メドピア「MedPeer」という医師のための SNSが上場したけど⋯

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今までも医師や医療関係者のみが参加出来るSNSがありました。ソーシャルネットワークサービスと言っても基本的には医薬品情報や医薬メーカーからの売り込み的な紙面と海外の論文の紹介、そしておまけ程度に医師間の意見交流がついていました。

例えばある医師が「こんな酷い患者さんがいた」なんて話を投稿するとその意見を支持するもの、あるいは反対の意見を投稿するもの、そしてその投稿に対して支持する・しないと投票するという仕組みのものが多いのです。例えば胸の聴診の時に「ブラジャーを外すか、否か」なんて論争もありました。

メドピアってどこかで聞いたことがあると思ったら

臨床の決め手が見つかるサイト_MedPeer_メドピア_

実際に医師かどうか電話または医師免許で確認するようですが、昔医師免許(本籍地と氏名と医籍番号を書いたお免状で車の免許証のように写真はありません)をコピーして「医師になりすまし」的な事件があった気がしますので、これでいいのかな?

今回上場したメドピアって現役医師がCEOになっているために医師側としては信頼度が高そうな気がします。メドピアに勤務している患者さんから私も参加することを薦められましたが、今まで放置していました(登録するのが面倒だったという単純な動機)。しかし、今回上場するってニュースがありましたので、興味本位に参加・登録しようと考えています。

MedPeer_メドピア株式会社

https://medpeer.co.jp/

匿名じゃないと投稿できないSNSの問題点

ひとつSNSの欠点があると思います。Facebookの基本方針は「実名主義」ですが、どう見ても実名で使用していない人も多く、さらに明らかに架空アカウントで登録してインチキセミナーや出会い系に誘導する手法も見受けられます。

実際上医師間のウェッブ上の交流サービスも投稿は匿名とかニックネームを使用しますのでハッキリ言って「2ちゃんねる」レベルの交流になってしまうことがあります。SNSであるためにどんな内容だったかを、ここで明らかにするわけにはいきませんのでたとえで言えば、

  • こんな病状の患者さんがいるんだけど対応・処方はどのようにしたらいいでしょうか? という若手医師と思われる投稿があったとします。すると最初の頃は
    • じゃあ、こんな検査をすれば診断が確定しますのでやってみれば?

    というYahoo!知恵袋的な回答があると

    • いやいや、こんな病気の可能性もあるからこんな検査をしてこんな処方をしたらいかが?

    との先輩医師のアドバイスがあり解決か?と思われた所に

    • あのねー、この様な場合はこんな可能性があるって論文があったのご存知ないんですか?

    なんて調子の挑戦的な投稿があると、そのスレはとたんに荒れだす方向にすすみます。

    • ハンドルネーム○○の言っている論文ってこれだろうけど、これはその後のこの論文で否定されているぞ!

    的な攻防が繰り返され最後にはある一定以上の学歴・教養があるとは思えない投稿がでてきて ほとんど「2ちゃんねる (現5ch) 」のような状態になってしまいます。

    メドピアさま、せっかくの医師向けSNSなので実名を希望します

    若手医師の素朴な疑問に対して優しい心で先輩が導くようなサイトになることを願います。たんに自分の知っている知識をひけらかす傾向の人もいますし、最初の素朴な疑問的投稿とは全く違った論争・不毛の論争を繰り返してそのあげく相手を批難攻撃してしまう知ったかぶり先輩は若手の医師を育てるという気持ちで引率して欲しいものです。じゃないと、板の怖さを知って素朴な、逆にいうとベテランでは考えつかないような基本的な投稿が減ってしまうんではないでしょうか?

    良く医師が質問する場合に付ける枕詞があります「プリミティブな質問なんですが⋯」。自分の勉強不足を指摘されることを恐れて「非常に素朴な疑問なんですけど、お尋ねしてよろしいでしょうか」的な自分を卑下しつつ。そんなプリミティブな質問に相手は「非常に良い質問ですね、それは⋯」と返答する慣例があります。

    多分、海外での学会などで回答者が「good question」と返すことから使われだした、やり取りだと私は考えています。でも、「good question」というのは決して「良い質問です」という池上彰さんの使い方ではなく、「質問してくれてありがとう」ぐらいの意味合いや回答を考える為の時間稼ぎで使っているんですけどね、本当は。

    内容をお伝えできないのが辛い医師向けSNS

    以前医師向けの古参サイトm3に非常に面白い討論があったので私のブログで使おうと思って、m3(ソニーが運営)に問い合わせた所、ソーシャルであること、著作権はm3にあることを理由に使用不可の回答も貰いました。患者さんに有意義な内容であるとしても引用は不可です。医師の本音が書かれているのなら何で匿名にするのか,その理由がわかりません。正々堂々と名乗ってこそSNSの価値があるのでは、とそれこそプリミティブな疑問を抱いてしまいます。

    自由な討論を期待する為に匿名にするんでしたら学会なんかで発言する場合は所属と氏名を名乗りますので、自由な討論・質問ができないってことになってしまいます。果たしてメドピアの内容がどのようなものなのか、登録してから伝えられる範囲でお知らせしますね。ひょっとするとこのブログをメドピアさんが見ていて登録拒否されるかも、ですが⋯笑。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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