コーヒーが体にいいだの、ガンに効果があるだの、いやいやそんなことないよ、紅茶は比較していないじゃん、なんてコーヒーを取り巻く健康関連問題は長い間決着を見ませんでした。ですが⋯
コーヒー論争に決着がついたようです
例えば
- コーヒーを飲むと肝臓のガンになりにくい説
- コーヒーを1日4杯以上飲むと前立腺がんになりにくい説
- コーヒーを1日4杯以上飲むと自殺が半減する説
逆に
- コーヒーを1日4杯のむと死亡リスクが上昇する説
と様々な説があることをブログで取り上げて来ました。
ついに結果が出ました❗
「コーヒーを一杯余分に飲むと糖尿病の発病リスクが11%減少する」
という内容です。
今まで私のブログを読んでくれた方から「紅茶が比較に入っていないじゃん」とか「カフェインレスのコーヒーはどうなのよ」と問い掛けをいただきましたが、今回取り上げる論文はそれもカバーしているんだな。
コーヒーはやっぱり紅茶より体にいいらしい
今回の論文は「Changes in coffee intake and subsequent risk of type 2 diabetes:three large cohorts of US men and women」という題名で「Diabetologia」に掲載されていました(DOI 10.1007/s00125-014-3235-7)。
さすがハーバード大学、太っ腹です、この論文はウェブ上でPDFになっていますので、どなたでもご覧頂けます(私の訳が間違っていた場合はコッソリとメールでご指摘ください)。
今回の研究は
紅茶も比較対象としている点が興味深い
ものとなっています。
- ベースラインでLowはもともと1日一杯未満のグループ、Mediumは1日1−3杯のグループ、Highは1日4杯のグループです
- aはコーヒーでbは紅茶ですが、白い棒グラフは飲む量が減ったグループ、灰色の棒グラフは中間、黒い棒グラフは飲む量が増えたグループです
- コーヒー摂取量が追跡期間の4年間に1日あたり一杯以上増えていた人は糖尿病のリスクが11%低下していた
- 逆に1日当たりのコーヒー摂取量が一杯以上減少していた人は糖尿病のリスクが17%上昇
という驚きの結果がでています。紅茶も体には良さそうですが、1日に飲む量が増減しても糖尿病発症との関連はありませんでした。
カフェインレスコーヒーは糖尿病には効果がない
今回の研究は途中で妊娠した人は対象から外されましたが、カフェインが妊婦さんに悪い影響があるとされていますので、当然の処置です。では、カフェインレスのコーヒーは糖尿病との関連はどうなっていたのでしょうか?これがカフェインレスのデータです。
これがグラフになっているとわかり易いんですが、カフェインレスコーヒーの1日あたりの摂取量が増えようが、減ろうが糖尿病との関連性はありませんでした。
今から1日4杯コーヒーを飲めば糖尿になりにくいわけではありません
ここでコーヒー自体に糖尿病になりにくい効果があるのか、どうかという問題が発生してきます。もともとコーヒーをあまり飲まない人(1日1杯未満)が三杯飲むようになった場合はなぜか糖尿病の発症リスクに変化はありませんでした。一方でもともとコーヒーを大量に(1日3杯以上)を継続している人はなんと37%も糖尿病になる率が低くなっていたのです❗
もともとコーヒーがぶ飲みの人は糖尿病になりにくく、糖尿病の予防として急にコーヒーをがぶ飲みしても効果はありませんし、糖尿病の方がコーヒーをイッパイ飲んでも糖尿病が良くなるという結果は全く導かれていませんのでご注意くださいませ。なんでこんなことを付け加えるかといいますと、間違いなく近い将来「コーヒーで糖尿病にならない」「コーヒー健康法」「コーヒーで糖尿病が治った」なんてタイトルがテレビの健康番組や健康雑誌にデカデカと掲載されることが予想されますんで。