今回、STAP細胞の論文で猛攻撃を受けている小保方さんですが、批判している人がどれだけ科学系の論文に対して知識を持っているのか疑問に思わずにはいられませんでした。超有名科学誌でも間違い論文、デタラメ論文が入り込んだ歴史があります。
本記事の内容
論文のコピペよりSTAPが有るか、無いかが重要
割烹着を着ようが、部屋がピンクであろうが、実験本来の意味をよーく考えないと国家的損失になりかねません。
論文が審査されるまでの過程って知っていますか?
今の時代、専門誌によっても違いはありますけど基本的に論文はネットで投稿します。論文自体PCで書き込んで作成しますので、コピペが出現してしまうのは当然です。特に英語に弱い日本人はオンライン上の論文で上手い言い回しを見つけた時、その文章をコピーするか、論文自体をダウンロードします。
それらと自分の研究・実験で集めたデータを組み合わせて自分の論文に仕上げて行きます。写真なども大量に保存した自分の撮影した中から選別して論文に貼付けます。
自分の名前があまり有名でないときは、上司や名前の通っている人の名前を共同研究者として羅列します。デタラメiPSの森口さんはこの当たりを上手に利用していましたね。さらに、出来れば専門誌の編集者に上司から今度こんな論文を投稿するよ!と声を掛けておけば優先的に掲載される可能性もありますが、ここまで世界的に売れている研究者は日本人では少ないのが残念なことです。
投稿を見た編集者はざっくりと目を通して、面白そうであると各分野の専門家に論文の内容を精査してもらいます。この時もメールを使用して、タイトルとアブストラクトのみを送ります。詳しい内容を教えてしまうと、ライバル研究者に情報を与えてしまう為、このあたりはかなり慎重に行われます。その為、論文が掲載されるときまで十分に隅々まで目をこらして読んだ人は発表者本人とこの査読係(2−3人)しかいません。
当然、見落としや単純なミスも起こりえるのです。この論文を審査してあげるよ、と返事をしてから通常は一週間以内に結果を編集者に報告します。幾つか疑問点が論文にある場合は宿題として追加実験を求められたり、他のデータを追記することを要求されます。
1869年11月に創刊されたNatureです。存在意義は研究者間の情報交換ツールでしたので、様々な意見・報告が掲載されてきた歴史があります。
論文が発表されてからが勝負です
このように専門誌に掲載されるのは幾つかの難関がありますが、載って安心ではありません。世界中の研究者が,それこそ目を皿のようにしてあら探しをします。
面白い論文だったら自分でその実験を試してみます。論文と同じように実験しても再現性が無い場合が多発した時に、疑問が提出されます。今回のSTAP細胞も論文の怪しさよりも、他の研究機関でSTAP細胞が作り出せない、つまり再現性がないことの方が大問題なのです。
間抜けなNASAがド派手に発表した「ヒ素を食べる生物」
2010年にNASAがDNAでリン酸の変わりにヒ素を利用して生命活動を行っている生物がいる可能性を派手に発表しました。論文としてScienceのオンライン版にも掲載されましたが、これは地球以外に生命がいる可能性の幅を大きくする大発見でした。GFAJ-1と名付けられた発見された微生物です
実はこの実験には大間違いが隠れていました。NASAの研究者はDNAを分析するときに、抽出時に使用する溶液を除外しないで分析していましたので、その溶液にヒ素が混じっていたのです。
小保方さんの実験が再現性がないということで公開実験をしたのも、研究者本人に悪気がなくてもミスは起こりえるということになります。
ひょっとしてどこかでSTAP細胞の実験が成功しているかも?
熾烈な攻撃にさらされている小保方さんですが、論文のねつ造疑惑だけに注目を集めています。もしも、この論文が世界の何処かで再現され、つまり成功していた場合、その研究者は成功したよ!なんてことを公表したり、論文として投稿するわけ無いんです。
先ず、最初にすることは特許を取ることです。特許が取得出来た時点で、初めて公開するに決まっています。実験で遺伝子をいじったネズミをノックアウトマウスと呼びますが、ノックアウトマウスの作り方でさえ私営企業は保有しているんですから。此の様な世界の非情な世界相手に、戦って栄誉を勝ち取ったのが、あのiPS細胞の山中教授なんです。
STAP細胞の実験本来の価値以外の評価にうつつを抜かしていると、ビタミン・アドレナリンからはじまっってステルス戦闘機など日本人の発見、発明が欧米に横取りされた二の舞になってしまいます。