今シーズンっていうか2013年から2014年に流行したインフルエンザは少し特徴がありました。A型のインフルエンザが流行する時期にあのノロウイルスが流行した為に、ノロウイルス→インフルエンザAという流行パターンで少しいつもより遅めの流行だった印象があります。
本記事の内容
2014年も猛威を振るったインフルエンザですが⋯
素朴な疑問としての「ノロウイルスとインフルエンザに同時に感染しないの?」には以前ブログに書いておりますが、二つのウイルスは同時に感染しないという「干渉」と呼ばれる現象がありますので、このようなパターンになったようです。
インフルエンザの検査キットも限界がありまして
会社によっては社内でインフルエンザの蔓延を防ぐために高熱の社員がでると「医者にいってインフルエンザか調べてこい!」と指示を出すようです。
しかし、インフルエンザの判定キットの流通量も限られている為に、できれば集団感染を避けたい老人施設の方や幼稚園児、または高齢者や幼児と同居している方を当院では優先させていただいてました。
でも、感染が拡大している最中だと「それじゃ困るんです❗」と検査を強く主張する患者さんもいますので、検査キットを使用しないでもある程度見分けがつく方法で診断する場合もあります。
昔の医師は検査キットを使わなくてもインフルエンザを見分けていた
以前は検査キットなど使用しないでも、発症状況と症状から「インフルエンザである」と診断していたのですが、インフルエンザの特効薬であるタミフルが登場してきて、状況に変化が起きてきました。タミフルの副作用の問題です。
また、インフルエンザの場合、通常解熱剤として使用される薬が重篤な副作用を起こす可能性があるためにインフルエンザであるか否かを医療サイドが重要視するようになったために、以前は検査機関に提出しなければ判定できなかったもの、クリニック内で使用出来る簡易検査キットが登場したのです。
検査キット並みの精度でインフルエンザを見分ける町医者の裏技
茨城の桜川市で開業医をしている宮本医師が見つけた方法です。最初は日大医学雑誌第66巻4号に「咽頭の視診所見からインフルエンザを診断する」というタイトルで掲載されたものですが、医学部内で発行され同窓会誌的要素もあるものなので医師である私でも目にすることはほとんどありません。
その内容が素晴らしい為に後日英文にされて「Posterior Pharyngeal Wall Follicles as Early Diagnostic Marker for Seasonal and Novel Influenza」というタイトルでGeneral Medicine Vol.12,No.2に再投稿されたので、私は知ることができました。このGeneral Medicineっていうのも日本の専門誌を英語で世界に発信するためのものであり、日本語の論文は世界では全く通用しないというのが現実です。
写真はインフルエンザの初期でも判定できるもので「濾胞」と呼ばれるもので、目立ったプツプツができていることがわかります。感染初期でも判定できるというだけでも驚きですが、気になる診断率ですが、季節性インフルエンザだと感度95%以上という簡易検査キットもシッポをまいて逃げるほどの成績です。だってインフルエンザ迅速診断キットの感度って90%くらいですから。
結局、お前は何をいいたいの?ということになりますが、大病院志向って間違いなくありますが、町医者って結構裏技持っていますと少しだけ主張したかっただけです。私も尿管結石の患者さんの痛みを一発で治す裏技もっています。
英文の論文崇拝主義者要素の強い私(単に英語コンプレックスが強いだけ)が英文で書かれた宮本医師の論文に注目したんですが、日本語で「インフルエンザ濾胞」って検索したら、トップに「インフルエンザを咽頭視診で診断する~インフルエンザ濾胞について」という宮本医師がお書きになったものが出て来ましたので、素直に日本語で検索すれば良かった 汗&涙。