています。
一時期アブラムシを食べるナミテントウが天敵農薬としてテレビなどで放送されていました。しかし、ハウス栽培のテントから逃げ出して、効果があまりなかったなんて話もありました。そこで理系農業系のオジさん達はてんとう虫の羽を折るなどの改良?を加えて使用することを考えましたけど、あまりに手間がかかって今では上記のように製品化された天敵農薬が使用されています。
もちろんマッドサイエンティスト的に評価される理系の研究熱心なオッサンの手に掛かれば遺伝子を組み換えて飛べないテントウ虫を作るのなんて簡単なんです⋯でも、その遺伝子組み換えテントウ虫が栽培ハウスから逃げ出したら、生態系を変えてしまいかねないので、交配を繰り返して飛べないテントウ虫を作っています。
遺伝子操作をしたことには違いないのですが、「品種改良」と言う名の下に農業系の人って太古から結構アグレッシブですから。
いくらデング熱を制する為でも遺伝子組み替えの「良い蚊」だと怖い❗
今回、ブラジルでデング熱感染の予防の為に使用された「良い蚊」はデング熱を抑える作用を持つバクテリアに感染させただけで遺伝子を組み換えたり、人工的に交配をさせたものではありません。でも、必ずこのような対策方法にケチを付ける人って多いんだなあ、とくに陰謀論者。
遺伝子を組み替えたと言うだけで拒否反応を起こす人が多いと思います。もちろん遺伝子を組み替えた動物を勝手に作ることはどの国でも禁じられていますけど、薬の開発に使用するマウスは個体差がないように遺伝子を揃えた由緒正しい血統をもつマウス様を使用しますし、ある遺伝子を化学的操作によって発現できないようにしたマウスちゃんも使用します。
そんなところから「巨大製薬メーカーは遺伝子操作をして良からぬことを考て世界制覇を目指している」なんて論法の集団もありますね。でも、仮面ライダーのショッカーじゃないんだから世界制覇をして一体全体どうしたいんだよ、彼ら悪者の最終的な理想の世界ってなんなんだよ、とひねくれた小学生だった私には陰謀論者の考えが全く理解できません。
そんなことよりシリアまで空爆している米軍へ戦略的アドバイスしている「ランド研究所」などのことを調べなさいよ、そうそうたるメンツが所属していた、これぞ軍産複合体・ネオコンの研究所なんだから。
デング熱の予防ワクチンは来年から実用化とのことです
以前、ブログでお伝えしたようにデング熱用のワクチンは来年2015年からフランスの製薬メーカーによって実用化される見通しです。でも、来年まで待ちきれないチョッとあわてん坊のブラジルのオッサン達がこの「良い蚊」を10000匹ほど町に放ったようです。ブラジルって蚊取り線香ないんでしょうかね??日系の方も多いんでありそうなもんですけど。ブラジルでは蚊取り線香は一般化していないと効果が⋯
デング熱を広める蚊を退治する為に蚊取り線香を使うと「良い蚊」も退治しちゃうってことになりますから。