政務費不正疑惑に対する野々村県議の記者会見に既視感をおぼえた方も多いのではないでしょうか?私は不適切な処理をしていたユッケで死亡者まででた食中毒事件の焼き肉屋社長の会見を思い出しました。突然泣き出したり(涙が出ているかは不明)、突然語気を荒げたり、ともちろん不祥事に対する会見ですので通常の精神状態とはかけ離れていて当然だとの考え方も成り立ちますが、違和感が⋯。
野々村県議の記者会見の異様さ
話は変わりますが(一応、逃げ口上)、精神医学分野では演技性人格障害 (Histrionic Personality Disorder) という病態がありまして、ひょっとするとSTAP小保方さんも⋯。
演技性人格障害、演技性パーソナリティ障害とは
県議、焼き肉屋、STAPはおいといて(更に逃げ口上)、演技性の人格障害について述べてみます。DSM‐Ⅳ‐TRという精神の病気の診断基準を決めているものがありまして、病気の分類もされています。演技性人格障害の特徴としてザックリ紹介しますが、
- 常に自分が注目の的になっていたい
- 芝居がかった大げさな演技
- 感情変化を素早く表現できる
- 自分への関心を高めるためのオーバーアクション
- インプレッションが強いけど内容がスカスカの話をする
- 第三者に対して挑戦的な態度をとる
以上6つの他にあとふたつの合計8個の特徴があり、五つ以上当てはまると「演技性人格障害、」と診断できることになっていますので、この時点で6点をゲットしたと思われる野々村県議は⋯。
病気か、性格か?
この演技性人格障害を病気と考えるか、癖のある性格と考えるかは賛否があります。今は亡くなった某大俳優と大女優夫妻はご主人がパンツになんかを隠して、某国への入国を拒否されたことがありました。ご主人の不始末に対して奥様が記者会見を行なって不良オヤジと結婚した健気な妻的言葉とともに涙を流しました。
その後、奥さんは「パパ、私のあの会見、何点くらい?」と感想を不良オヤジご主人に尋ねたって話もありますので、高度な演技力を持った人を病気と断定するには無理があると考えます。演技を追求する俳優さんの日常での努力には感服しますが、少なくとも「印象は強いけど内容がスカスカ」の会見ではありせんし、「挑戦的な態度を取る」ことも無かったので、あくまで「人生を芸に捧げた大俳優夫妻」と解釈します。
やっぱり不自然、医師が多用する謎の言葉「ご病気」
STAPさんは今、旧ソ連の超能力者のインチキを曝露したような状況下で再実験を行なっている状況ですので、そーっとしておきましょう。ユッケ事件の社長は自己破産・離婚という悲惨な状況のもと運送関係の職場でドライバーで日々の生活をおくっているそうです(http://blog.livedoor.jp/より)。精神的な疾患を持っている人の割合は100人に1人以上と言われています。兵庫の県議の定員は89人ですから、一人は精神疾患を患っている方がいても統計上は不自然ではありません。
医学部の定員も一学年大体100名程度ですが、1人や2人は明らかに精神疾患と思われる学生がいて自主退学や出席日数不足で退学となりますが、自然淘汰をくぐり抜けて医師免許を獲得してしまう人もゼロではありません。精神疾患に侵されている医師でも診療は行なえますので、その様な方に対して私たちは「ご病気」といってマーキングしています。けして尊敬語的に目上の方に対して「ご」をつける用法ではありません。医師としては明らかにあの医師は精神疾患を患っているけど、その医師の免許を剥奪することになりかねない発言をしたくない、診断を下したくないといった場合に使用します。
野々村県議に対する医学的な診断をメディアで得られた情報からくだすことは出来ませんが、「ご病気」であることは間違いないですね。