乳酸菌って医学用語じゃないけど、植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違いって?

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朝刊に入っていた、乳酸菌の健康食品の折り込み広告を読んでみたところ(最近、民間療法に凝っています、わたくし)、ラクトバチスルって乳酸菌だったっけ?と不思議に感じて細菌学の教科書(日本語)を読み返してみました。

乳酸菌と言う細菌の分類法は記述されていませんでした。

日本語で書かれたものなので、見落としはないはずですし、細菌学の教授は高校の大先輩だったので、私的には真面目に学んだ基礎医学の教科でした。

乳酸菌Lactobacillus電子顕微鏡

Lactobacillusの写真です。乳酸菌系の食品も広告で見かけますね。

よくよく調べてみると乳酸を作り出す力を持っている細菌類を「乳酸菌」って呼ぶんですね。乳酸菌飲料って子供のときから愛されている飲み物で、健康に良いイメージがあるので、朝食時や給食にもでてきましたよね。糖分が多いのでカルピスが大好きで原液で愛飲したため虫歯だらけになった友達もいました。

乳酸菌が医学用語でない、なんて堅苦しいことは言わないで乳酸菌に付いて少々調べて見ましたので、お暇だったらおつきあいください、特に酒の飲み過ぎでいつもお腹の調子が悪いオッサン!

植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違い

乳酸菌も健康食品業界では動物性が良いとか、いやいや植物性の限ります、なんて話になっているようです。この動物性とか植物性の違いは乳酸を生産する細菌(以後面倒なんで、乳酸菌とします)がどのような環境で増殖するかという違いなんです。日本古来の発酵食である、漬け物・みそ・醤油が植物性乳酸菌が含まれている食品です。塩分が多くなるのが少し、欠点ですね。
一方、動物性乳酸菌はみなさまの予想通りのヨーグルト・チーズなどに含まれています。一般的に動物性乳酸菌は胃酸などに弱いために、腸内細菌を元気にするためには残念ながら役に立ちません。

そこで見かける広告が「しっかり腸まで乳酸菌が届く」ヨーグルト系の食品なのです。

植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違い

http://www.health.ne.jp/library/3000/w3000762.htm

植物性も動物性も乳酸菌は体に良いのは間違い無し

文頭に書きましたラクトバチスルって、女性の膣でみられる常在菌で膀胱炎の時、培養検査をする原因菌ではないですが、見つかることがあるので、私はこれって乳酸菌だっけ?と思った次第です。乳酸菌は一般的に善玉菌という認識ですが、これに大きな間違いはありません。

腸の中には細菌が100兆個くらいいて、消化を助けたりビタミンを供給したり、免疫力を高める働きがあります。動物性乳酸菌は植物性乳酸菌にくらべて、塩分などの刺激に弱いために植物性より劣っているといイメージで捉えている人もいますが、ヨーグルトなどには植物性乳酸菌もいっしょに入れられていますので、乳製品から乳酸菌を取り入れても十分に健康には良いことになります。

健康のどの部分に良いというのは⋯実は、これに効く!とうことが医学的に認められいるのは少ないですし、健康雑誌・健康メディアが良いといっていることに対しても賛否両論が存在しています。どんな医師でも認めているのは腸内細菌に良い影響をあたえる種類の乳酸菌があるということだけで、免疫系や皮膚科疾患、高血圧、糖尿病、さらにはアルツハイマーに効果があると広告で臭わしていることに対しては決定的な判断はされていません。

このような体に良いと思われる細菌類をプロバイオティクスと命名されていますけど、これなんだかアンチバイオティクス(抗生物質)に対しての造語の様な気がしますので、今後調査が必要です。

やっぱりありました「乳酸菌ダイエット」

目にする体に関することにダイエットを付けるとほとんど当てはまるダイエット法があります(笑)。乳酸菌ってもともと体に良いイメージがあるので、+ダイエットで検索すると、もちろん「乳酸菌ダイエット」という記事が見つかりました。プロバイオティクス発酵乳による抗肥満作用を研究した論文が基本的な理論の裏付けになっています。

乳酸菌ダイエットを書いている人の多くは野菜系の食事を中心としてダイエットしよう、と主張してますけど、この論文は高カルシウム乳の肥満効果がプロバイオティクスでさらに強化されるという論文です。ブログなら良いけど、チャンとした記事として書くならもとの論文くらい読んで欲しいものです。

小保方さん問題でもマスメディアは最初は持ち上げ、疑問点が出てくるといきなり攻撃。小保方さんの論文だってネット上で簡単に見つけられて英語ですが、英語ができない人でも「ここはチョッと」という部分が発見できるんですけど。

小保方論文の間違い

Nature「Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency」

カッコの後に普通は略さない長い用語が書いてあるはずなんですけど、略語が繰り返し書かれています。文章を書くことを職業としている人はこれくらいの努力をして、元ネタを調査して欲しいのです。

じゃないと、小保方さんを批判している人も結局は孫引きの孫引きをしている可能性が大です。メディアに活字で書かれていると信用してしまうという習慣を見直してみてください。と、言っている私も先日、新聞の健康雑誌の広告にまんまとダマされました。

今回の乳酸菌の話も今朝の新聞の折り込み広告にインスパイアされたものなんですが⋯。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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