ダイエットは美容面だけでなく、高血圧、糖尿病などの治療の一環としても積極的に医師は患者さんに「瘦せてくださいね」と伝える傾向があります。
でも「ダイエットしないとがんになりやすいですよ」とアドバイスする医師は稀なのではないでしょうか?
本記事の内容
肥満だとなりやすい「がん」が10種類あります
肥満だと心臓や血管系の病気になりやすい、ということは皆さんが認識してるでしょうけど、「肥満だとがんになりやすいよ」ということはあまり知られていない考えますので、今回、肥満とがんの関連性を調べた論文がありますので、それをご紹介します。
肥満だとなりやすい「がん」ベスト1は子宮体がん
ロンドン大学のグループが発表した論文で対象となった人数は524万3,978人という大掛かりなものでした。
この論文が掲載されたランセットって医学専門誌は非常に高い評価を受けているものですから、信頼度は高いとお考えください。肥満度を判定するには皆様おなじみのBMIが採用されていて、22種類のがんとBMIの関連性を調べたものです。手法は前向きのコホート試験と呼ばれるものですから、信頼度も高いものですし、喫煙や年齢、もちろん性別の影響も分析するときは影響を反映するように考慮された研究です。
肥満だとなりやすい「がん」
- 子宮体がん
- 胆のうがん
- 腎がん
- 子宮頸がん
- 甲状腺がん
- 白血病
これらはBMIが5増加すると発症リスクが上昇することが分りました。
- 肝がん
- 結腸がん
- 卵巣がん
- 乳がん(閉経後)
この四つのがんはBMIと相関関係がありました。
実は肥満だとなりにくい「がん」もあります
日本人が罹りやすい「がん」は男性は胃、肺、大腸、前立腺、肝臓の順で女性は乳房、大腸 胃、肺、子宮の順(死亡率ではありませんのでご注意くださいね)、英国人の肥満だとなりやすい「がん」である胆のうがんや腎がんは稀ではありませんけど、通常あまり意識していない病気なのではないでしょうか?
実は肥満だとなりにくい「がん」も今回の研究では明らかになっています。前立腺がん、閉経前乳がんという日本で増えているとされている「がん」はBMIの増加との関連は逆になっていて、肥満だとなりにくいということが判明してしまいました。
上記論文より。
前立腺がんの場合はBMIが増えると発症率が下がるのです❗
前立腺がんも乳がんもホルモン依存性のがんであり、ホルモン治療を行ないますのでこの二つのがんと肥満の関連性が明らかになれば、がんの予防あるいは肥満の予防に画期的な方法が開発される可能性があります。
肥満でBMIが高いと様々ながんのリスクが高くなることは間違いない
今回の肥満とがんの関連性を調べた論文は人種に対してのバイアスを避ける処理がされていませんので、即日本人に当てはまるわけではありません。
多くの先進国同様に英国も肥満が国民の健康に多大なマイナス面があることが問題になっています。12年ごとにBMIが1づつ上昇しているというデータが有りますので、「ダイエットしないと高血圧で将来心臓や脳の血管にダメージを受けますよ」という脅し文句では患者さんがピンとこないので「肥満だと将来がんになりますよ」的な危機感を煽る表現で肥満予防を行なうこと可能になるかもしれませんね。