話題の「肥満治療薬」を飲んでみました、気になるダイエット効果は?

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まず、多くの方が誤解しているのは、今回厚生労働省に承認された日本最大の製薬メーカーの肥満治療薬は糖尿病を合併している方であり、肥満(BMI25以上)でないと治療の対象にはならないと言うことです。今か今かと期待している方も多いと思われますが、残念ながら承認はされていますが販売時期は未定となっています。その当たりの大人の事情もあとでお伝えします。

画期的な夢のダイエット薬が本年登場、実物はこれだ!

肥満症治療薬オブリーン

肥満症を治療する、つまり痩せるための薬です。

この肥満治療はオッサンの強い味方に

ダイエットという言葉はそもそもは瘦せることを意味していませんが、一般的にはダイエット=痩身と解釈しているので、肥満治療という言葉とダイエットは同義であるとして話を進めて行きます。肥満の原因は人間が食事をすることによって余計にな栄養を取りすぎるから引き起こされます。

中には一日50キロカロリーしか食べないで20年近く生活している驚きの仙人の様な女性もいますが、例外とさせていただきますね。今回の治療薬は余分な脂質を体内に吸収させない働きがありますので、揚げ物大好きトンカツ大好きなオッサン仲間は異常に関心を持っている薬なんです。

でも、たんに肥満であるというだけで処方すると濫用傾向になるため「2型糖尿病を合併している」という条件が付けられたと予想されます。保険適用の場合はBMIが25以上で糖尿病である、という条件がつきますが今まで健康保険で処方可能であった肥満治療薬よりは基準は甘めです。

いわゆる自由診療と言う100%自分で医療費を払う場合はこの基準を満たさないでも処方する権利を医師は持っていますが、万が一トラブルが起きたときは医師が重大な責任を負わされることになります。

肥満治療効果に疑問という意見もありますが、実際に試しました、

画期的な肥満治療薬を数日分入手して自分で試してみました。この薬は毎食後直ぐに服用することになっています。身長171センチ、体重64キロ、つまりBMIは21.9であり、血糖値も正常な私はこの治療薬の対象にはなりませんが、50%以上の人に現れる副作用である「下痢」が起きるのかを知りたかったので、数日間服用してみました。

お刺身に白飯とかの食事ですと、別にお腹がグルグルなって下痢がという症状は起きませんでした。トンカツと添え物のキャベツにべったりマヨネーズを掛けて夕食を摂ったところ、食直後よりお腹がグルグルいいだして、トイレへ。噂とおりの脂まみれの○○○がでました。余計な脂は体内に取り入れないように頑張ったよ!と薬はいっているように見えました。

薬の仕組み上避けられない脂まみれの下痢、でも効果が実感できるという利点かも

この副作用は並行輸入でダイエット薬と知られているゼニカルと同様に脂質を分解するリパーゼの働きを邪魔して脂質の吸収を抑えることによって肥満を軽快させるので仕方が無いことかも知れません。p>浣腸をした後に便意を抑えることが出来なくてトイレに駆け込むというほどではありませんし、水様便と私たちが呼ぶ様なノロウイルスによって引き起こされる下痢とも性状は違っていました(あくまで使用者の感想です)。

気になる体重の方ですが入手できたサンプル薬が二日分しかありませんでしたので、体重自体の変化は200gしかありませんでしたので、これはデータとしては誤差の範囲です。でも、二日で200gということは30日毎日服用したら6キロのダイエットに成功となり、3〜5%体重を減少させる効果があるというこの薬の効果・効能は期待できます(臨床データでは一年服用しています)。

肥満治療オブリーンの作用機序

揚げ物とかを体重を気にしないで安心して食べることが可能なら、オッサンには大人気のヒット商品になることは間違いありません。

なぜか販売されない新肥満治療薬、その理由についての噂

この薬ですが、昨年末に医薬品として承認されています。以前ブログで新薬がでる予定と書いたところ、薬の名前を教えて欲しいというリクエスト殺到しましたが、保険適用されるのかその時点では不明でしたので明らかにしませんでした。

実は残念なことに未だに販売時期は未定とされています。その理由として申請した時のような効果が認められなかったという噂も流れていますが、私の体験的にはそれなりの効果は期待できそうです。

多分、保険適用の過大解釈によって医療費の増加を危惧するお役所と日本最大の製薬メーカーの熾烈な駆け引きが行われているのが実態のようです。

メーカーが希望する価格と厚生労働省の指示した価格に大きな開きがあったと小耳に挟みました。保険適用しなくても十分に市場はあると思われますし、生命を危険に晒す様な効果はメカニズム上考え憎いのでいっそ保険適用なんてしないで、ED治療薬のような道を選択すればいいのですが。

ED治療薬として保険外で処方されていた薬が前立腺肥大症の薬として保険適用になるということが今年起きているんですから。

追記

武田薬品 抗肥満薬オブリーン錠 未発売のまま導入元企業に返還 「薬価取得見込めず」武田薬品は2018年7月13日、肥満症治療薬オブリーン錠120mg(一般名:セチリスタット)の日本での開発・製造・販売権を導入元企業のオランダのノルジーン社に2018年10月13日付で返却すると発表した。
とのことです。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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