サーミRF(THERMi RF)治療は「切らないフェイスリフト」の新しい治療方法です

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切らないで顔のたるみをとる治療として糸を入れる比較的簡単な美容治療(美容整形とは呼ばない)があります。当院でもハッピーリフトなどの治療を行っていて好評です。

切らないで「フェイスリフト」してしまう「サーミRF」

糸も使用しない方法として「ラディエイジ」あるいは「ペレヴェ」と呼ばれるRF(高周波)を使ったものもあります。

一方で某美容外科でリフトアップ治療で集団提訴なんて前代未聞の出来事が起きていてタルミを改善する治療に躊躇してしまうかたもいると予想してます。

サーミRF(THERMi RF)の外観

これがその「切らないでフェイスリフト」ができる「THERMi RF」です。

そんじょそこらの経験の浅い医師が行うには難易度が高いけど、熟練医師が行うならこんなに安全で、しかも効果的とされているサーミRF(THERMi RF) という機械を使った新しい治療を私が実験台になって試してみました。

THERMi RF治療前のデザイン

恥ずかしながら私です。青い線は治療に使うカニューレをさす方向を示していて、赤い点はこのポイントから神経・血管が顔に広がっていますよ、というマーキングです。

切らないフェイスリフト治療の「サーミRF」はアメリカで流行っているのはなぜか?

この治療はビバリーヒルズで美容整形クリニックを開業しているDr.Kinnyが開発したもので、このオッサンはバリバリの理系でMITでも勉強したくらいなんです。でも、疑い深い私のことですので、彼がUCSFに講座をもっていることもUCSFの日本人教授に確認しています。

当院の方針として新しい治療はまず医師が自分で試し、次に家族、スタッフで効果と安全性を確認、そして本格的に患者さんにご紹介という面倒なstepを必要としてます。今回はサーミRF体験の第一stepの治療風景(院長である私の体験)と感想をお伝えします。

サーミRF治療風景

寝ているのが私、治療をしているのが松下医師、ネクタイのおじさんがTHERMi RFを開発した会社の人です。

論文ベースでしっかりと症例報告とメカニズムが検討されているかも当院はチェックします。

サーミRFのエビデンス

おっ、しっかりとJ Drugs Dermatol.2014;13 (2) :185-189 に論文として載っています。

サーミRFのメカニズム

たるんだ皮膚を引き上げるリフトアップ治療は様々な方法が考案されてきましたが、サーミRFは高周波を利用します。高周波っていうのは電気メスに使用されるものですが、簡単に言えば熱の作用で皮膚などの蛋白を変化させて縮めるという結果が期待できます。

質問1:サーミRFは痛くないのですか?

局所麻酔で十分痛みは回避できます。開発した会社は大量の麻酔を使用することを推奨していますが、あるコツでかなり少ない局所麻酔で十分治療は可能です。

マグラス医師によるサーミRFの治療風景

顔に挿入したカニューレにRFを流すと、熱を帯びます。効果を出すための内部の温度、皮膚表面の温度、カニューレ自体の温度を監視しながら治療を行います。マグラス医師の表情も真剣です、海外情報に強い彼女がサーミRFを見つけて来ました。

質問2:術後の腫れはないでしょうか?

実はこれはサーミRFの開発者であるキニー医師、そしてTHERMi RFを製造している会社の担当者と激論がありました。彼らは顔や首の場合、45〜50度の熱によって筋膜を中心に蛋白変成を起こしてリフトアップ効果、フェイスリフト効果を出すものであるから治療後はテープ等で厳重に固定する必要があると主張しました。

私の考えは彼らのサーミRFのヒントは多分脂肪吸引にカニューレを使用するということ、日本でもサーマクール等のRFによるリフトアップ治療は存在しますが、必要以上の麻酔を使用するために細胞間に余分な水分が溜まるために、術後の腫れが引き起こると言うものです。

麻酔方法を工夫すれば顔・首の腫れはおこりません!

私は自分が実験台になるので、心配無用として治療後もテープ固定など一切しませんでした。治療後も通常の診療さえ行いましたが、この通りです。

サーミRF治療直後

これは術後二日目の写真です。首のシワを伸ばす、顔のほうれい線とフェイスラインのアップ、いわゆるフェイスリフトを目的とした今回の私の体験レポートですが、彼らが恐れた内出血(医学的には皮下出血)も全く有りません。

首がたるんでいるように見えるのは顔の腫れの原因となる炎症反応によって増加する細胞間液が重力の法則によって首周辺に集まり、通常ならそのまま静脈系に吸収されるのですが、今回は同時に首にもサーミRFの治療を行い、細胞にダメージを与えているために首が一時的に腫れて見えるのです。

質問3:治療後の痛みはないか?

私は治療直後に通常使用される痛み止めを直ぐに飲みましたが、痛む様子が全くなかったのでそれきり一切薬は飲みませんでした。

五本木クリニックではいつからサーミRFによるフェイスリフトを開始するのか?

サーミRFによるフェイスリフトと首のシワのばし治療翌日、マスクもしないで当院した私を見て「院長、全く腫れませんね」とのスタッフの言葉にうなずいたあと、さらにスタッフが「院長、なんだかシワが薄くなっています❗」って言ったものですから私は激怒しました「これは治療の影響で少し腫れているの!そんな直ぐに効果出るワケ無いでしょ!」こんなこと言われて良く当院のスタッフはついて来てくれると心では感謝しております。

治療の効果は創傷治癒の経過等に準ずるので、多分2週間後くらいかな?と予想しています。私の治療の次に家族の顔以外の部分のテスト治療も完了しております。

次はスタッフにテスト治療を行って確実な効果と安全性、そして私の理論である治療後テープ固定なし、が実証されてから初めて患者さんにご紹介する予定です。

五本木クリニックって院長が理屈っぽいので、やることも理論的に裏付けられ実証されてから患者さんにお伝えするというシステム、今後も変えるつもりは一切ありません。

ひょっとするとこのサーミRFによる治療もマグラス医師が最初に見つけて来てくれましたが、患者さんへの治療は他のクリニックに先を越されるかも知れませんが、南極点を目指したスコット隊とアムンゼン隊の結果のように焦る必要はないのです(焦って準備不足だったスコット隊は南極点に到達しないで全滅しました)。

サーミRFの治療効果

この症例より素晴らしい効果を出すためのヒントと自信があります❗ このサーミRFは様々な部分に応用ができますし、画期的なシステムを組み入れています。残念ながら今回のブログではシステムを含み全貌を明らかにすることができない事情(例えばパチもんが出回る可能性)があります。

私の治療効果を近いうちに公開しますので、その時にさらに詳しい内容をお伝えします。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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