「男には男の武器がある」
昔、こんなCMがあったの覚えていますか?
暑苦しい中年のオッサン(若山富三郎だったか?)が出て来て栄養剤か、精力剤的なドリンク剤を広告していて子ども心に「下品!」と感じていました。
自分がその「オッサン」年齢に達すると確かにパワーが無くなって来たような気もしますし、先日丸二日間、貫徹夜をしましたら数日間眠たくて眠たくて仕方がありませんでした。男にとってのエイジングケアの基本は先日ブログに書いた様なアバクロ経営者の変な整形手術ではなく、男性のパワーはテストステロンというホルモンに大きく依存しているのです。
本記事の内容
パワーこそ男の武器だ⁉
「Low Serum Testosterone and Mortality in Male Veterans 」(Arch Intern Med.2006;166 (15) :1660-1665. )テストステロンが低いと早死にします❗
ED治療薬が効かないという場合はテストステロンの不足が考えられます
世界中の男性に朗報をもたらしたED改善薬ですが、残念なことに効果が現れない方もいます。男性の更年期障害「LOH症候群」をNHKの健康番組などが取り上げてくれたので認知度は高まり
「勃起しないことは、LOHの兆候である」
という身もふたもない直球的解釈が世の中を駆け巡っています。これってインチキ臭い話なんですが、実は本当のホントなんです。
一番細い血管が勃起に関わるので、動脈硬化の症状で最初に出現するのがEDなんです。
テストステロンは強さの証明??
テストステロンが高いロンドンのトレーダーのほうがより稼いだ、という有名な話がありますが、実際にその傾向はあるのですが、反対の考え方をすれば「テストステロンの高い人は大勝負をする傾向がある」というだけであり、長期間調査を続けていれば今頃はスッテンテンになっている可能性も大です。
テストステロン=戦いのホルモン、という解釈も成り立ちますが実際に戦争中の兵士のテストステロンを測定したところ平時と比較して低い値を示していたという研究がありあます(男性ホルモンの大家である札幌医大名誉教授の熊本悦明先生のお話による)。
戦争状態という強烈なストレスに晒されると戦いのホルモンであるテストステロンが低くなってしまうというパラドックス、男性ってストレスに弱いという解釈になります。
テストステロンと血管の関係、そして「うつ病」
血管の壁に対してNOという物質が働きかけ、血管をしなやかにしていることが健康であるために必要なことなのですが、副交感神経だけを高めても血管は広がりません。このメカニズムが正常に働くためには「テストステロン」が必要ですし、EDの場合はNOの産生にまんま直球的に関連しています。
うつ病と診断されてて、大量の精神に作用する薬を処方されている日本の現状は世界レベルからみると異常な自体なのです。一度私が診察した患者さんはなんと14種類もの精神安定剤・抗うつ剤・睡眠薬・睡眠導入剤を処方されていました。
多分、最初は少ない数の薬で様子を見ていたんでしょうけど、効果がイマイチなためガンガン増量されてしまったのでしょうね。
本来ならばテストステロンを測定しておけば間違いなく低い値を示しており、テストステロンが低くなるとうつ病の治療薬が効果を発揮するためのセロトニンとかドーパミンの生産量が落ちてるために幾ら薬を投与しても効果が出にくくなるんです。
前立腺がんとテストステロン
テストステロンの有害性を強く主張する医師もいますが、今では前立腺がんに対する影響も事前にPSAという前立腺がんを見つけるための腫瘍マーカーを測定しておいて、がんの疑いが無ければ安全にテストステロンを使用出来ることがわかっています。
数年前ですが、エイジングケアドクターをしてかなりマスメディアに登場していた医師がこのPSA検査をしないで、男性更年期と思われる患者さんにテストステロンを打ち続けていた症例を私は経験しておりますので、エイジングケアドクターであっても男性のエイジングケアに対しての知識不足の医師もいるということはお忘れなく!
治療と原因がハッキリして来た男性のエイジングケアですが、特効薬のテストステロン注射薬自体が現在日本中で欠品になっています。副作用とかの問題ではなく原料自体が不足していて、海外からの輸入の目処がつかないとの報告を製薬会社から受けていますが⋯ひょっとして海外のオッサン達の間でテストステロン補充療法が爆発的にブームになっているのかも知れません。