鍼灸で使用される「ツボ」ってWHOで決められていたの??でも「経絡」は理解不能です

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まちのどこにでも見かける鍼灸院、整形外科の治療に満足しないお年寄りの最後の頼みの綱的存在であることは否定できません。健康雑誌などでも「やせるツボ」とか「むくみをとるツボ」などが特集されているために若い女性にも人気のある民間療法の一つとなっています。

どうしても理解ができない鍼灸におけるツボの理論

私はおばあちゃんの知恵的な民間療法のファンですので、一時期鍼灸・マッサージに凝った時期があります。確かにプラセボであったとしても効果を感じる時あり、アプローチさえ変えれば治療法の一つとしてもっと医師からも認められてもいいんじゃない的立場です(ようは治療効果が明確な鍼灸は好きですってこと)。

しかし、経絡ってどうしても私の理解の範疇を越えてしまい「経絡マッサージなんかではダイエットは無理」なんてブログを書いてしまった前科?があります。

理解できないけど、ツボを押すと確かに症状が緩和される

ツボって経絡の上にある「気」が溜まる場所で「経穴」といわれています。このような説明を受けると別に「気」が眼に見えないから信じられないという、無闇に放射線を怖がる人とは違った理由で不信感を抱いてしまうのです。

中国の医学である東洋医学における「気」は人間の生命活動をあらわす用語です。人間の生命活動は「気」「血」「水」によって支配されているらしいのですが、「血」は栄養を運ぶ働き(酸素を運ぶという考え方は無いようです)、「水」は体に潤いを与えつつ温度を調節して代謝に影響を及ぼす(まあ、人間の体の三分の二は水分ですから)というとこまではどうにかついていけますが

「気」がどうしても理解不可のキーワードになってしまいます

その理解不可のキーワードの気が通る道を「経脈」「絡脈」と呼ぶために東洋医学上大事な言葉ベスト3の「経絡」が登場してきます。理解できない「気」が「経絡」の一部に溜まっている場所が「ツボ」になっているので結局、話は理解できないまま堂々巡りになってしまいます。

難解な解釈を基礎的理論としている東洋医学ですが、ツボを押せばそれなりに効果が感じられることがある

のでさらに厄介なことになってしまっているのです、私の場合は。

素直に当院を受診する患者さんのように「この薬を飲むと狭くなった前立腺のオシッコが通る道が広がるから気持ちよく排尿出来ますよ」といわれたら「先生、調子良くなったよ」的に流しておけば良いものをどうしても理論が先行する傾向の性格は幾つになっても治りません❗

解剖学的にわかっていることが人体の全てでないことはわかるけど

解剖学における神経も肉眼で見えるものから、顕微鏡を使用しないと見えない様な細いものもありますし、神経繊維となると肉眼ではもちろん、理論的な細かい分類がなされていても眼で見分けることはできません。
神経繊維_-_Wikipedia
wikiより
更に細かく分類された神経の仕事が全部解明しているわけでは有りませんし、受容体と言う呼ばれるものがどの臓器のどの場所に存在しているかも100%わかっているわけではありません。

もともと東洋医学の経絡は血管やリンパ管、そして神経とは全く違ったものと解釈した方が良いのですが、なぜか西洋式解釈で東洋医学を解明しようとする動きをしてしまうのです、特にWHOさんが❗

鍼灸はツボに集中して経絡と縁を切ることはできないんでしょうか?

WHOによれば「ツボ」は361個あるとされています。流派によってツボの数が違うなんてことが生じていたため「ここを東洋医学でいうところのツボとします」と決めたのですが

西洋医学が進歩するのと同様に新たなツボも発見?されていてツボの数は年々増加

していっているらしいのです。

「WHOも認めたツボ」って表現をとっている鍼灸師の方もいます

これは西洋の医師の術中にハマっている可能性が大ですから、お気をつけ下さい。かならずWHOが決めたツボ一つ一つに対しての効果・効能を科学的実験方法によって調査研究するグループが出現してきますよ、もちろん否定することを念頭においた計画です。観察する対象をしっかりと世界基準で統一して、研究する時に「ツボ」の場所が違うなんてことが起こらないために、ツボの場所をWHOは決めたんですよ。

WHOがツボを認めて経絡を認めたなんて思っていると近い将来「ツボの効果は全く証明されなかった、もちろん経絡なんて考え方の有効性もエビデンスが得られなかった」的な発表がWHOやUSPSTFやCDCが間違いなくだしてきますので❗あくまでおばあちゃんの知恵的に「取りあえず効果あるからいいんじゃない」としといた方がよろしいかと思います。

多くの医師が患者さんの訴えを十分に聞かないで検査を行い、薬を処方している現状ではじっくりと話を聞いてくれて、優しく体に触れてくれる鍼灸師さんに絶大な信頼を寄せている患者さんも多数います。東洋医学を、なにも西洋医学によって解明してもらわなくても良いのではないかと私は考えています。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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