パソコンやスマホの光が体に良くないと広く信じられています。
そんなところに「ブルーライトが体重増加に関連している!」なんて情報がウェブ上を賑わしていますけど、本当なんでしょうか?
本記事の内容
スマホやパソコンの使い過ぎは眼に良くないことはわかっているけど
そもそもブルーライトって波長が380~495nmの青く見える光であって人間が感じ取ることができる光の色としては一番波長が短いために注目されている傾向があります。波長が短く、エネルギー的に強いために眼の奥にある網膜を直撃するために紫外線と同様に人体に悪影響があると考えられていますが、なにもブルーライトはLEDや液晶パネルからだけ発せられているワケではなく、自然の太陽光からもたくさん出ているような気もしますが(詳しくは「六号通り診療所所長のブログ」をご覧ください、私以上に辛口の医学的ブログです)⋯まあ、ウェブを賑わすことが予想される話題ですから水を差す様なマネは止めておきます。笑
スマホやパソコンのブルーライトが体重増加に影響を与える
今回の研究はまだ論文(ペーパー)にはなっていないのですが、6月に開催される第28回 the Associated Professional Sleep Societies の総会で発表される予定です。学会で発表する前に要約部分が演題集に掲載されますので、それをもとにして彼らの研究を検討してみます。これが元ネタですけど、メディアが取り上げている内容と少しニュアンスの違いが感じられるのは大人の対応で見過ごしますね。
今回の研究内容をざっくり紹介すると
同じカロリーを摂取する健康な10人の大人を実験の対象にしました。20ルクスの光のもとで16時間生活をさせて、3ルクス以下の状態で8時間睡眠をとらせました。別の日には起きてから10.5時間後から3時間260ルクスのブルーライトを3時間浴びせてました。暗い光のもとでの生活におけるデータと260ルクスのブルーライトを照射した生活におけるデータを比較したところ
3時間ブルーライトに晒された場合、飢餓状態が強くなり、空腹感が増すために食事を余計にとる結果
が出たとのいう結論が導かれました。
なんで260ルクスであり、なんでブルーライトを選択したのか、アブストラクト上では判別がつきませんでしたが、多分そろそろ学会で正式に発表しているので追加の情報がでましたら詳細をお伝えしますね!
ブルーライトによる負のスパイラルは空腹感と糖代謝に影響
パソコンやスマホのブルーライトが睡眠障害の原因になることは広く知られていますが、人間のエネルギー源である糖の代謝をコントロールしているインスリンに対する感受性にも影響を与えていることが今回の研究から導かれています。
薄暗い光に比較するとブルーライトを浴びることは眠気を覚まして、食欲もでてしまうってことですから、夜の遅い時間にパソコンをいじりだしたり、スマホを見ているうちに食欲がでてきて、そこでおやつに手を出してしまうとブルーライトは糖代謝にも影響を与えますので(この研究によれば)、体重増加でデブ街道驀進とないりますし、睡眠障害も起きてしまうので眠気もなんのそので、スマホにかじりつきながらスナック菓子をバリバリ食べて⋯デブの完成!となるという理論が今回の研究結果です。
「パソコン・スマホを使うと肥満につながる」という結果が導かれるのですね。
かなりメディアが騒いでいますけど⋯。
どうすればブルーライトから身を守れるか?
でも「ブルーライト=スマホやパソコンの光」ってことが前提でこの話は進まないといけないのですが、それ以前の問題点を考えてみます。
まず、長時間パソコンに接していると姿勢も悪くなりますし、目も一点に集中しますので眼精疲労が当然起こって来ます。さらに凝視することによってドライアイにもなってしまいます。特にスマホは目との距離が短くなる傾向があるんで当然、子供の時に本を読む正しい姿勢からはかけ離れた状態になりますよね(この辺りは私がすきな「おばあちゃんの知恵」的)。
健康上の問題から言えば肥満より遥かに悪影響を与えてしまうんです、スマホもPCも。
実はブルーライト自体が他の波長の光より目に悪影響があるというのは医学的には定説にはなっていません。逆転の発想でいえば、受験勉強や追い込みの仕事に追われている人は睡眠を妨げるパソコン、スマホを十分に活用すれば眠気に悩まされること無く集中できるんではないでしょうか?まだ、医学的にハッキリはしていませんけど、手元におやつを用意するのは避けておいてくださいね❗