コスメのネット広告は要注意。違うシミ消しコスメなのに同一人物が続々と。

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以前より、コスメやサプリメント(特にダイエット系サプリ)の広告の怪しさをお伝えしている当ブログ。

新型コロナ騒ぎで毎朝のトイレタイムでのネット広告チェックを怠っていました。外出自粛生活が長くなったため?シミを消すと称するコスメのネット広告チェックする時間が増えてしまいました。

新型コロナ感染症騒ぎの陰でさらに進化したインチキ広告が跋扈しだしているようです。

今回取り上げるのはシミを消すコスメ。その広告で使われている使用前・使用後の写真についての検証結果をお伝えします。

違うコスメなのに、どう見ても同じ人のビフォーアフター画像が⋯

まず、そもそもシミを消すコスメに効果はあるのか、非常に気になりますよね。本当に効果があるのであれば、それなりのビフォーアフター画像を披露することができるはずです。

画像の場合、プロが同じ条件で撮影しないと、光の加減や色の加減で正直なビフォーアフターだと、怪しくなってしまうことを私自身が管理しているウェブサイトでも経験しています。

そのようなことが無いように、手の混んだ業界はフォトショップ職人の高度な技術を駆使して素晴らしいビフォーアフター画像をウェブサイトで披露していますよね。

私は撮影のプロでもありませんし、フォトショップも全くいじれないので、加工された画像の真贋を見分けるスキルは持ち合わせていません。

画像
http://sanjuanlaestrelladelosandes.com/2020/03/24/167/より

こんな感じのビフォーアフター画像見かけますよね。これが加工されたものなのかは、今回のテーマではありません。

でもねえ、やろうと思えばやれるんですよ、インチキシミ消しコスメの広告手法はかなりひどい状態です。

同じ画像を違うコスメで使いまわし、これはどう見ても怪しいよね

コスメでシミが消せるか、その回答としては「できてしまったシミをコスメで簡単に消すのは無理」です。

製薬会社が出しているシミを消すと受け止めてしまう医薬部外品であっても、このような状態です。

小林製薬さま、ケシミンで本当にシミは消えるのでしょうか?

小林製薬さま、ケシミンで本当にシミは消えるのでしょうか?

当院では自由診療でおこなう美容部を設けています。シミを消したいとの要望の患者さんも多いのですが、コスメでシミが消されちゃったら商売上がったりだよ的な気持ちでシミ消しコスメを検証しているわけでは無い点をご了解ください。

さあ、はじめます❗

シミ消しコスメのビフォーアフターがとっても変である検証

画像1

ビフォーアフター画像を使いまわしてる問題の比較検証画像その1

http://sanjuanlaestrelladelosandes.com/2020/03/24/167/

画像2

ビフォーアフター画像を使いまわしてる問題の比較検証画像その2

https://carat.fun/12053-2/

画像3

ビフォーアフター画像を使いまわしてる問題の比較検証画像その3

https://girlscosme-info.xyz/bybihaku/

これはどう見ても同じ人がモデルになっていると見えちゃうのは私だけの現象でしょうか?

世界には自分と瓜二つの人が3人はいると真偽は不明ですけど、言われているのは重々承知しております

画像1の商品名は「ビハキュア」。

画像2の商品名は「コーズシックスホワイト」。

画像3の商品名は「ビハクシア」。

全部違う商品名とはいえ、コスメ業界ではOEMという手法がとられることが多いです。自社工場を持たないで化粧品を作ることに専念している化学系製造メーカーにコスメを作ってもらって、自社の商品名を付ける手法です。

ですのでその場合、同じ成分で構成されたコスメですから、万が一シミ消し効果があったらOEM専門会社が提供したビフォーアフター画像を複数のコスメ販売会社が共有しても、特に問題は無いとの大人の解釈もなりたちます。

でもねえ

画像1は「ハイドロキノン誘導体」と「トラネキサム酸」が主成分。

画像2はオーガニックスキンケアをウリにしているので「イザヨイバラエキス」「アーティチョークエキス」「タイムエキス」「キウイエキス」などなどが主成分。

画像3は「ビタミンC誘導体」と「ハイドロキノン誘導体」が主成分。

3つとも違った成分で作られたコスメなのです。

インチキ広告問題はコスメ会社ではなくて、責任は販売している人たちにある?

3つのコスメはそれぞれのコスメ製造会社あるいはコスメ販売会社がそれなりの苦労と努力で作り上げた化粧品なのかもしれません。

本当にシミ消し効果が期待できるコスメであったとしても販売方法がインチキ臭いものであると、当然コスメ自体がインチキ臭いものになってしまいます。

ネットの広告手法は多数あるようですが、当院は広告は一切行っていないので、その辺りの知識は全くありません。でも、なんとなーく理解できるのはアフィリエイト広告と呼ばれる広告販売方法が一線を超えてしまっていることです。

今回の怪しげなシミ消しコスメの広告はニュースサイトでたまたま前掲の広告の一つをクリックしたことに端を発します。

画像

某女性向けサイトより

こんな感じの見かけますよね。おすすめ記事のバナーに紛れ込んだ広告、全て「PR」と書かれていますので、当然クリックすれば広告に行き着きます。そして、インチキ臭いシミ消し広告にたどり着いたのです。

じゃあ、最初にたどり着いた広告ページからどのようにして、残りの2つの広告を見つけたかというと⋯画像検索です。

前掲3つのシミ消しコスメの広告のどれかは、ひょっとするとオリジナル、つまり一次ソースであるかもしれません。

努力と時間とお金を掛けて、シミを消すコスメを開発して、症例写真としてビフォーアフター画像を作り上げたとしても⋯非常識かつ安易にお金儲けをしようという不埒な人々に利用されているのかもしれませんね。

パクった画像を平気で使ってしまうコスメ広告のひどすぎる一例

今回取り上げた3つのコスメはなんと医薬部外品なんです。医薬部外品ともなると、広告に対する厳格な基準が定められています

誇大広告等 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

厚生労働省「医薬品等の広告規制について

以前から美容系グッズの広告にはかなりの確率でインチキ広告が紛れ込んでいることをお伝えしています。

私は数回驚くことを経験しています。

これはどう見ても画像を加工しているよね、を主題としてブログを書いたところ、切実なメールを頂きました。

その方は地方で地道にエステティックサロンを経営していて、長い時間を掛けてご自分の肌の改善を行ってきたそうです。

その結果をご自分のエステサロンのウェブサイトに掲載していたところ、なんと全く関係ないコスメの広告に使われてしまったとのことでした。

たまたま私のブログをご愛読いただいていたために、ご自分の顔写真が無断使用されていることに気がついたそうです。

最終的には、顔写真を無断使用していた広告代理店と連絡がつき、画像の取り下げ、となったようです。

でも、今回のように複数の広告サイトで使い回されていたらどうするんでしょうか?

中には悪質な広告代理店もあるでしょうし、アフィリエイトを運営している個人も多いでしょうから、使い回された画像の削除を求めることは、かなり手間暇がかかってしまうと思われます。

このような画像の使い回し問題はどこへ苦情を言えば良いのでしょうか?さらにそのような悪質な広告を出している責任はどこにあるのでしょうか?

全く効果のないものを、効果があると誇大に表現している場合は国民生活センターや消費者庁の窓口に相談することも可能です(一般的には解決には長い時間が必要といわれています)。

こんな感じのどうみても画像を加工した広告が⋯。

シミを消す化粧品、こりゃありえないでしょうよ(怒&笑)

シミを消す化粧品、こりゃありえないでしょうよ(怒&笑)

ネットの広告は有用であり便利なものも多数あります。しかし、怪しげな広告があまり多数見受けられることも事実です。

この問題、国会議員とかの偉い人が積極的に行動してくれるといいなあ、と感じながら、必要以上に長い(※個人の感想です)外出自粛生活を継続します。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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